〈前日譚〉潜水艦の災禍(ロー視点)

〈前日譚〉潜水艦の災禍(ロー視点)

mp

・「〈前日譚〉潜水艦の災禍」のロー視点が出来ました。描写の補足なども含めた答え合わせ的何かになっております。

・R-18です。

・公式には存在しないキャラクターの喫煙を匂わせる描写があります

・捏造設定モリモリです

・描写がどちらかと言えば女性向けです。

・このSSはBLと同じ生産ラインで生産されています。

・シャチ×ローorロー×シャチととれる要素があるかもです。

・書き手の性癖100%

以上ご注意の上、宜しければご笑納ください。




ポーラータング号が久々に浮上した朝。

ローは目を覚ますと同時に身体を灼く熱に犯されていた。

「は…っ…はっ…クソ…」

数年前…自身の体が寄生虫の揺りかごと化したことを思い知ったその日から、ローは自分が他人、特に船員を巻き込んでしまわぬよう細心の注意を払ってきた。

その日々の中で、卵や虫そのものをオペオペの能力で取り出すことには失敗したものの、虫達が本能的に雌を求めて活発になり体内で産卵を始めるタイミングで人為的に卵を『出なくなるまで排出して廃棄』することで幾度となく危機を脱していたのであった。

(今日はまだ…頭が動く…それなら…。)

ローはなんとか寝間着の下を全て脱ぎ、手近なバスタオルを数枚引っ掴んで腰の辺りに厚めに敷いた。

「は…あぁッ」

ぐるぐると体内で虫が蠢き、脳に直接快楽物質が放たれる。

砕けそうな腰をなんとか立たせ、無理やり伝声管に躙り寄る。

無理やり呼吸を整え、ほぼ全艦に繋がる伝声管に手をかけた。

「総員…俺はしばらく部屋に篭る。各持ち場の報告については悪いがペンギン、取り纏めておいてくれ。」

伝声管から響く『アイアイキャプテン!!!』

の合唱に苦笑し、ローは緩慢な動作でベッドに戻り横たわった。

仕上げにタオルを猿轡代わりに噛み締める。

左手でシーツを握りしめ、右手で性急に自身を慰め始めた。

「ッ!!んッ…!…んくッ…んん!!」

2分と持たずに敷かれたバスタオルに両手一掬い程の卵が吐き出された。粘液に包まれた粒の群れは、還るべき胎を求めほんの少しだけ蠢いては死に絶えていった。

(また増えてやがる…)

初めの頃は2~3回出せば収まっていた卵も月日を経るごとに量を増した。1度で出る量も気がつけばティッシュでは追いつかなくなり、敷いたタオルを犠牲にする頃には出てくるものの悍ましさにも慣れてしまっていた。

「ふーッ…ふーッっうぅん…んうぅ…!んぉ゛…!」

1度目に排出された粒状の卵が尿道を擦り上げる快感が呼び水になり、ドロドロと大量の卵と精が流れるように吐き出された。虫によって増幅された快楽が深い絶頂を強制する。

「ぉ゛…んぅ゛ぅぅぅ…!ッ…んう゛ぅ…!」

それでも出し切れない卵を出すべく、ローはベッドサイドの引き出しからローションとエネマグラを取り出して挿入し、自身を追い詰める。

深く噛み締めたタオルは唾液と涙に濡れ、追加された刺激に視界が爆ぜた。

「ん゛ー!ん゛ー!!」

跳ねる腰も手伝って半ばむちゃくちゃに自身を擦り上げ、意志をねじまげて過ぎた快楽に揉まれた。

ギリギリとタオルを食いしばり大きな波を迎えるローの頬には赤みがさし、襲い来る連続した絶頂に頭を振って快楽を少しでも逃がそうとするも、虫達はそれを許さない。

「ん゛ッー!!ギッー!!!!」

プシッ!!

音を立てて潮を吹き、残り少ない卵と体液がバスタオルに落ちた。

「ぉ゛…ぉ゛ご…」

(やっと…おわっ…)

ローが朦朧とする意識の中、挿入したものを取り去り安堵したその時。

『予備書庫の整理なんとか終わったー』

『あそこの詰まった伝声管、次の島まで直せないんだと。』

『えー?それ甲板に出て一服するための言い訳じゃなかったの?』

『いや吸ったけど濡れ衣!まいいや。俺キャプテンに報告してくるからイッカクは先に戻ってろよ。』

『ありがとー。今度シャチが欲しがってたライター探しとくね。』

『おーう!』

扉の外、廊下の先から人の気配と声が迫ってきた。


ひと   

           の    おと


「ぁ…ぁ…」

ローの中で、近づく人の気配に虫達が歓喜し蠢いた。

運悪くすり減っていたローの意識は容易く虫達にしまい込まれてしまう。

ほどなくして、

トントントンガチャ

「クャプトーア頼みろとうち書類片付くみすちッカヲァ!」


おすだ ・-- -・・・- ・-・-  

           ははにはなれぬ

・-- -・・・- ・-・-- 

         でもこのからだ  よくしる  おす     

                -・ ・・-- - 

                 ししつある  

--・-・ ・・-・ 

つよいおす   

-・ ・-・・ ・・・ -・・-・ ・・-- 

             めすをこのむ      

・-・ ・-・・ -・・- 

アイ のシンゴウ にてる    

  おう  のまもり なる


---・ --- -・ ・・ -・-- -・・・ 

            からだ   なまえ しる


しゃち    しゃち   


                  ほしい


「シャチ…」

虫達がローの体をあやつり、ギシギシと獲物に歩み寄る。

獲物の頬に手をかけ、成虫たちは連携し特殊なフェロモンを放出した。


「シャーチ。」

虫達は歓喜に打ち震え、口内に幼虫の群れを待機させた。


しあわせ


         しあわせ


-・ ---・- -・-- ・-・-- 

                 かぞく


虫に全てを乗っ取られ、意識が白濁した蟲の海に溶け堕ちる刹那。


苦く暖かく懐かしい紫煙の残り香が、ローをそっと包んだ。


(あぁ…。)

何かに背中を押されるように、微かな意識の糸を手繰り寄せて、紫煙の香に怯んだ虫達から体の制御を僅かに奪い返した。

ダァン!!!と音を立てて叩きつけた右手を支えに、まだ無事な左手で目の前の誰かの口を覆いすんでのところで最悪の事態を回避した。

目をダメにされているのか、右目の一部を除いて視界が暗い。よく目を凝らすと、赤茶けた髪が見えた。

(赤毛…)

口内を塞ぐ幼虫共を無理やり飲み下し、息を吸う。

無理に飲み下した幼虫が目に上がって、1匹でも獲物に乗り移らんとするかのようにこぼれ落ちるが外気に耐えられず死滅していった。だがこのまま制御できる時間はあまり長くない。

「お前シャチかまだうつってないな無事だな頼む逃げろ今すぐペンギンもクルーみんなも連れて逃げてくれおれをいっそ殺せ殺してくれころろろろろろろあぁぁぁぁぁああ!!!!」

死を望むことで寄生虫達は標的のシャチよりローの延命を優先し、シャチから手が離れローの意識が真っ白に爆ぜた。

「しゃ…ち…すまない…」

遠くでシャチの謝罪とドアが閉まる音がした。

(最悪だ…)

ローは動かないからだを叱責し、最低限身なりを整え紙とペンを手にした。

万一の時のために、ローは自分の制御が難しくなった場合の行先を決めてあった。


『おれの私物は焼き払え  ゾウへにげろ』


これだけで、ベポならどこに行くべきか理解出来る。

ペンギンや、シャチも、他のクルーたちもいる。

(このからだがアイツらをこれ以上害す前に…最期にコラさんの本懐だけは遂げてぇ。)

立ち上がったローの足にコツリと何かがあたった。

(シャチの煙草…。)

そっと拾い上げたその匂いは覚えのあるもので。
最期の一服と安っぽいライターが残された煙草ケースをそっとコートのポケットに忍ばせ、ローは出来うる限りのroomを展開して船から姿を消した。


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