口岡明人と両面宿儺
口岡明人の心の後の話です昔は今と違って純粋な憧れだった
カッコいいから面白いから好き
それだけだった
いつしか、空想に脳を焼かれた
正義に身を投じた空想の人々に
そこからだ己を呪うようになったのは
呪霊を知ったのは憧れが変じた時だった
京都姉妹校交流会 1日目 団体戦
その試合の最中、鎖に縛られた両面宿儺が僕に問う
「何のつもりだ」
その問いに僕はこう答えた
「…随分と余裕そうだね、これから殺されるってのに」
それを聞いて宿儺は少しニヤけて言った
「殺す?つまらない虚言を吐くものだ。この体は俺の本体ではない、俺を殺したいのならば小僧を殺せ。
それは貴様も聞いているだろう?」
「あぁそうだね。聞いた話だとそうなってるね。でも信用してないんだよね、その話」
「何故だ?そう言ったのは貴様の教師禪院晴ではないか?まさか貴様は教鞭を取る相手を信用していないのか?」
「うん。そうだけど?」
「貴様…まさか」
「気づいてるさアンタと禪院先生の関係ぐらい、禪院晴、かつて存在した禪院家の汚点、両面宿儺の嫁。」
だが宿儺はそれを認めない
「口岡明人、貴様は何を言っている?
禪院晴は呪物化していない、ましてや五条家の呪いによって殺された。そこまで調べているのだ。ありえないことぐらいわかるだろう?」
惚けるつもりか?なら追い討ちだ
「ここまで来て惚けるつもり?
禪院晴の術式は魂に関係する術式、魂霊呪法、魂を動かしたり色々わかるらしいじゃん、じゃあ生まれ変わりとかもできるんじゃないかな?」
さらに僕はこう言った
「禪院先生の術式は禪院晴と同じ魂霊呪法、しかも子供とは思えない知恵を持つ神童と呼ばれたり現代じゃまずありえない思考回路、怪しむには十分すぎるんじゃないかな?」
「それにさ、禪院先生って術式を使いこなしてるんだよね。不気味な程までに
それなのに虎杖君とアンタが分裂したことに関してはわかりません存じませんのオンパレード!そもそも禪院先生は慎重な人だ。ミスって魂に干渉してイジちゃったとか、そんなこたぁねぇんだよ!明らかに確信犯だろ
ここまで怪しい要素が揃ってるのによく僕を騙せると思ったな」
ようやく認めたのか宿儺口を開いて話し始めた!
「ケヒッヒヒッ!
よく気づいたな口岡明人!!
そうだ彼奴は俺の嫁だ、それで?それを知ってどうするつもりだ?」
その問いに僕は答えた
「どうするって、勿論殺すさ
そして裏にいる何者かを引っ張り出す」
そして宿儺はこう言った
「ほう?そこまで気づいていたか
だが俺の妻を殺すと申すか、不愉快だ、実に不愉快だ!口岡明人!!」
宿儺はそう言って、何処からともなく現れた式神に鎖を断ち切らせた
まずいな、これは予想外だった
「チッ!やってくれたな禪院晴!!」
今ここで戦いの火蓋が切って落とされた