遠坂凛の再臨

遠坂凛の再臨




「んっ...///はぁ♥…はぁ♥……はぁ♥」


お世辞にも綺麗とは言えない地下工房、そこでその少女は床へ這うように倒れ、熱を帯びた吐息をこぼす。

地下工房にはその他にも床に謎の模様、散りばめられた宝石や舞い上がった砂埃も含め、彼女が何かをしていたことを伺わせる。

彼女は先程まで、この場所でとある儀式の通過儀礼をしていた。

魔術師が聖なる杯を求めて殺し合う聖杯戦争、この冬木における第五次聖杯戦争において彼女、【遠坂凛】はマスターの1人として参加するためにも英霊召喚に望んでいた。

上質な宝石を集め、当日になって父親からの贈り物によって屋敷の時計が狂うというアクシデントも起きはしたが、なんとかうっかリンを発動せずに自分にとってベストな時間で召喚を成功させた。

全ては完璧なはずだった。

それなのに今現在、彼女の目の前には何者も現れず、その事について戸惑う間もなく彼女の体を異変が襲った。


「な…♥何よ……♥これぇ♥♥」


体が疼いて仕方がないのだ。

子宮は特に疼き、処女であるにもかかわらず、まるで高級娼婦の如く何かを求める。

陰核や乳首も腫れるかのように固くなり、服に擦れる度に快楽を脳へと送る。だが、それでも足りない。

切なく胸に穴が空いたかのような感覚に襲われる。もはや鮮明な思考はなくなり。今の凛にとっては何よりもこの切なさを解消する。溢れ出る性欲を発散することだけを考える。

と言ってもすることは単純、自慰である。


「ぁんっ♥ぁぁっ♥♥はぁ゛ぅ゛っ♥」


服の上から胸を揉みしだき、乳首を抓る。もう片方の手はスカートも下着もくぐり抜け、直接女性器へと伸びかき混ぜ陰核を刺激する。

段々と早くなり、まるで思春期の少年のように必死に自らを快楽へ導く。


「……っ///……~~~♥♥♥……はぁ♥…はぁ♥」


体に電気が走ったかのように硬直しつま先までをピンッ♥っと伸ばし数回絶頂による身震いを繰り返す。

頭は完全に真っ白になり、舌をだらしなく伸ばしながら、絶頂の余韻を堪能する。

だが、凛の心にはまだ多くのモヤが残っていた。


「ふぅー♥ふぅー♥……足りない、全然」


絶頂はした。

既に床には愛液や涎などによって水たまりができており、凛の思考もある程度晴れてきた。

だからこそ分かる。


「ちがう、これじゃない。ぜんぜんちがう」


物足りない所では無い。

全く違う。

何か根本的に、不可欠なものが足りない。自分にとって、何よりも大切なもの、依存なんて生易しい言葉では無い、信奉、盲信と言っていいほど自分はその何かに捧げなければならない。

そう確信していた。


「探さないと……見つけないと……」


息を荒くしながら立ち上がる。

既に心は限界を迎えていた。切なく、虚しく、世界に彩りが失われたかのように無力感に溢れる。

生きる意味を失ったかのように。だからこそこのままでは行けない。

何としても見つけなければ……出会わなければ……そして全てを捧げなければ。


(私に生きる意味は無い)


上階へあがり屋敷へ出る。

そのまま私室へと向かい、最低限の外出の準備をする。

軽く着替え、上着を羽織ろうとした時、ふと鏡に映る自分が目に入った。


(貧相な体ね……)


凛が自らの姿への第一印象がコレである。

予め言っておくが、決して遠坂凛の容姿、肉体は貧相ではない。確かに豊満な肉体とは言えないかもしれないが、それでも優れた容姿と平均値を優に超える肉体美は服の上からも彼女の美しさをひきたてる。

それは彼女が学校で人気の高いマドンナであることを裏付けるのに十分だろう。また、今になって彼女は普段よりも数段大人に、更に魅力的にして魅惑的な雰囲気を纏っていることを自覚した。

それが普段通りの容姿とのギャップを引き起こしているようにも錯覚する。まるで、「中身だけが別の何かに再臨した」かのように。


(こんな体で、あの人を悦ばせられるのかしら?)


そこでようやく凛は、自らが求める存在が人間。人物であることを理解した。

自分はその人物に文字通り全てを捧げたのだ。それこそ持ちうる全ての財と権利を、生きる権利すらもその人物へ捧げた。だからこそ凛はここで無力感のまま死ぬ訳には行かない。

勝手に死ぬことなど許されない、自らの財も、体も、心も、生殺与奪の権利すらも自分のものではなくあの人のものなのだ。


「そうと分かればすぐにでも探しに行かないと♥ この体はまだ処女みたいだし♥ ここからあの人好みの女になってみせるわ♥♥」


まだ探し人がどんな人間かもわからない。それでも凛にとってはどうだって良かった。

まるで動物の帰巣本能のように、その人物こそがあるべき居場所というかのように。意気揚々と自らの家を後にした。

既に彼女の脳内は愛しき探し人と、その人物へ捧げる言葉。悦ばせる方法等相手のことしか考えておらず、自らのことなど微塵も考えていない。

それこそ、ふつふつと溢れ出す力、全能感やそもそも召喚するはずだったサーヴァントはどうなってしまったのかという疑問。

敬愛する父親の遺品に対してももうなんの感情も抱かず、当然学校生活において少しばかり気になっていた同級生のことすらも、既に脳の容量から削除したと言っていいほど忘れ去っていた。ただ、何故か別の家へと引き取られた妹の事だけは、不思議とまだ思考に留めている。だがそれもその程度、凛にとっての今の使命は1つ。なんとしてでも想い人を見つけること。

当初はあれほど熱意を持っていた、全てをかけて望んだ聖杯戦争すらも、既に思考の外へと放棄し、上着を羽織り夜の街へと消えていった……



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「うーん、確かにカレンちゃんの言う通り、冬木市みたいだね。それも無事な」


冬木の都心、人が賑わう大きな交差点の隅にその少年はいた。


「はい、どうやら旦那様が生きていた時代とも大して変わりない時代ですね」


そして少年と共にいるのは、外国の血を匂わせる風貌の修道女。その美しい外見とともに、どこか浮世離れした存在感は周囲の注目を集めそうではあるが、周りを行く人々は2人に目もくれず、通り過ぎていく。

それが神霊として力を得たカレンの実力ゆえなのか、藤丸立香が数々の旅で培った周りと同化し気配を消す処世術ゆえなのかはわからない。


「そんでもって聖杯戦争も行われてると……さっき変な服を着てたギルを倒したけど、そういう特異点?あれでアーチャーは脱落かな?」

「本来ならそうでしょうけど、どうやら今回は勝手が違うご様子。ですが旦那様の心配には及びません。それと英雄王の私服のセンスは恐らく関係ないかと」

「ありがとう、カレンが居てくれて頼もしいよ」

「旦那様の妻として、牝として当然です。私の旦那様への愛に不可能は…ありっ♥ ふぁ♥ あっ♥ あっ♥♥」


カレンはそう藤丸への愛を語るが語り終わるよりも先に、力が抜け、蕩けるような口調へと変わる。

藤丸がまだ言い終えていないカレンに対して、頭に手を起き撫で回していた。2人の様子としては、子供を褒める父親、ペットを撫で回す飼い主のような雰囲気を感じる。

しかしカレンは撫で回される度にその顔は喜悦に満ちている。目はとろん♥とするかのように、虚ろに熱を帯びた視線で藤丸を見つめる。


「カレンは撫でられるのが好きだね」

「はい♥ 旦那様にだけ、撫でられる度にその寵愛を感じ、体が昂るのです♥♥」


撫でる事に体は震え、力が抜け落ちるように藤丸の方へと体を預ける。

藤丸はそれを受止め、変わらず頭を撫でる。どこかインモラルな空気が二人の間に流れたその時。


「見つけたわよ!!」


そんな声が響いた。


「「ん?」」


声をハモらせ、その方角へ視線を向ける2人

そして当然、大きな声を上げたのならば、少なからず人の視線注意を集める。


「なんだなんだ?」

「うぉ、美人じゃん…しかもなんかエロい」

「え!?というかあの男の子、ちょっとアリかも……」

「……遠坂?」


道行く会社員や遊び歩いている若者、家路につく女学生や彼女の名を呼ぶ少年もそこにいた。おそらく同級生なのだろう。

その中には声を上げた凛ではなく、藤丸やカレンへと注意を向ける者もいた。

ただ藤丸は、突然の乱入者に驚きながらもその姿にとても既視感を感じていた。

姿は少し幼く、現代服に身を包んだその姿ではあるが、彼女が僅かに醸し出す神気に魅力的な雰囲気は自らのオンナの1人である女神を連想させる。

そして何よりも瓜二つなのが顔、そして今現在、凛が藤丸へと向ける表情、熱い視線はカルデアにおいて、かの女神が自分に向けるものと酷似していた。

そのため、藤丸の口からその名前が出るのは必然であっただろう。


「イシュタル?」



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その人物を見た時、体に力が湧き上がった。なんだってできる、彼の為なら。そう思えるほどの全能感を感じた。

視界にとらえた瞬間に、彼を中心とした世界は彩り、輝きを取り戻していく。


「イシュタル?」


そう目の前の男は言った。

その瞬間、凛の脳内に全てが蘇る。


(あぁ…そうよ、そういうことだったのね……)


鮮明になった思考。いつもとは次元が違う脳内の思考力に情報処理能力、まさしく神がかりといっていい知識と状況把握能力によって全てを理解した。

自らのみに起きた異常事態、再臨、そして運命的な女神の祝福を。

それを実感しながら、まるで体が本来の在り方を自覚したかのように内側からふつふつと、熱を帯びて蠢き始める。

その様子を眺めながら。藤丸達も動き出した。


「カレン…」

「はい♥仰せのままに♥」


そう名前を呼んだだけで、カレンは藤丸が望むものを理解したように指をふるう。


「あれ、何してたんだっけ?」

「ん?なんでこんな所で立ち止まって…」

「なんだったんだろ、早く家に帰ろ」

「あれ?さっきそこに、遠坂が居た気が…」


すると凛の声に反応してた人々の目から一瞬光が失せ、その後光が宿った頃にはその記憶を失っていた。

誰もが再び家路やそれぞれの目的のために歩き出し、密かに彼女へ興味を向ける同級生もその中の一人としてどこか後ろ髪を引かれる思いで、事態を飲み込めぬまま、その場を後に出来ずにいた。

強力な人払い、そして隠蔽の魔術。例え今ここで凛が無惨に殺されたとしても、誰も気付かずそれが明らかになるのは翌朝頃になるだろう。

そんな魔術師として本来危機的状況、凛程の実力者ならば即座に理解し何かしらの対策、撤退を選ぶべきだろう。だがご存知のように、今の凛の脳内にはそのような自分の保身や魔術的な考えすらも存在しない。

今彼女の脳を占めるのは自らに起きた奇跡のみだ。


(そうだ……なんで忘れてたんだろう。私は凛、遠坂凛。それは変わらない、だけれど私はサーヴァント、神霊ーーー)


淡々と自らの存在を再確認する。


(私はイシュタル、女神イシュタル)


それと同時に思い出される。彼との思い出、美しき旅路の数々。

そして自らの本当の姿、何を信じ、従い、捧げればいいのか。

遡る記憶は遥か遠い異国の特異点、バビロニア。


『じゃあまずは跪いて、足の甲に口付けしてくれる?』


(私はバビロニアの女神にして)


『は〜い藤丸、約束通りお世話になるわね。カルデアでも、変わらず、より一層崇め敬いなさい』


(アーチャーのサーヴァント、カルデアの協力者)


『あの金ピカが目にかけるだけあるわね。気に入ったわ、貴方の勝利の女神になってあげる。心の底から感謝感激しなさい』


(彼の勝利の女神)


『あぁもう白状する、白状します!アナタのことが嫌いじゃないわ!というか好きよ!……私の魅力全然効かないし、思うようにならないくせにどんどん好きになるんだもん!』


(彼の恋人であり……)


『ちゅうぅ♥ちゅっ...♥ちゅる...っ♥……もっとぉ♥キスしてぇ♥♥……れろっ♥♥ちゅっ♥……ちゅるるっ♥』


(愛人であり……)


『んお゛♥♥ な、なによこの極太♥ 立派すぎるわよぉ♥♥…スンスン♥ すぅー♥ はぁー♥♥ 匂いだけでイク……♥♥ んっ/////』


(妻であり……)


『ちょっと何よ!とぼけないで、さっきの廊下でのアレよ!私に見せつけるみたいに……んっ♥ダメよ!極太イケメンちんぽ見せても誤魔化されないんだから♥♥こんな…フー♥フー♥…素敵なぁ♥ おちんぽぉ♥♥……ちゅっ♥♥ 』


(セフレであり……)


『んお゛っ♥ お゛ぉ…!ダメッ♥♥ この体勢っ♥ 奥にくるぅ"ぅ"♥♥お゛お゛ッ♥♥ 逃げられにゃい♥♥ ダメになりゅ♥♥女神でもサーヴァントでもにゃい♥ ただの牝に堕とされりゅ♥♥』


(彼に全てを捧げ、奉仕する、カルデアの女たちと同じ……)


『ご主人しゃま〜♥♥ イシュタルのぉ♥♥ハメ穴をお使いください〜♥♥……んお"っ♥♥踏んでくださりありがとうございます♥んほおぉぉ♥♥マゾイキするぅ♥♥ご主人様こそ真の雄!メスが全てを捧げるべきアルファオスですぅ♥♥』


(マゾメス肉便器、ハメ穴ペット、お手軽孕ませオナホ、専用性処理妻)


『んお゛っ♥ お゛っ♥ お゛お゛お゛お゛っ♥本気ピストンヤバい♥♥パコパコする度に教えこまれるぅ♥♥心も体も子宮も、卵子もレイプされ尽くして♥この雄専用の存在にされる♥♥メスの幸せをわからせられるう゛ぅぅ♥♥』


(ただの牝)


それらを理解するのに、現実では数秒をかからなかった。しかしそれでも凛の脳内ではこれまでの旅路、魅惑的に背徳的、色欲まみれの日々が追体験される。

彼女の女、牝としての雰囲気が更に極まる。童貞を捨てた男が変わるように、処女を失った女に魅力が出るように。

自らをメスと確信し、奉仕するべきオスを見つけ、その2つの関係、全てのメスはオスにその身を捧げる真理を思い出した凛はもう以前の彼女とは別モノ、メスとして覚醒したのだ。


「ふー♥…フー♥……んっ♥…はぁ〜〜♥♥」


呼吸をするだけでも藤丸に屈服し、調教されきった心が体を発情させる。

藤丸を見つけた時点で濡れ始めた秘部は既に下着を使い物にならなくし、体は男を誘うように細かく身動ぎ、視線は熱く初恋のように純情で、崇拝のように妄信的に藤丸を見つめる。表情は自然と微笑み、無意識に蠱惑的な舌なめずりをする。

もしもカレンの人払いが遅れていたら、凛が発情していたことは彼女の顔と足を伝う愛液、そして雄へとアピールをする牝としてのフェロモン、匂いによって大衆に明らかとなっていただろう。


「知り合いに似てるけど、どうやら違うらしいね。何の用だい?」


ようやく話かけたのは藤丸の方からだった。後ろにカレンを控えているが、それでも余裕のある雰囲気と態度で、紳士的に凛に尋ねる。

凛はその言葉だけでも喜びを感じているようだった。既にその顔は誰が見ても"堕ちきっている"女の顔であり、ホテルへ連れ込まれる娼婦を思わせる。

凛本人も、自身の心の昂りや、体が目の前の男を求めて止まないことは理解している。自分が探し求めた存在こそが目の前の男であり、自分が牝として生きる目的であること。


「べっ…べつに♥」


だがそんな心に反して、凛の口からは自然と反感の言葉が漏れ出す。


「子宮があまりにも切ないもんだから、探してみたけど。まさかこんなにパッとしない、好青年で♥ 可愛げもあって♥ 包容力を感じさせて♥♥」


生意気な物言いは長くは続かず、色っぽい熱を帯びた凛の言葉は段々と藤丸を賛美するかのような言葉へと変わっていく。


「かっこよくて♥ 優しそうで♥ それでいて強気に攻めてもくれそうで♥♥」


それは彼女の中に残る遠坂凛としての自分が僅かに見せた反抗心か


「見た瞬間メスとして服従しそうになるだけの♥ 立派なオスの雰囲気に驚いただけだから!♥♥勘違いしないでよね、まだ私が、遠坂凛が心から屈服した訳じゃないんだから♥♥」


それとも、遠坂凛として再び屈服させて欲しい故の挑発か。

どちらにせよ、勝負の結末は誰の目にも明白であり。藤丸は変わらず余裕の態度で背後に控えるカレンは優しく見守りながらクスクスと笑う。


「何の目的でこの街に来たか知らないけど!冬木のセカンドオーナーとして、好き勝手はーーー」


「えっと……遠坂さん」


「んっ.../// はい♥何かしら♥♥」


話を遮る形で藤丸は呼びかけるが、凛はそれに対して強気な物言いは変わらぬが、どう見ても好意を感じさせる口調で、自らの会話を止めてまで応える。

見るからに相手へ媚びを売る、相手に嫌われたくない一心で振る舞う浅ましい女がそこにはいた。


「別に俺たちこの街をどうにかしようとかは思ってないからさ。とりあえずは穏便にいこうよ。俺は藤丸立香、カルデアって機関でマスターをやってる。こっちはサーヴァントのカレンちゃん。今はこのくらいの説明でいいかな?よろしく」


そう優しく手を差し伸べ握手を求める。

その姿はどう見ても好青年であり、模範的な平和を愛する少年と見えるだろう。だが凛は知っている。その握手が罠であることを


(あっ♥♥これ、知ってる♥♥)


瞬時に確信する、彼は自分にもあの時と同様のことをするのだと。特異点で知り合った無垢で、善意故に握手に応じた聖女はこの罠によって抱き込まれ、堕とされた。そして今、自分もその罠にかけようとしてるのだと。

だが、だからといって凛の行動が変わる訳では無い。凛にできることといえば、まるで勘づいてないように振る舞い、罠にかかる動物のように、腰を振りながらこの先のことに想いをふくらませるだけだ。


「しょ、しょうがないわね♥そこまで言うなら、応じてあげる♥♥私は遠坂凛、この冬木のセカンドオーナー、魔術師よ。それと、もしも変な真似をしたらーーー」


そこから先、凛は何も言うことは出来なかった。


「んっ!?……んっ...///」


それは物理的に口を塞がれ、口内を蹂躙されたからでもあり、なによりもその行為によって凛の脳内が一瞬で快楽、幸福の一色に染められたからである。


「んん゛っ……/////♥♥ んっ♥ んちゅ♥んちゅ♥ ぢゅるる♥♥ ちゅぱっ♥ んっ♥ ちゅぅぅぅっ♥ 」


(あっ♥ ダメ♥♥ こんなの記憶以上♥♥ もうガチ恋してる♥♥ キスだけで恋に堕ちてる♥♥ 即堕ち確定じゃない♥ あっ♥…舌いじめないで♥♥ 口の中全部気持ちよくなっちゃうぅ♥♥)


足を震わせ、絶頂しながら股からだらしなく愛液が滴り落ち、足元に水溜まりをつくる。

だが凛はお構い無しに、まるで縋るように依存症の患者のように与えられる快楽にのみ意識を向けていた。

その為凛の表情もだらしなく、目もまるでハートになったかのように熱く藤丸を見つめる。


「ん~っ♥ ちゅっ♥ ぢゅぅぅぅっ♥ ちゅぱっ♥ ぢゅる♥♥ ぢゅるる♥♥ はぁ♥」


それは口が離れた後も、変わらず。

2人の口内で混ざり合い、練り込まれた唾液は離れた2人の口に橋をかける。凛はまるで親鳥に餌をねだる小鳥のように、口が離れたあともねだるように舌を突き出しキスをねだるような表情を見せる。


「んべぇぇ〜♥♥ はぁ♥ はぁ♥♥」


「これは、"変な真似"に入ったりするのかな?」


そう意地悪な質問をする藤丸、それに対して凛は一切不平な表情をせず、変わらず幸福に浸りながらもなんとか息を整え、変わらず強気な口調で答えようとする。


「ぜ、全然♥ ちょっと子宮が完堕ちしただけだもの♥♥ 男らしくすぎて貴方のことしか考えられないようにガチ恋しちゃっただけで、全然問題ないもの!」


「そう、じゃあもう1回やっても構わないよね?」


そう提案する藤丸に対して、凛は明らかに笑顔を咲かせ、無邪気な喜びを見せる。

その顔が発情しきった雌顔でなければ、年相応の多感な少女に見えるだろう。だが今の彼女は、娼婦のように魅惑的で、信徒のように純真な想いでその淫らな欲望のままに動いていた。


「やった!……え、えぇ♥ 私は別に構わないわ♥♥ さっきと同じとは思わない事ね♥♥ 今度はきっと、貴方を満足させてみせるわ♥♥」


もはや趣旨が変わっている。そんな事すらも凛にとってはどうでもいいことなのだろう。

既に自分にとって藤丸は奉仕する相手であり、自分と愛を育む人物として映っている。今ここで、藤丸が告白をすればそれを即座に受け入れ、どのような願いに対しても、それを叶える。

それほどまでに遠坂凛という人物の中では藤丸立香という存在が強く、大きな影響を持っていた。もはや彼女の人生においてはこれからも、その存在が基準になり、追い求めるものになるのだろう。


「うん、それなら次はーーー」


そういいながら、楽しみに体を疼かせながら待つ凛の前で、焦らすよう立香は背後の車止めに腰掛け片足を浮かす。

即座にカレンが立香の片足から靴を脱がせ、靴下も脱がせる。


(あぁ♥♥)


その瞬間、凛も全てを理解した。

カレンが藤丸の言葉無しにでも、望むように行動するように、凛も藤丸が言わずともその行動を、意図と目的を理解した。自分ならそうされたい、彼にそう扱われたい。その想いによって。


「ここに、お願いできるかな?」


素足を突き出す。

数々の旅を乗り越えた彼の足はつま先に至るまで強靭なものであり、日々のトレーニングやカルデアやサーヴァントのバックアップも伴って理想的な肉体、その一部となっている。

ただそれでも足は足である。そこに口付けをすることはどのような意味を持つのか、それによってお互いにどのような力関係を確定させるのか。明白である。

先程までの口付けというのもおこがましい、貪るような接吻を例えるのなら、恋人や愛人としての通過儀礼。だがこれは違う、これは明確に上と下、支配する側と捧げる側をハッキリとする行為。全てを支配する雄と、支配され、手足となって全てを捧げ奉仕する牝。それを確固たるものとさせるものだ。

だが凛は、躊躇うこともせず、ゆっくりとまるで神聖な代々続く儀式を行うかのように体を動かし。突き出された足の前でしゃがみこむ。ちょうど蹲踞の姿勢になり足の甲への口付けを始まりに


「ちゅ♥ んちゅ♥♥ ちゅ♥ ちゅ♥」


そう何度も、重ねるように足の甲へ口付けを繰り返す。

藤丸はそれを満足気に見下ろす。


「旦那様ぁ♥ 私も、私にもお慈悲を♥ 切なくてーーー」


そう懇願し、身を寄せるカレン。

そんなカレンに応えるようち、彼女の口を片手で引き寄せ、奪うように一方的に貪る。


「っ〜〜〜♥♥ んんっ...///♥♥ ぢゅ♥ ぢゅぞぞ♥♥ 」


もはやレイプかのような口付けをカレンはうっとりとした様子で受け入れ。なされるがまま蹂躙を受け入れる。

凛も物欲しそうにその様子を上目遣いで見ながら、さらに丹念に足の甲への口付けを始め、指一つ一つを丹念に舐め回し始める。


「ちゅ♥ ちゅぱ♥ ちゅ♥ ちゅ♥ んちゅ♥♥ れろぉ♥ 」

「ぢゅる♥ ぢゅぞ♥♥ ぢゅぞぞ♥♥ んぢゅ〜♥♥」


足を美少女へ舐めさせながらも、自らはそれに全く目も向けず、隣の別の美女の唇を貪る。両手に花であり、酒池肉林。退廃的な有様がそこにあった。

その様子は正しくメスを従えるオスであり、彼女達が藤丸へ向ける熱い想いを帯びた瞳。そして丹念に、必死に奉仕する姿は彼女達がその関係を望んでいることを表していた。


「遠坂…何を…しているんだ?」


そうその異様で淫らな空間に声をかける者がいた。どこか朧気で、曖昧、要領を得ない無意識で会話しているような言葉だ。


「何ってぇ♥♥ れろぉ♥ ご主人様に御奉仕してるのよぉ♥♥ 見てわかるでしょ?」


それは先程凛が上げた声で立ち止まり、注目し、カレンによる人払いが行われたあともその場に残った赤髪の少年だった。

凛の名前を知っているところからおそらく知り合い、同級生なのだろう。だからこそカレンの人払いの効きが悪いのか、それとも何かしら魔術に耐性があるのか、それともまた、カレンの何かしらの企みによってわざと影響を抑えるようにされてるのか。

だとしても、少年の思考は目の前で行われている痴態を理解出来ていないのだろう。それが非現実的なのは理解しており、無意識に凛に対して問いかけを行ってはいるものの。口で説明するように言われれば今の彼には難しく、思い出すことも困難だろう。

ただそれが情欲を煽る行い、淫らなものだとは彼の体が理解しているようで、どこか鼻息は荒く、粗末な愚息をズボンの上から辛うじてわかる程度に立たせている。


「それでも……なんかおかしいだろ……これは……」


「おかしくないわよ♥ ちゅっ♥ ちゅぱっ♥♥ 牝が…惹かれた雄に尽くすのは…んれぇ〜♥♥ 当然じゃない…あむっ♥ れるれる♥ ん〜〜ちゅっ♥♥」


一切視線を向けず、どうでもいい事のように対処する。

今彼女の全神経は目の前のオスへの奉仕に注がれている。


「まっ、貴方には関係ないことよ。声と存在感だけで負け犬の雑魚オスってわかるもの。というかさっきから馴れ馴れしいけどアンターーー」


そう凛が声をかけた同級生へ初めて視線を移そうとした時


ぐにぃ……


動かそうとした顔を押さえつけるように、先程まで奉仕を受けていた足が凛の顔の上へ置かれ、軽く押し付けられ向きを固定される。

押し付けられながらも両目とも視界は保たれており、首の角度は少し上をむくように、踏まれながら凛の顔が藤丸を見上げるような位置に促される。


「それじゃあ遠坂さん、改めて自己紹介、お願いできるかな?さっきは途中で止まってたし」


相変わらず好青年な、全く悪気がないような声が藤丸より発せられる。凛は無抵抗で顔を踏まれるという行為を受け入れ。更には


「はい♥♥ もう一度名乗らせて頂き、ありがとうございます♥♥」


凛はまるで神を崇めるかのような、それでいて淫蕩的な表情でなされるがまま藤丸を見上げ再び名乗る。


「私♥ 遠坂凛は、藤丸立香様のオンナです♥♥ 牝です♥♥ それ以外の何者でもありません♥♥ なんの価値もありません♥♥」


目を大きく開き、藤丸を見上げながら宣誓する。


「ご主人様と呼ばせてください♥♥ なんだってやります♥ やらせてください♥♥」


惨めにも無自覚に射精を迎えた同級生など既に意識の欠片にも留めておらず、蹲踞の姿勢で両手をまとめ、無防備完全服従といった様子で続ける。


「遠坂家6代目当主、 遠坂凛はぁ〜♥ 今までの魔術とか学業の無意味な時間の浪費を反省して〜♥ これからはご主人様に仕えさせていただきま〜す♥♥」


真の意味で、遠坂凛の新たな生誕。再臨が完遂した瞬間であった。



━━━━━━━━━━━━━━━


「現地協力者と、拠点、無事に確保しましたね。流石です旦那様♥」


そうカレンは媚びるように身を擦り寄せ、藤丸もそれに応えるように頭を撫で悦ばせる。


「それじゃあイシュタル……いいや、凛。案内頼めるかな?」


「はい♥♥ 喜んで♥♥」


「あぁそれと、口調は楽な方でいいから、その方が君らしいし」


「えぇ、わかったわ♥」


「とりあえず今日はもう休んで、明日街を回るつもりだから、その時も案内よろしくね」


そう会話を交えながらも凛へと手を伸ばし、彼女の尻を鷲掴みにすると共に自らの元へ引き寄せる。


「〜〜〜っ♥♥……えぇ♥是非案内させてもらうわ♥♥」


凛はその一瞬で軽く絶頂し、愛液を秘部より溢れさせながら案内を勝ってでる。

2人の美女、2匹の雌を従えて、藤丸立香はこれからの拠点であり、後に加わる雌達との愛の巣となる遠坂邸へと向かっていった。


「ご主人様♥♥♥」








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