吐いた言葉は霧の中

吐いた言葉は霧の中

こわいよ、どうしたらいいの

…思えば、ずっとろくな思い出がない人生だった気がする。

4つで父が母を殺して、6つで私が父を殺して…その後はまだ何もなかったけど、かといって幸せなことも数えるくらいしかなくて…11歳からは暗殺者として人を殺め続けた。その結果がこれだ。探しに来てくれた友達まで巻き込んで、戦わせて…それで生きることさえできなくて。

「…ごめんなさい」

吐き出した言葉は夜に溶けて、なかったことのように思える……実際、相手がいないからないも同じなんだけど。

色んな感情でぐちゃぐちゃになって、家に引き篭ってしまって暫くした頃

ーー外では色々あったのか、皆が闇へと堕ちていた。

あの時、知ってしまった時のことはあまりよく覚えていない。思い出してもろくなことにならないからそれでいいんだけど、だけど、あの時心が潰れて何も感じたくない、なんて考えたことは覚えている

馬鹿だよね、そんなことしたってどうにもならないし。それに、辛いことを感じられるから幸せを感じられるのに。


短い間だったけど沢山のものを貰った。あんなに幸せな時間は初めてだったから慣れていなかったけど、私も何か返せていたのかな……なんて。きっと返せてなんていないのに。

「…時間って、こんなに早かったんだな」

返せていなかった分を返す、そのためにはエネミー狩りとして少しでも誰かを守りたいし、そのためにずっと頑張ってきた

気づけばあれから強くなって、できることも増えていって守れる人も増えていった。仲間や友達にもまだ光の中で頑張って生きている人はいる。それは嬉しいことで、頑張る理由にもなっている。

……だけど、なんでだろうなあ。どうしようもなく泣きたくなるの。泣く権利なんてないけど、少しくらい弱音吐いたっていいかな、誰も聞いてないんだし

「」







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