勉強会⑤
、
、
、
、
、
「…………今のは、忘れよ」
「やなこった。案外カワイイ声も出せるんだな“海賊女帝”ってのは」
「そんなに殺されたいか!!」
「ンな真っ赤な顔で吠えても怖かねえよ小娘が」
必死に絞り出した怒りの喝も敢えなく一蹴されてしまう。
“経験値”の差はあまりに著しかった。
「このッ……」
突然、一際大きい女の叫び声と男の呻き声が同時に耳に届いた。
思わず映像に目を遣ると、“行為”がひと段落終わったのだろう。
ビクビクと痙攣する女と、ようやく身体を離す男。
結合部からは何やら白濁した液体が溢れている。
「……あ…………」
映像の中の女はぐったりとしているが、その表情が恍惚としていることは無知なハンコックにも見て取れた。
呆然として、何故だか目が離せない。
「……羨ましいって顔だな?」
「なっ!?!!?」
「置いてあった中から一番つまらねえベーシックなポルノを選んだつもりだったが。お気に召したか」
「ち、……ちがう、わらわ、わらわは…………」
面白がる表情で顔を覗き込んでくる黒ひげ。
ハンコックは、先ほどまでの自分と今の自分が遠くかけ離れてしまったような錯覚に襲われ混乱する。
ぎこちなく固まった身体でもどうにか顔を背けこの男から逃れようとするが、大きな手に細い顎を掴まれグイと強制的に向き合わせられた。
「さっきまであんなに暴れてたのに随分と大人しくなったもんだ。このまま続けようか?」
「待っ、───」
奇しくも、彼女が今着ている服は深いスリットが入り脚を大きく露出したドレス。
大きく骨張った“男”の手がするりと美しい腿を撫で、ハンコックは思わず身を硬直させぎゅっと目を瞑る。
手はそのまま服の中に入り込み───