可哀想な正実モブのその後
「すぅ……すぅ……」
“よく寝てるね。”
「泣き疲れちゃったみたいっすね……じゃあちゃちゃっと連行して」
“……!?イチカこの人!”
「えっ、あれ?どこに消えたんすか!?」
数日後
「先生?お話ってなんなんすか?」
“みんなに色々調べてもらって、この間の犯人が消えちゃった理由がわかったんだ。”
「えっ!ほんとっすか!?教えてほしいっす!さっさと捕まえて安心させてあげないと……」
“あの子の神秘が原因であることを伝えた”
「はぁ〜、仮想敵を作る神秘っすか……えっ!それじゃあいくら保護しても意味ないんじゃ!?」
“頼れる先輩が敵を倒してくれて思ってたことを吐き出せたから落ち着いてるみたい。イチカのおかげだよ。ありがとう。”
「……えっ、いや、あはは。そんな、いきなり照れるっすよ〜。それに、当然のことをしたまでっす」
“でもすごいよ。そうそう……前々から仮想敵自体は出してたみたいで、それがストレスと正義感とかで変に拗れちゃったようで、リストカットとかそういう自傷行為に近いものなんだってさ。”
「確かにここ最近、あの子の班だけ妙に弾の消費が多かったっすね。成績も良くって無駄遣いするような子じゃないと思ってたんすけど、そういう事……」
“今は模擬戦闘とかで有効活用してるってさ。ただ反動があるみたいで……。”
「反動?」
“うん、そろそろ来る頃だと思うんだ。”
「失礼します、先生。あ、イチカ先輩……」
“頬を紅潮させた少女が抱きついてくる”
「先生、今日も頑張りました。私、偉いです、いい子です。たくさん『褒めて』ください♡」
“こんな風になっちゃうの。”
「あ、あはは……えっと、それじゃ、今のところはたくさん褒めてあげてほしいっす。えっと……2人ともさよならっす!」
“またね。”
「……はれ?いま、あれ!?イチカ先輩!?えっ、ど、どうしましょう!」
“イチカならダメそうなことなら何か言ってくるだろうし、大丈夫だよ。”