僕らの可愛い、
※00年東京優🐴1✕2着 with01年皐🌙賞馬
※馬耳尻尾あり擬人化(たまに『馬』表記あり)。引退後、成人済み設定
※行為なし
💊💉💊💉💊
「あーお客さん。早く受付お願いします」
今日は本当に変な奴ばかり来る。
特に強烈なのがこいつらだ。
「よしよし…受付をさせて欲しいな。お部屋に着くまで待ってね」
「フライトてめぇ…!」
目の前にいるのは、サングラスをかけて飛行機のブローチ付きのスーツを着た一見品の良さそうな中背の栗毛の男。
と、首輪に繋がれて鎖製の手枷足枷をして、何故か犬耳と犬の尻尾までつけてる黒鹿毛の長身痩躯の男だ。真っ赤な顔でぎりぎりと歯噛みをして横の男を睨みつけてる。
首輪男はプードル?みたいなもこもこの服を着てる。と言っても裸に近いが。
「よくもこんなっ…こんな所に連れてきやがって!」
「うんうん。わかったよ。とりあえず静かにしようねぇ」
「撫でんじゃねぇ!」
首輪男が逃げようとするたびに、飛行機男が首輪につけられた鎖を引っ張って戻す。時には頭も撫でてる。
こんなやり取りをもう10分くらい繰り返してる。
「あのー。早く受付してもらえませんかね?」
「あっ、すみません。ちょっと書類は書けなさそうなので口頭で伝えても良いでしょうか?」
この有り様なので飛行機男はとても書類を書けないな。代筆するか。
「まあ仕方ないね…名前は?」
「偽名じゃだめでしょうか?」
「いや、本名でお願い」
「アグネスフライトです。よろしくお願いします」
「えっ…いや、よろしくどうも」
名前を聞いて驚いた。
雰囲気は現役時と違うが、ダービー馬だ。
現役引退後は有名な航空会社を経営している若社長。整った顔が人気らしい。
なんか面倒な事になりそうなんで知らない振りしとくか。
「そっちのお連れさんは?」
「えっと…この子ですか?
シャカール。僕の可愛いエアシャカールです♡」
「可愛くねぇよコラ!」
いい笑顔を浮かべて愉しそうにふわふわ尻尾を振るフライトと、尻尾を立ててブチ切れるシャカール。
シャカールか…アレか。フライトの同期の二冠馬で。現役時からしたら痩せたがギラついた眼光は健在だ。
…いい加減疲れてきたぜ。
さっさと入室してくんねえかなぁ。
その後も電話番号やら住所やら言わせてたら、既に20分くらい経った。
ようやく部屋選びの段階だが他の客は随分来ねえなぁ…と外を見ると、ドアの向こうの裏通りには黒塗りの車が数台停めてある。
その周囲には数人のガタイのいい男ら。
SPか?てかこれで客が来なくなったら営業妨害だろ。
それにしても眠い。早く仮眠してえ…
「すまない。来てくれないか」
あくびを噛み殺してると、フライトがスマホで誰かを呼んでいる。
少しすると、ドアが開いた。
「お待たせしました。フライト兄さん」
来たのは鞄を抱えた長身の栗毛の男。
その眼鏡を掛けたやさ面を見た瞬間絶句した。こいつ皐月賞を獲ってて…今は有名な学者じゃねえか。
確か東ナンタラ大学で教授やってる。細胞移植?とやらで炎症を治療するとかの研究してて、テレビにもよく出てる。
イケメンすぎる教授とか特集組まれてたな…
そんな俺の反応を知ってか、眼鏡男はこっちを向いて微笑んだ。
尻尾がゆらゆら揺れている。
「アグネスタキオンです。お見知りおきを。
ここは雰囲気が良いですね!私もこちらを利用させていただきますね」
いや、お見知り置きしたくないんだが。
「来んじゃねぇタキオン!てめー何する気だよ…」
「タキオン。シャカールに"おやつ"をあげて欲しいな」
「分かりました」
シャカールからの罵声をよそにタキオンは抱えていた鞄を開く。
中身はカラフルな薬液が詰まった注射器。
…大丈夫かこれ。下手したらお縄じゃねえか。
「おい、またかよ…やめろ…」
シャカールの声が震えてる。
「お客さん、クスリは流石にいけませんね」
「ああこれですか?大丈夫です。私が特別にブレンドした"おやつ"ですよ。合法のものしか入っていません」
タキオンはニコ、と笑う。
「さあ。タキオン。"おやつ"をシャカールにあげてくれ」
「はい。シャカールさん、あーんしてください」
「嫌だ…っ、こんな、とこで…!」
ブンブンと振るシャカールの首を抑え、タキオンは注射器を刺す…かと思いきや、中身を口角から流し込む。
シャカールはぺっぺっと吐き出したが、少し飲んでしまったようだ。
「ごちそうさまですねシャカールさん。
食べている姿もとても愛らしいですよ」
「げほ、タキオ……ぐっ…ゔぇっ……」
ふらふらとシャカールの力が抜けて、その場に座る。
トロンとしたような目だ。
「あっ、はっ、フライト…おい…」
「よしよし。よく食べれたねぇ。"おやつ"おいしかったねシャカール」
「美味くねェ…あっ、はァ」
シャカールの頬は火照って汗をポタポタ垂らしてる。
「ぐっ……フライト、っ」
「どうしたの?」
「俺を…、さわれ…」
「いいよ」
トロンとした目で懸命に睨みつけながら、涙を浮かべて懇願するシャカール。
もこもこした短パンの前側がぽこっと盛り上がってるのが分かる。
さっきの強情な姿とは真逆だ。
フライトはシャカールの頭に手を伸ばすが、直前でぴたりと止める。
「ごめんね。やっぱりやめるよ。
この7センチはまだ縮めてあげない。お部屋に着いてからにしようね」
「なんで…だよ…ぉ、くそ…っ」
「焦ったとこも可愛いねぇ、シャカール」
シャカールはフライトに身体をすり寄せるが、フライトは身をかわす。
…何だこの薬?
「何飲ませたんですお客さん?」
「"おやつ"ですよ。全身"なでなで"されたくてたまらなくなる効果があります。
シャカールさんみたいに嫌がる方が効率的に"栄養"を摂取できるように、粘膜から即吸収される様に作っています。
よろしければこちらのホテルにもご導入いかがでしょうか?」
「…遠慮しときます」
「そうですか、残念ですよ…ふふふ」
タキオンは顎に拳を当てて笑っている。気味の悪い奴だ…
「そろそろ部屋を決めてくれませんかね」
「あぁすみません。
ええと、こちらにします。宿泊で。タキオンはどうかい?」
「いいですね兄さん。私も賛成ですよ」
二人が選んだのは、実験室モチーフの部屋だ。拘束具やら解剖台やら動く椅子やら取り揃えてる特注部屋。
「了解…ゆっくりとお楽しみを」
「ありがとうございます。
さ、シャカール。行こうか」
「くっ…はァ…」
鍵を渡すと、フライトはにこりと会釈してシャカールの鎖を引っ張って立たせる。
首に伝わる刺激がよかったのか、シャカールは軽く喘いだ。
「お騒がせして申し訳ありません。では…」
タキオンも笑顔で鎖を持つと、悶えてるシャカールを引いて廊下を歩き始めた。
廊下から聞こえる3人の声が遠ざかっていく。
「兄さん、ずっとこういうのが夢だっていっていましたよね。私も嬉しいですよ」
「ありがとう。意地でもホテルに行きたくないシャカールとここに来れたのは本当に幸せだよ」
「早く…進めよ……ぉ…」
……あの部屋の掃除、大変そうだな。
やっと行ってくれたと安堵するのもつかの間。
タキオンが持つ大きな鞄の中身を想像して、俺はため息を吐いた。
💊💉💊💉💊
個人的な設定↓
フライト
シャカールのことを愛でている。タキオンは大事な弟。
タキオンからシャカールへの片思いには気づかない振りをしている
シャカール
フライトの彼氏兼わんこ。口調は激しいがフライトの事は好き。
タキオンのチームで研究職やってる
タキオン
シャカールの上司で彼に片思いと劣情を抱いているが、この関係でもいいと思ってる。シャカールと兄さんのためにアレな薬の研究を個人でしている