出し汁愛好会

出し汁愛好会



「お待たせいたしました、風紀委員のハルナです」

「今回は同好会の申請と…食事の提供権の認可をご希望でしたね?」

「では部活内容の書類を…え?実演するためにご準備を?」

「それはありがたい!ではぜひ…少々お待ちください。なぜ部長さんが鍋に?」

「あの?グツグツ煮えてますけど?え?静かに待って欲しい?わかりました…」

(観察に集中してみると…なるほど?食材を投下する順番を見るに鍋料理を作っていますね)

(野菜を煮た際のあく抜きの手際は素晴らしいです。鍋の中からする意味がわかりませんが)

(肉の旨みが最大限染み出すように丁寧に下処理されていますね。その分不揃いになる見栄えの悪い部分は鍋の中から整えている)

(しかし…一切の調味料を入れていない?具材に下味をつけたようには見えませんでしたし、これではアビドスの方達を満足させることはできないのでは…?)

「ではいただきますね、んっ?これは…美味しい?『塩』も『砂糖』も味付けに使用していないはずなのに…」

「まさか!部長さんから出汁をとったのですね!」

「なるほど…みかんを食べたブリのように『砂糖』や『塩』を食べた自身から出汁を採るとは…思いもしませんでしたわ!」

「せっかくだから『〆』も食べて欲しい?そこまでいただけるのですか」

「なるほど?部長さんが寝転がり?その上に白米を敷いて…」


「…………部活としての認可はしますが…提供スタイルを変更してください。流石にコレは風紀委員としてりょ…」


「その必要はありませんよ♡」


「ハナコ室長?なぜこちらに?」


「ふふふっ、と♡う♡ちょ♡う♡です!」


「あらそうでしたか。それでどう言った要件でわたくしどもに接触を?」


「実は近々、出身校がバラバラの方々が交わるパーティを開く予定でしてね?

彼女たちの部活動をイベントに組み込みたいと目を付けていたんですよ♡」


「はあ、まあハナコ室長主導ならいいですけど…本当にこの料理を前面に出すのですか?」


「はい♡私の見立てではアビドス名物がまた増えますから…大量生産ラインの整備お願いしますね♡」


「まあ、食の多様性は大切ですものね?承りましたわ」


その後、対アビドス連合軍と戦争が起き…

この料理に関する知識は砂と共に歴史に埋もれることとなった

…アビドスに眠る禁断のレシピが目覚める日は来るのだろうか


To Be Continued


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