剣の名を持つ彼ら
ロシナンテ中佐?
ああ、お前もセンゴク元帥に拾われたんだったな。
中佐についておれが言えることは一つだけだ。
あの人は誰よりも、正しくあろうとした人だった。
ガキの頭に鉛玉をブチ込んででも部下を守った。
それで命を拾った部下が、いずれもっと多くの人間を救うことを信じてな。
ドレーク、お前が今後どんな類の任務に就くかは知らねェが、よく覚えておけ。
この海で正しくあろうと生きるってのは、てめェの正しさを端から信じるよりよほど苦しいことだ。
お前には、正義を選べるだけの力がある。海を生きる殆どの連中が、喉から手が出るほど欲しがってる力って奴が。
そいつを海兵として扱うんなら、振るう相手を選ぶ事から決して逃げ出すな。敵はてめェの目で見極めて決断しろ。例え血を流すことになってもだ。
この時代がどこに向かうにせよ、おれたちが海兵である限り、戦うべき敵が消えてなくなることはねえ。
クソみてェな現実を相手にする時、いつでも目は開いておけよ。
自分自身が、倒すべきだったはずの敵にならねえようにな。