友人に誘われてモンプロを見に行ったらどハマりした話(前編)

友人に誘われてモンプロを見に行ったらどハマりした話(前編)


突然だが、皆さんはモンプロをご存知だろうか。

モンスター達により繰り広げられるプロレスリングエンターテイメントショー、略して「モンプロ」である。

まあ、正直な所私も数日前までは「名前だけ知ってる〜」くらいのスタンスだった。もしこのブログがガチのモンプロファンの皆様の目に止まったら、ニワカと呼ばれても何も文句は言えないだろう。

だが、それでも目に焼き付いた光景を、試合の感動をアウトプットしないと仕事が手につかないのでここに吐き出す事にした。興味がなければ読み飛ばしてくれ。


事の始まりは2週間前。親しい友人Oから「モンプロの興行ペアチケットが手に入ったが、相方の都合がつかないので一緒に観に行かないか」と連絡があったのだ。

私とOは割と気の知れたオタク仲間で、しかし活動分野としては私が文学系、Oがスポーツ系と結構乖離している。当然の事ながら冒頭で書いた通り、モンプロの知識など私にはこれっぽっちもない。

では何故Oの誘いを受けたのか?白状しよう、新刊のネタ集めの一環のつもりだった。「偶には違う分野から刺激を受けるのも悪くないか〜」という軽率なノリでモンプロ沼へと足を踏み入れたのである。もしタイムマシンがあったら、この時の私に「その沼、深いぞ」と言ってやりたい。当然未来からのメッセージを受信する事など出来るはずもなく、Oに言われるがまま観戦の準備をしながら当日を楽しみにしていたのである。

さて、ここまで読んだ皆さんの中で、モンプロに詳しい方は「どの団体の興行を観に行ったのか?」という所が気になっているだろう。これは私もOから聞いて知ったのだが、野球やサッカーのチームのようにモンプロにも複数の団体があり、それぞれが団体の中での選手同士の試合を披露したり、時に団体同士での試合をしたりしているらしい。

特に世間では「剛鬼」や「ダイナレスラー」という団体が人気なのだそうだが、今回我々が観戦したのは「ブルゾネスラー」という、モンプロ界隈においては新興の団体の興行だった。

観戦当日、私とOは会場最寄りの駅で待ち合わせて徒歩で移動。道中Oは「まだ知名度は高くないが、選手には光る才能を感じた。いずれチケットが入手困難になる時代が来るから今日は存分に楽しんで欲しい」という内容を10倍に膨らませたトークをハイテンションで炸裂させていた。オタクこわ……。

さて試合会場である地域の公民館に辿り着くと、まずは会場スタッフと一緒に選手のお出迎えが待っていたのだが、まぁ選手のデカいこと。私の身長が150ちょっとと低めな事を差し引いても、見上げる程に背が高いのだ。なんなら男性客ですら頭一つから二つ分は小さく見える選手もいたくらいだ。お陰でスタッフさんと一目で区別がつく、ある意味助かる。

白黒のジャケットを着た元気な子の呼び込みを聴きながら受付へ向かい、金髪ロールの上品な子にチケットをもぎってもらい入場。O曰く「まだ小さな団体なので、スタッフを雇うだけでなく選手も積極的に設営や会場整理に参加している。だから運が良ければ推しと至近距離で接触出来る」との事。なるほど、今だからこういう体験も出来るという事か。

学ランを羽織った選手に優しく案内されて席に着き、いよいよ興行の開演。この日はメイン含めて三本試合となっていて、そのどれもが初観戦の私には非常に新鮮で素晴らしい内容だった。

(ここからはOの取ってたメモと私達の記憶を頼りに試合の内容を記載するので一部間違いがあるかも、オタクの記憶はセミより儚いので)

最初に登場したのは今日の司会進行及びレフェリー担当のジャージークという選手。

「皆さーん、今日はブルゾネスラーの試合を見に来てくださり誠にありがとうございまーす!!」

小さめの会場とはいえマイク無しで良い声が響く。これだけで彼女が溌剌とした性格だという事がよく伝わってくる。彼女から幾つかの注意事項(今日の構成は全部で三試合である事、途中休憩はないので適宜水分補給やトイレ休憩をして欲しい事、最前列は場外乱闘に巻き込まれるかも知れないから覚悟しておく事など)の説明が行われ、いよいよ興行の幕が開けた。

「最初の試合は我々ブルゾネスラー期待のニューフェイス2人!初めてのお客さんは是非私に合わせて応援をお願いしまーす!赤コーナー、ブルゾネスラーの超新星、ホルスター!!」

入場してきたのは先程入り口で呼び込みをしていた白黒ジャケットの子だ。肩には大きなミルク缶を担いでパワフルさをアピールし、周りのお客さんからの声援にも手を振って応えている。更にはハイタッチにも気軽に応じてくれる辺り、ガチ恋勢もいそうだな……。

「青コーナー、ブルゾネスラーの次期悪のカリスマ、エアシャリオンー!!」

対するは白髪に変わった形のツノの子。ホルスターちゃんとは異なり観客からの「可愛いー!」の声に「うるせー!」と罵声で返していた。でも満更でもない表情なのは私も可愛いと思う。会場では見かけなかったが、O曰く手先が器用なので裏方で機材設置を担当することが多いらしい。

ホルスターちゃんはロープを潜り、エアシャリオンちゃんはロープを跨いでリングイン。この辺りも性格って出るなぁ。ジャージークさん曰く、ホルスターちゃんは正義役でエアシャリオンちゃんは悪役との事。なのでもしエアシャリオンちゃんがズルい事をしたら遠慮なくブーイングして欲しいらしい。ブーイングしていいんだ……。

カン、とゴングが鳴って試合開始。と同時に、2人の笑顔がお客さんに向ける愛くるしい物から戦いに臨む不敵な物へと変化する。これがプロレスラー……!リング中央でがっしりと組み合う(ロックアップと言うらしい)とまずは力比べ。体格的にエアシャリオンちゃんが小さい為、徐々に押されてしまう。しかしエアシャリオンちゃんも負けじと腕を解くとロープに自ら走り込んで勢いのあるタックル!ホルスターちゃんを押し飛ばして再び中央へと戻す。

すると今度はなんとビンタ合戦だ!ホルスターちゃんが、エアシャリオンちゃんが平手を張るたびに観客席から「オイ!」という掛け声が飛ぶ。私達も飛ばした。

埒が開かないと見たエアシャリオンちゃんは再びロープからのタックル、しかしホルスターちゃんがそれを掴むと逆にロープに投げ飛ばしてドロップキック!更に起き上がった所をもう一度掴んで投げ飛ばしてからのラリアット!すかさず抑え込むもののカウント2.8でエアシャリオンちゃんが復活して試合続行。

ここでエアシャリオンちゃんもヒールの本領発揮。わざとホルスターちゃんに投げ飛ばされて転がりながらリングの外へ落ちると、(ちょうど私達から見える側だったので分かったのだが)なんとリングの下に用意していた毒霧を口に仕込み、覗き込んできたホルスターちゃんに吹きかける!しかもホルスターちゃんが怯んで顔を拭っている間に、今度はリングの下から牛乳缶を持ち出すとリングに復帰してホルスターちゃんを殴打!凹む牛乳缶、堪らず膝をつくホルスターちゃん!更に殴打を続けるエアシャリオンちゃんにジャージークさんがレフェリーとして止めに入る!と思ったら観客席に注意を向けてジャージークさんも牛乳缶で殴打!もうやりたい放題!

ベコベコの牛乳缶を投げ捨てるとフラフラのホルスターちゃんを捕まえて、ひっくり返しつつリングへと背中から叩きつけて(パワーボムと言う技らしい)抑え込む!もうダメかと思われたが、観客からの声援を受けたホルスターちゃんがカウント2.9で跳ね返す!(この辺りで私もすっかり夢中になって声援を送っていた)

そしていよいよ怒ったジャージークさんがホルスターちゃんと連携、エアシャリオンちゃんを2人がかりでロープに振ると同時に左右のロープへ走り、跳ね返ってきたエアシャリオンちゃんを左右からボディプレスで挟み撃ち!ダウンしたエアシャリオンちゃんをホルスターちゃんが抑え込んで3カウント、見事に勝利を納めて第一試合は終了。エアシャリオンちゃんは負け惜しみの捨て台詞を残して裏方に帰って行ったのだった。

さて第二試合……と言いたい所だが、なんとブログの文字数制限に途中で引っかかってしまう事が判明したので、第二試合以降は次の記事で!

→友人に誘われてモンプロを見に行ったらどハマりした話(後編)

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