僕と薬品

僕と薬品



ある日の夜、お嬢から蟲惑魔に男性器を生やす薬が手に入ったと言われてそれを手渡される。


「で、これがその薬かい?」


僕はお嬢が渡した試験管を振って水色の液体を眺める。

蟲惑魔の品種改良……正直聞いてて良い気分にはならないな。


「これを飲んだら私たちもお嬢様みたいに生えるの?」


「ご主人様、行動力が凄いわね」


リセとシトリスの言葉を聞き、知り合いの商人に頼んで優先的に渡してもらったの。と胸を張る彼女を見ると多少は不快感が失せる。


「で、これで僕達にどうしろって?」


答えなんて聞かなくても分かっているけど、やっぱりその口から言ってもらわないとね。

それを飲んで私を犯して欲しい、と分かり切った答えが返って来る。


「良いよ、最初は僕だけでね」


「えー?またジーナが最初なの?」


「リセ、いきなり全員で試して何かあったらご主人様が腹上死してしまうわ」


「そういうこと。まぁ指名されるのを楽しみにしてなよ、リセ」


不満気なリセの視線に笑いながら言葉を返す。

正直な所、楽しみに思う。僕達のお嬢が蟲惑魔を相手にどこまでやれるのか。

あの2人を喘がせるくらいになっているのだから、僕だって危ないけど……

お嬢が気持ち良くなれるなら何でもしてあげたいし、要望は聞き入れてあげたいと思っている。とは言え身体に未知の器官が付くのは不安要素でもあり、少し緊張する。


「適用時間と効力は?使って試せって?」


ならもう飲むしかないな。液体を口に入れて飲み込む。

うん、不味いな。その味に対する不満が顔に出ていたのかお嬢が押し倒すように僕の唇を奪い、舌を入れてくる。


「ぅん……ちゅる……」


その舌を自分の舌と絡め、唾液を交換する。体温が上がり、股間に感じたことのない熱を感じる。

ズボン越しにお嬢の手がそれに触れ、彼女の瞳が僕を見つめる。

かつて僕がそうしたようにそれを手のひらで優しく撫で、硬さを帯びて形が分かるようになると先端を指先でなぞってくる。

未知の快楽に身体が震え、舌の動きを止めてしまう。そうしていると舌が抜かれて口が解放される。

ズボンのチャックに手が伸びて、下着ごと脱がされて下半身が裸にされていく。そういえば今日はお風呂がまだだったな、なんて考えていると僕の股間に生えた肉棒が姿を現した。


「ふぅん……」


勃起したそれを自分の指で触ってみる。硬いような、柔らかいような……お嬢に生えたものと変わりないようだ。

彼女も興味津々のようで指先で亀頭に触れてきた。その感覚がくすぐったくて笑ってしまう。


「それで、僕のコレをどうするんだい?」


彼女の考えが決まったらしい。肉棒に舌が触れる。


「口からかい?」


同じようにしてあげる、と言われてあの日の事を思い出す。そういえば僕も最初は口でしてあげたな。

僕の動きをなぞるように亀頭が舐め回され、唾液がまぶされる。


「良い眺めだね」


心地よい快感を感じながらお嬢の頭を撫でてあげる。

彼女は嬉しそうに目を閉じ、僕に奉仕を続けていた。

時折強く快感を感じる場所があり、弱点に触れられる気分を味わう。


「うん、良いよ……っ」


喋ろうと思った瞬間、裏筋に舌が触れてしまい変な声を上げてしまう。

それを聞いたお嬢の動きが少しだけ止まったが、すぐに口淫が再開される。

頭を動かしながら舌を絡められると、徐々に限界が近付いて来るのを感じる。


「ねぇお嬢、そろそろ何か……っ!?」


何かが上がってくるような感覚に少し恐怖を感じ、彼女にそう告げた。するとお嬢は動きを速くする。

頭に乗せた手で止めようとするけど、気持ち良くて身体が動かない。


「ねぇ、おじょう、まって……!」


普段の冷静さが何処かへ飛ぶ。身体が震え、何かが引きずり出されるように肉棒から熱を放つ。


「あぁ……っ!」


肉棒が脈打ち、精液を出し続ける。荒い息を整えようとしていると、裏筋を舐められる。

ただでさえ射精したばかりで敏感なそこを刺激され、言葉を失う。

僕だけが永遠に続くと感じた射精が終わり、ようやく呼吸を整える。


「ジーナ、大丈夫?水あるよ?」


「飲ませてあげましょう、涎も酷いわよ」


「ごめん、ありがとう……」


リセとシトリスが口を拭き、水を飲ませてくれる。そうしているとお嬢が僕の上に跨って顔を見つめてきた。そうだ、あの時は確か……

閉じていた口が開かれると、そこに溜まっている精液が見える。口を閉じると僕を抱きしめ、耳元で咀嚼する音を聞かされた。

ごくりと音が聞こえ、身体が離されると空になった口の中を見せられる。


「末恐ろしいね、ちょっとやられただけでそこまで動きを覚えられるのかい?」


いつも私ばかり気持ち良かったら不公平でしょ、と言う彼女の笑顔が眩しい。

僕達に生やすのは悪手かもしれない、薬の影響なのか分からないけど射精は思ったより体力を使う。

少し休憩したいけど、お嬢は許してくれなかった。


「ご主人様、続けたいのは分かるけど……」


「ジーナの、萎えちゃってるよ?」


2人に言われて気付く。精を吐き切った肉棒は萎え、とても連戦出来る状態ではない。

これは休めそうかなと思っていると、彼女が僕のスーツに手をかける。

上着を脱がされ、シャツのボタンを外されて下着もずらされた。

ひんやりとした空気が肌に触れ、自分の身体がいかに熱を持っているか感じられる。

お嬢は晒された僕の胸に顔を近付けると、興奮して立った乳首を口に含んだ。

生暖かい感触がそこをなぞりると先程とは違う快感が身体を走り、股間が再び熱を持つ。

親指と人差し指で輪が作られ、それで肉棒がゆっくりとしごかれる。


「良いよ、それで出来ると思うならね」


胸と肉棒から与えられる快感の事を考えないようにし、強がりながら言う。

彼女の頭を抱え、過程を見守る。

水音を立て、僕の乳首が刺激される。吸って、舐めて、噛んで……

息が荒くなり、股間の肉棒が更に熱を持って硬くなる。

口が離れたのでお嬢の方を見ると、得意げな顔でこちらを見ていた。


「それで、今度はどうするんだい?」


体力が回復したとは言い難く、もう少し休みたい。そう考えていると彼女は僕の指が欲しいと言った。


「良いよ」


いつも通り、お嬢を気持ちよくしてあげれば良いだけだ。

ベッドに倒れた彼女の服を少し時間をかけて脱がす。

焦らさないでと怒られたけど、許して欲しい。


「ん……」


先程のお返しに今度はお嬢の胸を口に含む。

興奮して硬くなっているそれを舌で転がしながら、指を秘裂へと入れる。

既に湿り気を帯びているそこを掻き回して、彼女の声を楽しんだ。

強く天井を押してあげれば、お嬢は身体を震わせて絶頂する。

引き抜いた指に付着した愛液を自分の肉棒に絡めると、彼女に問う。


「さて、準備は良いかな?」


これがおあずけと言うものなのだろうか?

興奮して先程よりも大きくなった気がする肉棒をお嬢の秘裂にあてがう。

ぐちゅりと音を立て、僕の肉棒が中へと入っていく。

感じ過ぎないようにゆっくりと柔らかい感触をかき分けて奥へ進む。


「奥まで、入ったかな……」


身体が触れ合うまで腰を押し込み、息を整える。

動いても良いと言われるが、入れただけで気持ちいいのに動かしたらどうなってしまうのだろう?

ゆっくりと肉棒を引き抜き、再び奥へと押し込む。

激しい動きでもないのに中が肉棒に絡みつき、余裕がなくなってくる。

ジーナ、と名前を呼ばれて彼女の表情を見ると、満足気な微笑みを浮かべていた。

落ち着け、さっきみたいに感じる所を肉棒で擦れば良いんだ。そう思って腰を動かし始めたが、僕の考えは一瞬で砕かれた。

動かす度に肉棒が刺激され、快感が背筋を走る。それに身体が震え、声が漏れてしまう。

お嬢の弱点を擦ると彼女の身体が跳ねるが、それも僕への刺激になる。


「これ、凄いね……」


いつもの様に余裕のある笑みを作る事が出来ず、そう呟くのが精一杯だった。

こうなればやれる所まで行くしかない。お嬢の腰を両手で掴み、腰の速度を上げていく。


「ジーナ、つらそうだけど大丈夫かな?」


「とっても気持ちよさそうだけど……」


互いの口から甘い声が漏れて身体のぶつかり合う音と水音、2人の声が部屋に響く。

しかしそれさえも聞こえない程に僕の頭は快感で支配されていた。


「おじょう、ごめん、もう……!」


目の前が白く染まって何も見えない。ジーナ、と僕を呼ぶ声が聞こえ、彼女の顔を何とか見つける。

思いっきり腰を打ちつけると僕の肉棒が脈打ち、精液が吐き出される。

それに合わせてお嬢も絶頂したのか、肉棒がきつく締め付けられる。

初めて感じる快感が僕を襲い、目を閉じて歯を食いしばった。

射精が終わり、深呼吸して息を整えているとお嬢の中から肉棒が抜けていく。どうやら今は2回出すのが限界のようだ。


「消えた……みたいだね」


股間にあった肉棒が消えているのを確認すると、まだ横になっている彼女の上に倒れ込む。


「ごめんお嬢、上手く出来なかったね」


お嬢の胸に顔を埋め、そう呟く。

とっても良かったわ、と頭を撫でて返事をしてくれる。

それがとても心地よくて、目を閉じて受け入れた。


「生やすのは1人までかな」


風呂でぬるま湯につかり、僕はそう呟く。


「そうねぇ……慣れないと体力消費も馬鹿にならないし、しばらくはそうしましょうか」


「えー!そんなのつまんないよ!お嬢様も2本一緒に舐めたりしたいよね!?」


騒ぐリセと、うんうんと頷く彼女にシトリスと一緒に呆れてしまう。


「あのね2人とも、3人でやって全員倒れたら残された1人でどう片付けをするんだい?」


「そうよ、貴方がその1人になったら嫌でしょう?」


「そ、そうだよね……なら、新しい子を増やすとか!」


追い詰められたリセが昔却下された提案をする。


「リセ、それは前に貴方も嫌だって言ってたじゃない……」


「ううん、2人ずつ相手をするなら関係ないでしょ!」


お嬢はそれに賛成らしい。2人揃って見つめてくる。


「どうするの、ジーナ?」


顎に手を添えて考える。リセとシトリス、それに僕だって潰してみせた彼女に恐れるものなどあるのだろうか?


「良いよ、条件付きで考えてあげる」


お嬢は身を乗り出して条件を聞こうとしてくる。


「そんなに焦らないでよ。簡単さ……僕の次に生やすのをシトリスにして、同じようにイかせてあげれば良いよ」


喜ぶお嬢の笑顔と緊張しているシトリスの顔を見ながら、その時を楽しみに待つことにした。

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