吸血姫、運命と出逢う。

「あ、志貴いらっしゃーい。突然でわるいんだけどさ、今日のデートキャンセルでいいー?」
「は?アルクェイド何言って……ってえぇ!?おまっ、なんか身体光ってるぞ!?」
「この前マシュやセイバーや牛若丸がこっちに来たでしょ?今度はその反対でわたしが英霊召喚で喚ばれたみたい。ま、さっさと片付けて帰ってくるから大丈夫大丈夫ー」
「うわ、地面に魔法陣出て来た……!おまえな、早く帰って来いよ!?」
「わかってるって、デートはその時ね。じゃあちょっと行ってくるから、シエルや妹と浮気しちゃ駄目だよーーー…………」
「……あ、消えた」
🌙🌙🌙
…………それから、ほんの数時間後のこと。
🌙🌙🌙
「お゙おッ♥ダメっ立香っ、そこ弱いところだからっ♥おまんこの天井、あんまり擦っちゃ───ああっあっ♥やだあっ、コリコリって♥指先でいじめないでぇっ♥おまんこ責めるの上手すぎっ、あっまたイクっ、イクイクイク……っっっ♥♥」
ぎゅうううっ……と。
つま先をぴんと伸ばしたアルクェイドは、藤丸立香の中指一本でアクメを極めた。
薄暗い部屋。キングサイズのベッドの上で、ミニスカートとストッキングを引っぺがされ、白い下半身を投げ出している真祖の姫。
それを後ろから抱きかかえるようにして、立香が上半身を支えている。
アルクェイドの股間の周りのシーツは、もう散々イカされた後なのだろう、愛液で濡れそぼって黒く染まっている。別にベッドの隅にいるわけでもないのに、水跡は端まで届きそうなほどだ。
「これで8……9回目かな?やっぱりアルクェイドってイキ易いタイプなんだね、アーキタイプたちと同じだ」
「ちがっ、立香が上手すぎるだけっ……あっ♥またぁ……♥」
ぶちゅ、と熟れた果実を潰すような音。たっぷりと愛液に満たされたマンコの中に、再び立香の指が差し込まれた。
少年の指でまた脚をくねらせる吸血姫。快感を逃がすようにはしたなく両ひざをぱかぱかと開閉するものの、とても追いついていない様子である。
藤丸立香とアルクェイド・ブリュンスタッド。二人の出会いは、正真正銘今日が初めて。出会ってからまだ数時間、いまだ初対面のうちに入るかもしれない交流の薄さだ。
きっちり貞操観念があって、しっかり遠野志貴に一途で、こっそり自分の『女』にプライドのあるアルクェイド。彼女があっさりと股を開いた理由はいくつかある。それはここが立香の寝取った人妻がひしめく寝取りハーレムカルデアであったこともあるし、自分より先に召喚されていた『アルクェイド』───真祖の姫とアーキタイプ=アースも立香のオナホ妻だったこともある。
しかし、そんなことは二の次。後からついてきた言い訳のようなもの。
第一の理由は、
「ほらアルクェイド、こっち向いて。キスしよう?」
「っあ♥♥だめだって、立香の顔、まっすぐ見られないもの……♥め、目をつむってもいい……?」
「だーめ、目を合わせながらしよう。ほら」
「あ───んむっ♥♥」
(立香の顔、近っ♥カッコいいカッコいい♥やばっ、頭おかしくなる~~っ♥♥)
パチパチパチ。アルクェイドの脳内で小さな火花がスパークする。
そう、藤丸立香はイケメンだった。女が好む、女を落とす顔。女であれば英霊でさえ狂わせる美形。
それも質の悪いことに、人妻や彼氏持ち、そんな女がどうしても自分のパートナーと比べて、立香の方に軍配を上げてしまう───そんな背徳感を刺激する風貌なのだ。
それは、別に面食いというわけでもないアルクェイドにさえ、効果覿面。実のところ、カルデアに召喚され初めてマスターの顔を直視したときから、アルクェイドの子宮は交配相手を遠野志貴から藤丸立香へと切り替え、永久ロックを掛けていた。
初対面完堕ちを喫した身体と違いアルクェイドの脳みそはわずかな抵抗を示したが、それも1時間とすこしの間だけ。2時間ほど───正確には1時間52分後、玉藻の前&鈴鹿御前の雌狐ペアを躾けていた立香が二人をハメ潰したあとの精液まみれチンポをうっかり見てしまった瞬間、真祖の姫はその場で土下座。地面に額を擦り付けながら『お願いしますっ♥彼氏もあっちの世界も今日で全部捨てますからっ♥わたしを貴方のハーレムに入れてくださいっ♥わたしの運命の人は貴方だって分かっちゃったの♥♥』と懇願しながら亀頭に誓いのキスを捧げたことで、晴れて立香のオナホ妻となれたのだった。
つまり、今夜は初夜。アルクェイドが藤丸家に何十人目かの嫁入りをする、記念すべき日なのである。
「はむっ、ちゅっ♥ンむっ♥れろ……♥」
立香の青い瞳を至近距離で見つめながら唇を重ねるアルクェイド。ただでさえ興奮していた思考は、恋するオスと見つめあい酩酊状態だ。
(立香の瞳、きれい……♥同じ青色なのに……志貴よりずっと……♥)
遠野志貴と目を合わせたときには起こり得なかった類の胸の高鳴り。どんな死徒と戦った時よりも激しい鼓動が、姫君の思考を蕩かしていく。キスの間も立香の巧みな手マンは続いている。膣口から指を潜らせ、少し入った場所の天井を執拗に刺激する。
女なら誰にでもあるGスポットから送り込まれる快感、キスによる相手への愛おしさ。視線を絡めつつのそれで、アルクェイドの中から遠野志貴の存在が削り取られ、代わりに藤丸立香が膨らんでいく。
きゅんきゅん、とまたマンコが竦みあがる。もう何度目かも分からない絶頂をアルクェイドは味わった。立香はあえて大きくアクメさせるのではなく、優しくほじることでずっとアルクェイドが甘イキから戻って来られなくしていた。
───可愛い。
ヘコヘコと腰を浮かすアルクェイドを見つつ、立香は思う。立香にとっても、アルクェイドは一目惚れ相手だった。ただし立香の場合、その相手が数十人単位でいるのだが───それも彼の性癖と特性ゆえに相手持ちを寝取ってばかりなのだが、そのあたりは開き直ることにしていた。自分も本気で彼女らのことが好きだし、落とした後の彼女らはとても幸せそうなのだから。
「んんっ、むっ───ぶはぁっ!はあっ、はあ、はっ───♥」
ねっとりと糸を引く唾液。
思う存分に唾液を交換したあと、新郎新婦は唇を離した。
はあはあと息を荒げる二人。アルクェイドの視線は降りていって、立香の腰もとへと落ちる。
「もう、反則、でしょ……♥そんなにカッコいいのに……おちんちんもおっきいとか……♥」
「大きいかな?彼氏さんと比べてどう?」
「っ……♥それ、全員に聞いてるんでしょ。虞美人が言ってたわよ、ぜったい聞いてくるって♥」
アルクェイドの手のひらが優しく竿を撫でる。
それは、滅多に見られることのない巨魁だった。アルクェイドの細腕よりともすれば太いのではないかと思うほどの幹。膣を耕しているうちに淫水焼けしたのだろう、表面は黒々として逞しい血管が浮いている。膣壁を削るのに特化した笠はエグいほどに開き女を威圧していた。上を向く亀頭はごつごつと固く、マンコの最奥を存分に叩くだろう。
ごくり、とアルクェイドが唾をのむ。それはこれからこの巨根でマンコを掘り返される恐怖でもあり───見事な性器に対する、メスとしての本能からくる崇拝感でもあった。
アルクェイドの白い指が、チンポの中ほど……よりもうすこしばかり下を指す。微調整するように、さらにいくらか下へ。
はっはっ、へっへっ。犬の喘ぎのような音。それが自分の喉から漏れていることに、しばらくアルクェイドは気付かなかった。彼女の全神経は今、自分のマンコに注がれている。恋人の……『元』恋人のチンポが届いていた深さ。遠野志貴のモノが広げていた場所。彼との逢瀬の夜を思い出す。初めて抱かれた、夜の公園で想いを交わし自分の部屋へ手を繋いで入ったあの日。それから吸血鬼事件を解決し、結ばれたあとの同棲生活。何度も何度も入れたのだから、それは正確にわかる。わかってしまう。それが、立香の半分にも届かない粗末なポークビッツであったことに。立香のモノが、それとは比べるのも失礼な凶悪チンポであることに。
「えっ、ええっ……ええ~……♥♥うそでしょ、これ……♥♥今までわたしが挿れてたのってなに……??くっ、比べ物にならな、あっやばっもうダメっ♥♥立香、好きっ♥もう大好きっ♥結婚してっ♥結婚♥♥孕みたいっ♥立香の赤ちゃん欲しいよおっ♥♥」
「あれ?いいのアルクェイド、志貴さん待ってるんじゃない?」
「もういじわる♥わかってるでしょ、わたしが本当に好きなのは立香だって♥志貴は───アレはね、ちょっと仲良かっただけの友達♥今までのことぜーんぶ勘違い♥だってひどいんだよ?アレ、初対面で切り付けてくるし、ヴローヴとの闘いじゃ途中まですくみ上がってわたしに任せっきりで何もしないし、仲良くなっても言葉遣いは乱暴だし、ロアの時も頼りないし……♥あんなの立香とここの皆がいてくれたらぜんぶ楽勝だったわよ、ぜったい♥それに聞いてよ、志貴のおちんちんここまでしかないんだよ?立香の半分以下♥あんなので出来ちゃったら赤ちゃんがかわいそう……っていうか、わたしの子宮がかわいそうだよ……♥」
目からハートを飛ばしつつ立香を誉めそやすアルクェイド。これでいて、アルクェイドは一途な女性だ。好きになった男には一直線、魂まで捧げる女である。それが今までは遠野志貴に対してだったが───それはアルクェイドが言うように、単なる勘違いであった。ただほかに男を知らなかっただけ、最初に知った男がたまたま運の無いことに、藤丸立香ではないオスだったというだけの話。あまりに人生経験が薄いために、その感情が本来なら恋愛感情にも満たない友愛でしかないことにも気付かなかった。
それが今、本当の相手を知っただけ。立香という、アルクェイドが真に恋心を抱ける相手に初めて出会っただけなのだ。
「あー、なんだか怖くなっちゃった……」
「どうしたの?」
「わたし、志貴に好きとか愛してるとか言ってたんだなあって。立香と出会えなかったら本気でそう勘違いしてたんだなって思うと、ぞっとしちゃう……あっ♥」
ぐい、と立香がアルクェイドの身体を持ち上げ、腰の上に乗せる。背面座位だが挿入はせず、アルクェイドの股間の間から立香のモノが聳えている格好だ。その先端はアルクェイドのヘソを超え、彼女のおっぱいまで届きかねないほどである。
「でもさ。こうも考えられるんじゃない?志貴さんとの関係はほら、慣らしみたいなものでさ。そのあとに出会う俺に備えた練習、みたいな」
「あ……そっか、そうかも!たしかに、初めて好きになるのが立香じゃ、あたまパンクしちゃいそうだし♥志貴でちょっと慣らして……コト♥そうだね、立香ったらあったま良い♥」
「でしょ?───それで、アルクェイド。さっきの質問の答え、まだはっきり聞いてないけど?」
「うわ……容赦ないなあ、立香……♥」
流石に恥ずかしいのか、元恋人へのばつの悪さか。手のひらで顔を覆うアルクェイド。
隠しきれず覗く耳朶は真っ赤。彼女らしかぬか細い声で、
「え……っとね……立香、かな……♥」
「なに?聞こえないよ、アルクェイド」
「もうっ♥だから立香だってば、ていうかこんなの決まってるでしょう♥立香のおちんちんの方がずっとずっとおっきいわよっ♥志貴のおちんちんはね、立香の半分よりももっと小さくて……今思えばだからあんまり気持ち良くなかったんだなあって……♥そりゃそうよね、奥まで届いてないんだもん♥出来損ないっていうか、立香のがホンモノっていうか♥とにかく、立香の方がずっとずっと、ずーっと男の子として格上よ♥」
「うんうん、よく言えました。じゃあその『ホンモノ』のチンポ、挿れちゃおうか、ほら」
「え───ひッ」
パンパンに張り詰めた亀頭が膣口をこじ開ける。
それだけ。たったそれだけで、アルクェイドは快感で腰を抜かした。
「あッ、あああっ……!?♥なにコレっ、ひああああ♥ひ、拡がって……っ♥♥」
ぶちゅッ♥ぬぶぶぶぶッ♥ぐちゅうっ……♥
膣に充填した愛液を押しのけ、ぼたぼたと幹に垂らしながら、アルクェイドのマンコにチンポが挿入っていく。
アルクェイドの人生の中で、これほどマンコが力強く搔き分けられたことはない。当然、恋人のモノでは到底不可能だった。
かと言って、痛くもない。ただただ気持ち良い。オスに屈服させられる被支配欲───彼女自身気付いていなかった彼女の本能が、ようやく満たされるときが来たと諸手を上げて新しい恋人の侵入を許している。手マンとキスで食べごろになったマンコの柔らかさ。限界まで綻んだそれを、固い肉竿が我が物顔で征服していく。
「ひいっ、ひっ♥♥そ、そんなにゆっくりっ、覚えこませるみたいに……♥おまんこ広がっちゃうっ、立香の形になっちゃうよおっ♥」
「なって欲しいんだよアルクェイド、俺の形にさ。───ほらっ」
「おふぅッ♥ぞりぞりって、そんな往復……っ♥」
亀頭の笠が、ぬるりとマンコに滑り込む。かと思えば、膣壁に出っ張りを引っ掛けながらまたチンポが引き抜かれる。
細い腰を掴みながら、立香がアルクェイドの身体を上下する。性感帯は奥や天井でも、一番敏感なのは入り口だ。神経がむき出しのそこを立香は丹念に掘削する。
(こんなことされたら、わたしのおまんこガバガバになっちゃう♥志貴のちっちゃいおちんちんじゃ挿ってるかどうかも分からない……立香のおちんちんじゃなきゃ感じないおまんこになっちゃう♥)
立香のそんな暴挙が、アルクェイドは嬉しくてたまらない。立香から向けられる独占欲、支配欲。昔の男に絶対に立ち戻れなくさせるための調教。志貴にはなかったアルクェイドを自分専用に作り替えようとする行為に、恋心がきゅんきゅんしてしまうのだ。
「うん……よし、こんなとこかな。これが俺の太さだよ。覚えられた、アルクェイド?」
「はっ♥はひっ♥お、おぼえた……っ♥♥」
「よしよし。じゃあ次は長さだね」
「あ───♥」
あえてゆっくりと。何かを探るように挿入される立香のチンポ。
アルクェイドの膣内を進んでいって、ある地点で止まった。
「んー……ここらへんかな。どう、アルクェイド。志貴さんのが入ってたの、ここまでじゃない?」
「ふぇ、あっ?♥い、言われてみればそうかも♥」
アルクェイドが自分の股間を見遣ると、たしかに挿入されているのは先ほど自分が指をさしたところまで。であれば、元彼のモノが入っていたのは深さのはずだ。
けれど、アルクェイドにはそうは思えなかった。単純に、太さ固さが違いすぎる。ただ差し込まれていただけの元彼のモノとはまったく違う。膣壁を押しのけながらの圧迫感は、今まで感じたことのなかったもの。
何より、肌と肌の相性が違った。アルクェイドの身体で一番敏感な場所は、立香の粘膜に触れただけで多幸感を覚えていた。
「そっ、そこだけど♥なんかヘン、志貴のとぜんぜんちがっ……♥」
「相性いいみたいだね、俺たち。俺もすごく良いよ……アルクェイドの中、処女みたいにピッタリだ。よっぽど志貴さんじゃ足りてなかったんだ?」
「うん、うんっ♥立香のほうがずっと気持ち良い♥」
「ホント?嬉しいけど、まだ全部入ってないからね……ほら、力抜いて。入れてくよ」
「っ、あ……あ、あ、あああっ……♥立香、手、握って……♥」
───コツン♥
「お゙ん゙ッッ♥♥」
亀頭が子宮口に触れて。初めての感触に、アルクェイドはまた呑まれる。
さっきまでの甘イキとはちがう、はっきりした絶頂だった。立香の手を握りしめ、金髪美女の背筋が弓のようにしなる。
形のいい背筋の上を汗の珠がすべっていく。赤い眼が見開かれ、天井を見つめる。そのまま数分、アルクェイドは痙攣していた。
「ぶ、はぁ…………!はーっ♥はーっ♥はーっ♥」
「アルクェイド、だいじょうぶ?」
「だ、大丈夫、じゃない……!今の、すごすぎ……っ♥頭がチカチカってして……志貴とのエッチの何十倍も気持ち良かった……♥」
「ホント?……じゃあもっと気持ち良くしてあげる。いったん抜くね?」
背面座位でずっぽりアルクェイドの股間にねじ込まれていたチンポを立香が引き抜く。
今度はアルクェイドを仰向けにしてベッドに寝かせ、その上に伸し掛かった。
「っ……これダメ、立香の顔が見えちゃう……♥」
「嫌かな?俺、アルクェイドの顔を見ながらしたいな」
「イヤじゃないけど……♥立香、カッコよすぎるし……志貴とした初めてのエッチがこれだから、比べて余計に……♥」
「アルクェイドが本気で嫌だったら、やめる。……どう?」
「……♥」
頬を撫でながら言う立香を、拒めるはずもなかった。
アルクェイドが股を開く。太ももを浮かせ、膝を曲げて。立香の腰を挟んで、優しく引き寄せる。
ぬちゃ、というかすかな音。男から迫るわけでも、レイプでもない。女自身の意思で、恋人以外のチンポの挿入が果たされた。
「なんだろ、コレ、さっきよりも感じちゃう……♥な、なんかヘンっ」
「子宮が下りてきてるみたい。俺のこと、アルクェイドの子宮も好きになってくれたみたいだね」
「あっ、あっ♥も、もう奥まで届いちゃ……ああっ♥」
先ほどまでより明らかに浅く、子宮口までチンポが到達する。だけでなく、ぱくぱくと緩みきった下の口は、密着した亀頭を拒めない。固く長いチンポに押し込まれ、子宮の中まで侵入を許してしまった。
「あ゙うッ、あ゙、あ゙あ゙あ゙っっ♥♥おちんちん、入っちゃいけないとこまで入って……っ♥♥」
「動くよ、アルクェイド」
「───オ゙ほぉッ!?♥♥」
膣から亀頭が見えるギリギリまで引き抜いて───勢いよく叩きつける。
さっきまでの優しさは一切ない、力任せの抽送。しかし、今のアルクェイドにはこれこそが致命的だった。ここに来て技術だの、配慮だのは必要ない。あるのはただ前の男を忘れろと、これからは俺がお前の男だと、子宮に焼き付けるためのセックス。
肉と肉を打ち付ける音が響き、その間隔はだんだんと早くなっていく。
「あっ、あっ、あっ、あっ♥立香、好きっ、好き、好き♥」
「はあっ、はっ……!じゃあ、前の彼氏は?どう思ってるの?」
「ええっ……♥言えないわよぉ♥だって志貴、わたしのこと本気で好きだもん♥正直に言ったらさすがに可哀そうで───」
「ダメ。言わないと止めちゃう。言ってくれたら、そのたびにピストンしてあげる」
「───き、嫌いっ♥あんなヤツのこと、今じゃもうだい嫌い♥立香に比べたらもうどうだっていい、そこらへんの人間以下♥」
───ぱん、ぱんっ。
「志貴は、キライ、キライ、キライ、キライ♥立香よりおちんちんちっさいからキライ、立香より頼りにならないからキライ♥病弱だからキライ、わたしを殺したからキライ、えっとえっと、
もうなんでもいいや、とにかくだーーーいっキライ♥」
ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん、ぱん♥
「じゃあ俺の事は?」
「立香は好き♥志貴よりカッコいいから好き♥おちんちんおっきいから好き♥たくさんの世界を救ってるのも好き♥いっぱい女の子に好かれてるのもすごい♥好き♥好き♥好き♥好き♥好き♥好き♥好き♥」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん──────♥♥
一回子宮の突き上げられるごとに走る、頭をおかしくしてしまう快楽。
それが元恋人を否定するたびに与えられて、新しい恋人を持ち上げるたびに与えられる。
アルクェイドの頭は、すっかり馬鹿になっていた。もう股間から脳細胞へ送られる快楽信号を求めることしか考えられない。
「志貴はキライ♥立香は好き♥志貴はキライ、立香は大好きっ♥♥」
まるで刷り込まれるように、自分の声が鼓膜に響き、心まで染み渡る。言葉に出すことで、そのたびに快感を得ることで、一目惚れ相手に見下ろされながら叫ぶことで。どこまでが勢いで言っているのか、どこから本気で言っているのか、アルクェイド自身にも分からなくなる。
そこにはもう、境目はなかった。立香と出会う前のアルクェイドなら、どれだけの拷問にかけられてもこんな事は言わない。だったら今自分の口からだだ漏れている言葉こそ本心だと、アルクェイドも分かっていた。
「アルクェイド、出るっ……俺も好きだ、愛してるよ、アルクェイドっ」
「うん、うんっ♥ちょうだい立香♥中に欲しいの、立香のザーメン♥わたしの子宮、立香専用にして♥♥」
ぐぐ、といっそう強く深くチンポが押し込まれる。二人の性器が、ぴったりと合わさって。
───どぴゅどぴゅっ♥️ びゅく、びゅぷぷぷっ♥️ どぷっ♥️♥️ どぴゅどぴゅどぴゅっっ♥️♥️
「あ、あ♥♥おなか、焼ける……っ♥すっごい量………わたしの子宮、いっぱいになって……あ、まだ出て……♥」
びゅうううううううう……っ♥♥ ぶぴっ♥
「もう、どれだけ出すの……♥こんなのすぐ妊娠しちゃうかも♥」
「俺との赤ちゃん、作ってくれるんでしょ?だったらいっぱい出しておかないと。志貴さんに取られたくないしね」
「もう、ばか♥志貴なんてもうどうだっていいってば♥うん……わたしもほかの皆みたいに早く孕みたいな♥立香との赤ちゃん……♥」
「じゃあもう一回やっちゃう?」
「うんっ♥もっともっとしよ♥わたしもママになって、立香のお嫁さんらしく子育てするんだー♥」
たらふく精液を飲まされ、ずっしりと重くなった子宮の重みを感じつつ。
アルクェイドは幸せなアクメに達した。
遠野志貴とのセックスでは感じたことのない、女の充足感を覚えながら。
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「あ、志貴ごめーん。デート中なのにわるいけどさ、急用ができちゃって!今日はここで打ち切りってことでいいー?」
「はあ!?デート中っておまえ、やっと遊園地着いたとこだぞ!?」
「だからわるいってば!なんだか知らない吸血鬼の気配を感じるの。きっとシエルも気づいてないだろうし、わたしが対処しなきゃいけないわ」
「なんだよそれ、おまえ一人で大丈夫か?俺も手伝った方がいいんじゃ……」
「いいからいいから。わたしの力、知ってるでしょ?ここは人目も多いし単独の方がいいわ。志貴は危ないから先に帰っちゃって!」
「って何メートルも飛び跳ねながら言うんじゃない……!おまえな、ほんとに気を付けろよ!?」
「わかってるって!あ、ほんとにちゃんと帰ってよ?ぜったい遊園地の中にいちゃダメよ、危ないから!」
「いや、一人で遊園地とか遊ぶわけな──────……行っちまった。…………はあ、帰ろ。なんだあいつ、最近ドタキャンしてばっかりだな……」
「は……ん、ちゅ♥ちゅっちゅっ♥ゴメンね立香、遅くなって……♥」
「ううん、大丈夫。じゃ、デートに行こうか」
「うんっ♥久しぶりの遊園地、楽しみー♥」
