優しい光の秘密

優しい光の秘密

無敵ロイヤルキャンディ

突然異空間からダークドリームと共に姿を現した小さなましろ、通称妖精ましろ。ましろの祖母、ヨヨの提案によりその正体を調べられるかもしれないという事で、現在ソラ達は虹ケ丘家の前で待機中である。ちなみにダークドリームは一時的に拓海の元に預けられた。

「私がハイパースゴスギレジェンド博学者なのは知ってるわよね?その縁で以前お世話になった事がある機関があってね、そこに調べてもらえる事になったのよ」

「流石はヨヨさんです!でも、その機関……?は大丈夫なところなんですか?」

「そうですよ!もし危ない機関だったらどうするんですか!?」

「大丈夫よ。……それに、貴方達は会っておいた方がいいかもしれないし」

「私達は会っておいた方がいい?おばあちゃん、それって一体…」

「あ、来たみたい……うげっ!?」

虹ケ丘家の前に現れたのは高級車の代名詞ともいえるリムジン。そこから現れた日傘を差した少女とそのそばに控える老執事に、ヨヨとエル以外の4人は唖然としていた。

「すごーい」

「リムジンだよヤバイよあれ超高級車だよましろん」

「あげはちゃん落ち着いて!」

「ありすさん、今日はお忙しい所すみませんね」

「いえ、お気になさらず。こちらとしても興味深い案件でしたから」

「ヨヨさん、こちらの方達は一体……?」

「申し遅れました、私は四葉ありす。貴方達と同じプリキュアですわ」

「貴女もプリキュアなんですか!?」

「ええ。積もる話もありますし、まずは車内に入りましょうか。セバスチャン」

「かしこまりました」


「えるぅ〜」

「」ニコニコ

「ランスでランス〜」

「大貝町まで少し時間もありますし、お話でもしましょうか」 

エル・妖精ましろ・そしてありすのパートナー妖精のランスのじゃれ合いを横目に話を持ち出したありす。対してソラ達4人は初めてのリムジンに緊張で固まっていた。ちなみにヨヨは助手席に座っている為未出席だ。

「あの、ありす……ちゃんでいいのかな?こういう事言うと失礼かもしれないけど、本当に中学生なのかな?」

「はい。四葉財閥の経営権はありますが、ソラちゃんやましろちゃんと同じ中学生ですわ。ですからそんなに畏まらないでくださいませ」

「経営権!?」

「あげはさん、ありすさんってそんなに凄い方なんですか?」

「四葉財閥って言ったらテレビ局に映画撮影所に楽団まである超すごい所だよ!」

「最近はトランプ王国との交易もやらせてもらっていますわ」

「……私にはさっぱりですけどツバサ君、つまりこれって……」

「……スカイランドの王様達より凄い人です、多分」

「えぇぇぇぇ!?」

ソラの絶叫が、車内に響き渡った。


ありすのお屋敷に到着したひろプリご一行。応接間に入るまでにありすがいかにお嬢様であるかを知らしめられたソラ達であったが、スカイランドの王宮での生活経験のお陰かなんとか耐える事が出来た。応接間にてセバスチャンから頂いたお茶を緊張しながらも味わっていると、ありすがぽんと手を叩いて申し述べる。

「さて、今からこの小さなましろちゃんを調べてみましょうか」

「今から?何について調べるの?」

「ご心配なく」ポチッ

ありすの持っていたボタン1つでぺたん座りをしていた妖精ましろが突如床下から現れた謎の機械に吸い込まれ、まるで電子レンジに入れた食品のようにクルクル回された後、チン!という音と共に機械から解放された。

「」フラフラ~

「わたし!?」

「ありすさん!何ですかこの機械!?」

「こちらのましろさんについて調べさせて頂きました」

「お嬢様、こちらを……」

「……これは!?」

セバスチャンから受け取った端末の画面を見たありすは珍しく驚きの声をあげた。

「何々、妖精ましろんになにかあったの!?」

「妖精のましろさんについて分かった事がありますわ。……皆さんは、プリズムフラワーというものをご存知ですか?」

「プリズムフラワー……ですか?」

「ヨヨさんは知ってますか?」

「いいえ、私も初めて聞いたわ」

「おばあちゃんでも知らないなんて……」

「ヨヨ様もご存知ないのも無理はありません。私自身、関係者から言伝に聞いただけですし」

プリズムフラワー。『奇跡の花』と呼ばれる金色のエネルギー体は地球と数多の世界を繋ぐ架け橋である。現在は2代目ともいえる存在が地球に在るが、かつてブラックホールが地球を無限の闇に飲み込もうとした際、プリキュア達に最後の力を与えて消滅してしまったのだ。

「プリズムフラワーが消滅した時、プリキュアと一緒にいた妖精達はそれぞれの異世界に強制送還されたそうですわ」

「……もし今プリズムフラワーが消えてしまったら、ツバサさんとエルちゃんはスカイランドに送還されて、私とソラさんは二度と戻れなくなるでしょうね」

「そんな……!」

「バイバイ、いやぁ……!」

「ランスもありすから離れたくないでランス……」

「私もですわランスちゃん。……話を戻しますが、こちらの妖精ましろさんはそのプリズムフラワーの力を持っています。それは短い間異空間同士を繋ぐゲートを開く等の極わずかなものでしかありませんが、それでもその力は特別なものですわ。……注意しろとは言いませんが、けしてお忘れなきようお願い致しますわ」

「……なんでこのわたしはこんな事になってるの……?」

「?」

困惑するましろ達に対して妖精ましろはただ小首を傾げるばかりだった。



・おまけ

妖精ましろは拓海が迷い込んだ世界にあったプリズムフラワーの残留思念と拓海を想ったましろの優しさが混ざった存在。バ〇ァリンの如くましろんの優しさで出来ている為他の分身ましろと同様に消えたり出来る。異空間ゲート開放やプリズムショット(単発)が使えるが、ましろ本人(常識人)はその力を使う事は出来ない。

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