千直karaoke

千直karaoke

多分リピートするし長距離部屋当てたりもしそう

わん

くっ

しょん


スプリンター同士が戦ったらわりと泥沼じゃね?とか思ったりしました

アドマイヤのmaxとライトオさんです







「先輩先輩、サイコロで千直コース当てられるホテル、興味ありません?」

「あるな!」

「おぉ流石早い。おれ、先輩の即断即決大好き」


にぃ、とイタズラ好きの笑みを見せて聞いてきたアドマイヤマックスに、《千直》という言葉が聞こえてきた瞬間ほぼほぼカルストンライトオの頭は答えを出していた。さすがは半ばアンタッチャブルと化しているレコード保持者である。

そしてその素早さは彼の美徳だが、弱点でもある。


「……ほんとに大好きっすよ、先輩の即決してくれるとこ」


大好き過ぎて利用しちゃう、その言葉だけ飲み込んで。




❁ ❁ ❁




「……なあ、ここ普通のホテルじゃなくないか?」

「んまぁ、普通のホテルはサイコロ千直企画なんてしませんからね。ま、行きましょうよ。千直コースを楽しむだけで変なことはしません」

「当てれたらの話だよな?」

「そこはほら、千直を愛して愛されてる先輩のパワーで」

「なるほど!任せてくれていいぞ!」


疑いの目が千直というワードで簡単に丸め込めてしまう。このひとこんなチョロくて大丈夫かと思うと同時に、何故だか新潟千直とアイビスサマーダッシュに申し訳なくなってきた。許してください、先輩がきっと千直コースを引き当ててくれるので​​───────などとアドマイヤマックスがつらつら考えているとはつゆ知らず。


「あ、このサイコロプランってやつお願いします。千直ある方の、部屋もランダムなやつ」

「はいよ、お客さん」

「じゃあ、よろしくお願いします。先輩」

「ああ!」


ステイゴールドから渡された、『短距離、マイル、中距離、長距離、GJ、千直』と書かれたサイコロと、部屋の番号が書かれた二つのサイコロをカルストンライトオは振って。


「わぉ、ライトオ先輩流石!」

「まぁな!千直には特別な思い入れがある……で、部屋は……」

「へー、カラオケルーム?このホテルそんなものまであるんですね」

「防音完備、カラオケの機種はDA〇。これが貸出、販売できる道具の一覧……」

「……そうですね、今回は用意があるので……でもこれだけあるなら次は買って行こうかな。そういえばマイクは」

「抗菌仕様、もちろん使用された後は殺菌してる。故障した場合は別料金が発生することに留意してくれ」

「? なんで故障?」

「何故でしょうねぇ。あ、カードで払います」


つい会話についていけなかったカルストンライトオだが、えいや後輩に払わせる訳にはと財布を取り出す。しかしアドマイヤマックスはそれを制してカルストンライトオに微笑みかけた。


「まぁ、まぁ。ここは払われといてください、千直コース引き当ててくれたお礼です。どうしてもって言うなら……次回、払ってくれますか?」


うわこいつさりげなく次の予定こぎつける気だなと思ったけれど、口には出さずにステイゴールドは精算をして鍵を渡した。



❁ ❁ ❁



丸め込まれるとはいえ、カルストンライトオだってラブホテルの存在くらい知っている。どういうことをする場所なのかも知っている。

照明をつけ、マイクのエコーやミュージック音量を確認する。その手からマイクを抜き取って。


「マックス何歌う?俺はやっぱり本能スピードから始めようと思って」

「先輩」


耳の縁を触りながらそう囁いてきた後輩の、吐息の混じった声に思わず肌が粟立った。


「……っ、なんだ?」

「分かってるでしょ、ここでどういう事するのか。……ああ、先輩はセックスのこと、仕事って割り切ってますもんね。じゃあこういうプレイは知らない?」


ミラーボール風の照明が、なんだかとてもいやらしく思えて。


「イッたら負けって事にしましょうか。一回につき一曲追加します?あは、そしたらおれの番来ないかもしれませんね。それは不平等だからとりあえずおれから始めればいいか……」

「マックス?何言って、」

「勝負、しょうぶですよ。先輩。……負けたくないでしょ?」


彼の手を誘って、自らのベルトの金具を触らせる。


「時間も短いですから、ほら」

「待って、何で勃って」

「さあ。……先輩がいるからじゃないですか?」


歌い切って、先輩にマイクを渡そう。後は時々手加減してあげながら、持ってきたローションとガーゼでも使ってあげよう。

そう思いながらデンモクを引き寄せる。

カチリと、カルストンライトオの意思で金具が外された。


「……わ、かった。……ノってやるよ」


ぐ、とますます熱を持って、ああこのひとは。本当になんてまっすぐなのかと。



❁ ❁ ❁



「……あは、はっ、せんぱい、声ふるえてますよ……っ!」




「はっ、はあ​────っ、ど、した……お前もわりと、くるしそうじゃねぇの……」




「想像以上に、ねばりますねっ……あんたスプリンターだろ……」




「さっきの言葉かえすぞ、は、ははっ、短距離馬はいさぎよく爆走しろって……!」




「……っし、先輩、今あんた何曲連続で歌ってるか分かる? ほら、マイクしっかり持って、震えないでうたって、ほら、ほら……」




………………




「……オレら何やってたんだ……?」

「いや……先輩が火つけるからでしょう。よくもまああれだけ耐えましたね、もっと雑魚いかと」

「雑魚いっておま……逃げ馬には粘り腰があるんだ……げほっ、ゴホッ」

「……とりあえず出たらのど飴買いましょうか。おれも、わりと喉ガッサガサに……」

「歌うまかったな、マックス」

「…………練習したんで」

「……えこのために?」

「………帰りましょ先輩、で、おれん家でシャワー浴びてください」

「絶対変なことするから嫌だね」



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