全てを奪われた
使い魔戦争…それは使い魔達が覇を競う祭典である
うちのスーパー大根丸が他の使い魔達を蹂躙していく。1から懇切丁寧に育ててきた大根なのだ、当然だろう。
強敵を求めて彷徨っていると、魔力を暴走させた使い魔がいるではないか。放っておくわけにもいかないだろうとスーパー大根丸に黒い魔力の玉を破壊させる。
あーあ、これで今回は優勝出来ないだろうな、スーパー大根丸ももう戦えない。残りの生をゆっくりと過ごして貰おう。
スーパー大根丸に撤退を指示するがそれを拒否した。有ろう事かうちの全魔力を奪ったのだ。
何故だ、何故言うことを聞かない?まさかうちの事を裏切るのではないだろうか?
使い魔の反逆に身構えるが、スーパー大根丸は一点だけを見据えていた。最強の使い魔(使い魔ではない)であるガーゴイルを。
全ての魔力とうちの魔力、更には自らの存在をも魔力に変えて奥義を放つ。そんな技は知らない、そんな事は教えていない。自ら思い付いたとでもいうのだろうか。
その一撃を、その煌めきを、その勇姿を見た瞬間、身も心も、うちは全てを奪われた。