参謀と情報屋

参謀と情報屋

アスカの中の人

長くなりそうだったのでこっちで纏めました。

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「サンのにーさん、情報屋が到着しました」

そう私の部下が報告にきた。もうこんな時間ですか。報告にきた部下が部屋から退出しようとすると、扉が開いた。

開いた扉の先には、赤い髪に赤い目、両目に切り傷がついた背の高い男が立っていた。

「ソイツを追ってこの部屋まで来たんだ、自分たちの拠点だとしても油断しないことだな」

そう私の部下を指差しながら部屋に入ってくる。この情報屋の行動は読めないな。

部下に部屋から出るよう目配せをした。部下はすぐに理解し部屋から退出した。空気を読めるいい部下だ。


「情報屋、今日呼び出した理由を分からないとは言わせませんよ」

「あぁ、理解している。俺とお前らメーギ団の繋がりを切るんだろ?」

「えぇ、そういう事です」

私の正面に、足を組みながら紅茶を飲んでいる情報屋。苛つく行動しやがって。

「単刀直入に聞きますが、何故情報を寄越さないのですか?」

情報屋は少し考える素振りを見せたあと、こう言った。

「理由ねー、お前らメーギ団が、俺の妹弟子に喧嘩売ったから」

妹弟子?初耳だ。そもそもこの情報屋が誰かの弟子だったことも知らなかった。

「その妹弟子に俺がお前らと繋がってるって知られると、色々マズイんだよ」

色々と、ですか。

「その妹弟子が誰かは教えてくれないんでしょう?」

「その通り、教えないさ。あと、その毒は俺には効かないからな」

!?まさか毒に気付くなんて

「バレていましたか」

「まぁな、これでも長くこの世界で生き延びているんだ。話は終わっただろ、帰ってもいいか?」

まだまだ私も未熟ですね

「どうぞ、お帰り下さい」

「あぁ、良い付き合いだったぜ。・・・・・もしお前らが生き延びたら、次の働き場所くらいは用意してやる」

「え?」

「じゃあな!」

そう言って情報屋は闇に溶ける様に消えてしまった。何かイヤな予感がする。ニのねーさんの部下に何時でも戦闘ができるよう準備するよう伝えておきましょうか。


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駆け引きを上手く書ける人を尊敬します

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