再会-2

再会-2



「おれが行くしかないか・・・・・・どれくらい稼げるかわかんねェが・・・・・・ルフィ、少し待ってろ」


青キジが止められる前に部屋を飛び出す。

現状カイドウに並び、最強の海賊との呼び声が高い“赤髪のシャンクス”

いくら海軍の最高戦力といえどもたった一人で戦っていい相手ではない。


「・・・・・・それが退いていい理由にはならねェな・・・」


それでも大切な後身のため、青キジは単身赤髪海賊団の元に向かうのであった。


ーーーーー


「なんで・・・・・・シャンクスが・・・」


平静を保とうとしていたがルフィは動揺を隠しきれていなかった。

急に現れた現代の最強の海賊の一角にしてウタの父親。

そして海兵になった今でも憧れている偉大な男。


「・・・・・・ふん!!」


だがそこで顔を思いっきり叩く。痛みはないが衝撃で冷静さをいくらか取り戻す。

なぜ現れたなんてすぐにわかることだ。

迂闊に動くことは青キジに止められた。なら今はそれ以上の権限の命令を待つ。


「赤髪の目的はおそらく・・・いや確実に・・・・・・」


「伝令!!赤髪の目的はルフィ中将、ウタ准将、ミライちゃ・・・ミライさんとのことです!!!」


「やはりな・・・・・・」


この部屋の誰もが予想したように目的は赤髪の家族である3人だった。

今にも飛び出していきそうなルフィに指示を出す。


「ルフィ中将・・・・・・ウタ准将とミライをここに連れてきてくれ」


「はっ!?・・・あ、いや・・・・・・わか、りました」


センゴクから指示を受け、なぜここに二人を呼ぶのかわからないままルフィは部屋を飛び出していった。


「センゴク・・・・・・ルフィたちを行かせないつもりか?」


「・・・・・・場合によるが・・・みすみすあいつらの目的である3人をあいつらの手の届くところに行かせるわけがないだろう・・・」


「・・・・・・そうじゃな・・・・・・ではわしが行こう。クザンを見殺しには───」


「もう少し待て・・・行くのならあの家族が揃ってからだ」


ーーーーー


「呼んできた・・・ました!!」


ミライをその腕に抱き、ルフィとウタが部屋に飛び込んでくる。

それを見ることなく指示を出す。


「これは元帥としての命令だ。君たち3人はこの部屋から出るのを禁ずる・・・・・・以上だ」


「な・・・何故ですか!?彼らの目的はルフィから聞きました!!今もなおクザンさんが戦ってくれてるかもしれないのに何故ここで待機をしなくてはいけないのですか!?」


「そうだよおっちゃん!!あ、やべ・・・・・・」


2人が口々に抗議の声をあげる。

ミライはただオロオロしていることしかできない。


「君たちが奴らの目的であり、私たち海軍にとっての希望でもあるからだ。その希望が失われたら海賊がどれだけ勢いづく?・・・・・・希望が失われるなどあってはならない」


「私たちを奪うなんてことをシャンクスたちがするはずがない!!」


「万が一があるだろう。絶対に奪ってこないとそう自信を持って言えるか?おそらくだが、奴らは君たちを奪うために四皇の3つを戦わせるような暴挙に出たんだぞ」


連絡はまだ入ってこないが確信できる。

四皇の3つ巴の戦いが始まり、それを止めるために2人の大将を派遣し、手薄になった海軍本部を最悪のタイミングで攻め込んできた赤髪。

その事実が突き刺さる。


「話は以上だ。待機しておくように・・・・・・」


「・・・・・・・・・おれは!!!」


ルフィが叫びと共にその指示を破ろうとした瞬間、センゴクが口を開く。


「ああ、ひとつ言い忘れていた。ガープ!!流石に貴様とクザンでは赤髪を止めることは厳しいだろう。今本部に残った海兵や・・・・・・ここに残った海兵を連れていくといい・・・・・・今の私は疲れている。ゆえに何も見ていないし何も聞こえていない。貴様の好きにするといい」


「ぶわっはっはっはっは!!了解じゃ元帥殿!!!」


ガープの笑い声が部屋に響く。センゴクが向こうを向く瞬間にルフィたちには笑みを浮かべたように見えた。


「行くぞ!!!ルフィ!ウタ!ミライ!」


「はい(おう)!!」


3人はセンゴクの計らいに心の底から感謝をして、ガープに引き連れられ戦場に向かうのであった。


ーーーーー


「よ、よろしかったのですか?」


「私は何も見えていないし何も聞こえていない。ガープが何をしようと私は知らん・・・・・・つまりこれでよかったのだ」


「・・・・・・はっ!!」


元帥という立場では彼らを向かわせることなどできはしない。だが彼らが行かなければ、あそこは地獄と化すだろう。ほとんど血を流さずに解決するには彼らが向かうしかなかった問題だった。

いくら英雄と呼ばれる海兵とその家族とはいえ精神も肉体もまだまだ未熟な子供たちだ。ゆえにあのようなことでしか彼らを送り出すことはできなかった。


「・・・・・・・・・だが貴様らに奪われるために送り出したのではない。もしも連れていくというのであれば・・・・・・おれたちが相手をしてやろう」


センゴクは全身から覇王色の覇気を溢れさせながら戦場となった港を見る。

今は何も動くことはできないが、万が一そのようなことがあれば全力で阻止できるように一切の油断もなく戦場を睨みつけた。


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