同棲キタちゃん 寒さ編
「ただいま……」
「おかえりなさいです、トレーナーさん! ……って、何だか元気がないですね……大丈夫ですか……?」
「あはは……今日は一段と寒いだろ? だから何となくやる気が落ちててさ……」
「そっか……確かにちょっと寒かったですもんね……」
「キタサンは寒さに強いからな……うう……羨ましい……」
「あたしは体の強さが一番の武器でしたからね! とはいえ、トレーナーさんに元気がないのはやっぱり悲しいです……」
「心配させてごめんな……でも、もうすぐ戻ると思うから大丈夫だよ……」
「…………てい」
「き、キタサン!?」
「た、確かにひんやりしてますね……トレーナーさんの手……」
「そ、それはともかく何で手を握って……」
「あたしの手、暖かいですよね?」
「あ、ああ……それはそうだけど……」
「指先から暖めれば全身も暖かくなると思いまして!」
「な、なるほど……言いたいことは分かるけど……」
「……それに、早く元気な姿が見たかったんです……」
「キタサン……」
「…………暖まりましたか?」
「…………うん、温まったよ。凄くね」
「えヘヘ……それなら良かったです……」
「…………手を離してくれないか?」
「あっ……はい……」
「ありがとう…………てい」
「と、トレーナーさん!? な、何で抱きしめて……!?」
「……こっちのほうがもっと温かいから。変かな?」
「……! えへへ……いいえ、 変じゃないです! 凄く……凄く温かいです!!」