僕ら帰ろうお家に帰ろう〜家族会議〜
「じゃあ、全員いるわね?これより第・・・何回かは忘れたけど家族会議を始めま〜す!今回は礼佳の彼氏さんもいるわよ〜^^」
「礼佳と付き合っています石川紫苑です・・・」
(やっべ、めっちゃ緊張する・・・)
盗賊がそう自己紹介すると、桜宮の人たちも口々に自己紹介し始めた。
(以下ほぼ会話文のみ)
「自己紹介した方がいいわよね〜。朱音です〜。礼佳の母で呪術師やってます、よろしくね〜^^」
「あー・・・祇恩だ、一応よろしく。」
「紫苑さんですね、私は紫穂と言います、薬剤師です。」
「あたしは紅葉、元呪術師だよ、よろしくな!」
「僕は、恵。今はエンジニア系の職についてるよ」
「俺、郷琉!和菓子店に勤務してんだ、いつか買いにきてな〜!」
「郷兄あんた、商売魂たくましいですね・・・・私は楓火と申します。しがない作家ですよ」
「それがいいとこなんじゃないのー?あ、うち雪乃って言いまーす。ただの学生でーす」
「『ただの』て・・・。姉ちゃんこないだゲームの世界大会で1位獲ったの覚えてるからな・・・。あ、俺は千寿で〜す!サッカーが得意です!!」
「えと、僕は成由多です。本読むのが好きです・・・。これと言った特技はないです・・・」
「成由兄、読書感想文書くの上手じゃん。僕は綺里!末っ子だよ〜^^」
「あと故人で凛々華と銀杏がいるよ、銀杏は紫苑も知ってんじゃないかな〜」
一通り自己紹介が終わったところで、本題に入るよう祇恩が促した。
「そうね、そろそろ入りましょうか。では今回の議題は・・・
礼佳の彼氏について、よ」
「ねえ、母さんだいぶ今更だけどなんで家族会議?紹介して終わり〜でいいじゃん」
「よくない」「うん、何もよくない」「馴れ初めを話せ、まずはそこからだ」
「なるほどつまりいつもの悪ふざけってわけね」
(いつもなんだ・・・)
「で、どっちから告ったの?どんなふうに?てかそもそも意識したのはいつから?」
「おうおう、落ち着け楓姉。怖いよ、一つずつ答えるからちょっとずつ近づいてくんな?」
〜しばしの間、お待ちください〜
「えっと・・・告ったのは俺からです。その・・・後輩が呪詛師になって、その時にちゃんと告ったっていうか・・・」
「硝子ちゃんに『王子様のキッスでもしてあげたら?』って言われて気絶したんだっけ^^」
「ちょっと、礼佳?!・・・意識し始めたのは、いつからでしょうか・・・なんかいつの間にか恋をしていたって感じですかね・・・・」
「ひゅ〜〜!!初々しい〜〜!!!あ〜!これは小説の筆が乗りますよ〜!!!」
「楓姉、テンション高いね・・・。うちはな〜いつやろ・・・。ちゃんと『あ、」」この人好きだ』って自覚したのはY談おじさんの件かな〜」
「あ〜!あったよね〜!あの後また襲ってきたし・・・もう勘弁してほしいよね」
「まっっって何その話、すごい気になる。ま、後でいいや。
で?礼佳、ちゃんと王子様からのキッスは受け取ったんですか?^^」
「「は?」」
「ちょ・・・姉さん何言ってんの?!?!」「爆弾発言しないでください?!」
「え〜いいじゃないですか別に。で?したの?しなかったの?」
「あ、えっと、その・・・はい・・・///」
「盗賊?!?!いや、まあ、うん・・・///」
「はぁ〜〜〜!甘酢っぺぇぇ!!!俺もこんな青春したかった〜〜!!!」
「祇恩兄さんうるさいですよ。次の小説のネタは恋愛だな、久々に純愛を書きましょうか」
「も〜〜〜〜!!!みんなは?!他に聞きたいことない?!」
「もういい」「お腹いっぱい」「コーヒー淹れてくる、ブラックのやつ」「甘々すぎて羨ましい」「こんな恋愛したかったわぁ〜」「うちもできるかなー」「雪姉はむり」「んだとごら、マリカーでボコボコにすんぞ」「そーゆーとこだよ!!」
「こらこら喧嘩しない」
この光景を見て礼佳は
「何か・・・相変わらずで安心したわ」
とこぼした。そのつぶやきを聞いた朱音が
「礼佳も割と大丈夫そうじゃない。・・・銀杏のこと聞いたわ、処刑したんでしょ?」
と問うと、
「うん、自分でやったよ。でもまあ、いいかなって。業を背負うのは今更だし、人殺しの罪は生きて幸せになって償うわ。それが銀兄の意思だし」
「・・・・そう、ならいいの」
「・・・・・」
盗賊は心配だった。人をしかも自分の兄を殺した礼佳が壊れてしまうのではないかと。しかし、この様子を見て安心した。心から。それと同時にこう誓った。
「朱音さん、心配しないでください。俺が守りますから。」
もう二度と彼女に悲しい思いを寂しい思いをさせないと。
「・・・・!ふふっ、礼佳も頼もしいナイトを捕まえたみたいね」
「ナイトって・・・厨二じゃないんだから・・・」
「あ、そうだ!盗賊くん、ちょっといい?」
「?どうかしましたか?」(もしや何か粗相を?!?!)
「せっかくここにきたんですもの、
どうせなら礼佳と一緒に宮崎を回ったらどうかしら?」
「え?」「ちょっと????母さん????」
「どうせ、デートらしいデートまだしてないんでしょ。ならちょうどいいわよ、宮崎は恋愛スポットが多いじゃない。年相応にイチャイチャしてきなさい」
「イチャイチャゆうな!!!・・・どうする?盗賊」
「ん〜・・・俺は行ってみたいかな・・・。礼佳の故郷がどんなとこなのか知りたいし」
「はい、じゃあ決定ね。礼佳、案内したげて。地元民でしょ、これくらいはできとき。タクシーかバスか電車か・・・とりあえず好きなとこ、行っといで」
「あ、ありがとうございます・・・」
「とんとん拍子で話進んでるけど、うちをいないことにしないでくんね?いやまあ、行くけど。
・・・盗賊、行く?」
「うん、出発はいつでもいいよ」
次回、観光地巡り!!
「あ、お土産よろしく〜!」
「いつでも買えるでしょうが!!このシスコン!!」