入替人生

入替人生

曇り


バッタモンダーが召喚したランボーグと交戦したブラックペッパー。彼はプリキュアではないため、浄化することはできませんでしたが、なんとかランボーグを撃破しました。しかし、ランボーグの最後っ屁によって呪いをかけられてしまいました。


その呪いとは、"最初に触れた人と精神が入れ替わる"というものでした。



ゆい(拓海)「入れ替わってるな…目の前に俺がいる…」


拓海(ゆい)「そうだね!すご〜い!私、拓海だ〜」


ゆいが突然最愛の人と入れ替わり、拓海は動揺を隠せずにいる中、ゆいは現状を楽しんでいる様子でした。彼女は拓海の身体を自在に動かして遊んでいるように見えました。


「なんでそんな楽しそうなんだよ!」


「えぇ〜だって〜面白くない?」


「全っ然!元に戻れんのかこれ?」


「うーんそのうち戻るんじゃない?」


「なんでそんなに楽観的なんだよ…」


「あたしちょっと拓海の身体で食べ歩きをエンジョイしてくるね!ダイジョーブ!拓海のフリとくいだから!」

「…拓海…あんまり私で変なことしないでね…?」


拓海(ゆい)は意気揚々とゆいの部屋の部屋から出て行きました。


「おいちょっと待て!…バカ!…」

「俺は…ここで待機しとくか……」

「…」


_________



「ふっふふーん♪私は拓海〜ブラックペッパ〜♪」


好奇心を抑えきれないゆいは、歌いながら上機嫌においしーなタウンを散歩していました。すると、出前くんを漕いで爆走するらんが、ゆいの視界に飛び込んできました。


(あっ!らんちゃんだ〜!)

「お〜い!っ?」

(あれっ?拓海ってらんちゃんのことなんて呼んでたっけ?うーん…まぁあまねちゃんが"菓彩"だし…)

「華満〜!」


らんは気づいた様子で手を振りながらこちらに全速力で来ます。


「お兄ちゃん!」


「え?」

  (は?)


ゆいは予想だにしなかった第一声に対して、思考が鈍り混乱してしまいました。意外すぎる二人称に戸惑いを感じ、まとまった考えを持つことが難しくなってしまいました。

らんに腕を引っ張られるがまま裏路地に連れて行かれます。軽い撹乱状態に陥っている目の前の拓海を不思議に思いながらもらんはいつものように振舞います。


「どうしたのお兄ちゃん?固まっちゃって。らんらんいつもみたいに頭なでなでしてほしいなぁ…なんちゃって……」


「えっ?あ…ああ…」

(なんで?拓海?らんちゃんに"お兄ちゃん"って呼ばせてるの?頭なでなで?私、あんまりされたことないよ?)


ゆいは動揺しながらも、らんの要望どおりに頭を優しく撫でることに了承しました。震える手で彼女の手がらんに触れると、らんはこの上なく幸せそうな表情を浮かべていました。

一方ゆいはらんを撫でながら、頭の中は大量の疑問符でいっぱいになっていきました。


(らんちゃん?なんでこんなに嬉しそうなの?っていうか"いつもみたいに"って言ってた?いつもしてるの?お兄ちゃんと?なんで?)


「お兄ちゃん♡もっともっとぉ♡」

戸惑っているゆいに関わらず、らんの表情はふやけきっていて、もはやアヘ顔とほとんど違いがなくなってしまいました。人としての尊厳を手放してしまったような表情にゆいはさらに酷く動揺しました。

(えぇ…らんちゃんひどい顔…)

お友達のこんな顔なんて見たくなかった。ゆいはそんなことを考えていました。

「うっ…あっ♡あっ♡……はぁはぁはぁ…」

らんの体がぶるっと痙攣しました。痙攣がおさまり呼吸を整えると、目の前の拓海へ満足そうにお礼を言います。

「はにゃ〜極楽極楽。らんらんこれからすこやか市まで出前を届けに行くんだ〜お兄ちゃんになでなでしてもらって元気出た!ありがとう♡」

「じゃあらんらんそろそろ行くね〜そんじゃまた〜♪お兄ちゃん♡」


らんは拓海の身体のゆいの頬に軽いキスをした後少し照れた表情で、全力で出前くんのペダルを漕いで去っていきました。


「お、おう…またな…」

(らんちゃんのあんな顔……初めて見た……)


ゆいはらんにキスをされた部分をそっと抑えながら、しばらくの間呆然としていました。


(拓海…らんちゃんと普段どんなことをしてたの…?)




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