光の添い寝
冬の夜のことだ。アジトでは酒盛りがあった。普段よりも飲んだのは、その日の風がとても冷たかったからだろう。酔潰れるものも多くいた。
なぜか、シュライグの寝床にフェリジットが寝ていた。
「あえ〜、シュライグひゃん。一緒に寝よ」
フェリジットは呂律の回らない言葉を発してから少し場所を空けた。そして彼女はシュライグの服を掴む。
酒は判断力を鈍らせる。シュライグはこういうこともあるのかと、その誘いに乗った。酒のせいなのか普段よりも暖かったからなのか、すぐに眠れた。
(えっ、なんでシュライグがいるの?)
フェリジットは目を覚ますと、シュライグの顔が目の前にある。自分の足がシュライグに絡んでいた。
フェリジットは自分の記憶を辿っても酒を飲んでそのまま寝たことしか覚えていない。ただシュライグのよく眠っている顔を見ていると、どうでもよくなった。安心しきっている表情の彼をフェリジットは軽く撫でる。
そうしている内にシュライグは目を覚ます。そして彼はフェリジットを残して起き上がる。彼の温もりが離れていくことに寂しく感じた。
「よく眠れた。フェリジットのおかげだな」
彼女はその言葉でようやく昨晩の痴態を思い出した。
「ごめん、シュライグ。昨日は飲みすぎちゃって……」
とはいえ、フェリジットは彼と添い寝をしたかった気持ちもあった。酒のせいで少し漏れ出しただけである。しかしそんな自分に理性が待ったをかける。
感情がごちゃ混ぜになり、フェリジットは頭の中が混乱する
「ただの事故だ。気にすることはない。悪くはなかった」
シュライグは平然と言った。そのせいでフェリジットはさらに混乱する。
「じゃあ、今夜も一緒に寝ちゃおうか」
だからこんな言葉がフェリジットから出てきたのだ。
「まあ、いいかもしれない」
こうして二人は一緒に寝ることになった。