貴方を聞きたい

貴方を聞きたい


空は黒いカーテンが掛かったように暗い

流れる雲はどこか遅く感じ、チクタクチクタクと秒針は時を刻む

時計の秒針のように指は机をトントン叩く

何分待ったんだろうか。

喉の乾きに備えて淹れた紅茶はもう冷めている

(勿体無いなぁ…)

そうして口に入れた紅茶は不思議と甘かった

どうやら砂糖を入れすぎたみたいだ。

口に残るこの甘さは何処にやろう

あの人となら分け合えたのかな

「龍之介くん…」

私は貴方に電話を掛ける、声を聞かせて。

「もしもし…」

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