僕とお嬢
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かつて富豪の男に妾として買われた僕は、そうなる前に男が死んでお役御免になった。
残された義理の娘に諸々の権利が渡されることになり、彼女の周りはかなり面倒な事になった。権利を貰えると思っていた妻が彼女を殺そうとしたのだ。
雇われた殺し屋も、その妻も一緒に殺されそうになった僕が食って乗り切ったが彼女は相当堪えたらしく人間を信用しなくなった。
それが原因だったのかは知らないけど、彼女は僕に抱いてくれと頼んできた。
元々そういう目的であの男に買われたけど、屋敷に来た時から友達感覚で接していた彼女にそんな気があるとは思ってなかった。
まぁ二つ返事で抱いたけど。
そんなこんなでお嬢様に色々教え込んで過ごしていると、彼女はとんでもない事を言い出した。
「3Pしたい?良いけど、3人目は?新しい蟲惑魔を買う!?」
待て待て待て。そんなに蟲惑魔とのセックスにどハマりしたのかこの娘は。一応向こうが主人だからこちらは下だけど彼女に万が一の事があれば宿無しになる。
最低条件として買い物に付き合わせてくれと頼んだ。共に住む以上、色々と合わせたい事が多い。
結果、蟲惑魔農家に飼われていた時の同期が残っていたので彼女にする事になった。
「おお〜すっごい広い!ジーナ、私ここに住んでも良いの!?」
「そりゃ買われたからね……お嬢、リセだけで我慢しなよ?」
屋敷のホールを目を輝かせて見るリセを尻目に、主人に釘を刺す。蟲惑魔を増やすというのは色々と危ない。喧嘩するかもしれないし、ある日買った人間を食うかもしれない。たまたま僕がその気にならなかっただけで、本来なら蟲惑魔と住むなんて正気の沙汰じゃないよ。と言えば彼女はくすくすと笑う。
貴方に言われたくないわ、と返されてなんとも言えなくなった。人間の心配をするなんて、僕もお嬢に絆されてるのかもしれない。
「リセ、案内するからこっちに来て」
「はーい!」
リセに声をかけ、お嬢と3人で屋敷を歩く。まずは着替えかな。
「はいリセ、これに着替えて」
「なにこれ?」
リセに自分が着ている物と同じ黒いスーツとネクタイ、白いシャツを渡す。
「何って……お嬢の趣味だけど」
元々は彼女を護衛する時に着用したのだが、予想以上に気に入ったので普段から着る事になった。リセは面倒くさい、とボヤいたが蟲惑魔の知能なら簡単に覚えられる。手伝ってあげるから、と言うと渋々着替え始めた。
「どう?似合ってる?」
「良いんじゃない、どうかな?お嬢」
着替えたリセはその場でくるりと回り、僕達にスーツ姿をお披露目する。お嬢はリセも素敵ね、と言って喜んでいた。
「あとはお嬢の匂いを覚えなきゃね」
「貴方の匂いを覚えたら良いの?」
リセはお嬢に抱きつくとすんすんと匂いを嗅ぐ。
「うん、覚えた!」
「じゃあ大丈夫かな、迷ったら匂いを頼って動いて。後は自由にしてて良いよ」
「ほんと?お庭に私の花置いて良い?」
いいわよ、とお嬢に許可を貰うとリセは玄関へ走って行った。
「今夜はどうする?僕と2人だけで……えっ、リセも混ぜる?じゃあ先に言っておきなよ……」
未知の体験に目を輝かせているお嬢を見て、僕はため息をついた。
夜、リセを連れて廊下を歩く。
「ねぇジーナ、今から何するの?」
「買われた蟲惑魔の本分かな」
「エッチな事?」
「そう、僕達とお嬢でね」
リセの質問に応えながら部屋の扉を開く。彼女はベッドの上で既に自慰をしていた。
こちらに気付くと顔を赤くして目を逸らす。
「ふーん?僕達が来るまで待てなかったんだ」
僕にそう言われると彼女の顔が更に赤くなる。
期待してたんだろうけどこれは相当だな。
「怒らないから安心してよ、今からちゃんとお相手させてもらうからさ」
「ねぇジーナ、お嬢様はどこを触られるのが好きなの?」
「今から教えてあげる」
スーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外す。
靴を脱いでベッドに上がり、お嬢の背後に座る。
「今日も始めよっか、お嬢」
耳元で囁くとそのまま耳を舐め、彼女の胸に触れる。
「お嬢はね、こうやって下から持ち上げるように胸を揉まれたり……」
続けて乳輪をゆっくりと指でなぞり、乳首をつねる。
「ゆっくり、じっくり責められるのが好きなんだ」
まぁ僕が開発したんだけど、と付け加えてそのまま続ける。
「下は良いの?すごい事になってるけど……」
「もうびしゃびしゃだね、リセに見られていつもより興奮してるのかな?」
お嬢は言わないで、と返すけどこれもいつもの事だ。
「気にしなくて良いよ。お嬢はこうやって言われるの好きだから」
股下に手を伸ばし、彼女の膣内に指を沈めた。
ぐちゃぐちゃに濡れた蜜壺の天井を擦るように指を出し入れし、音が鳴るようにかき回す。
ジーナ、ジーナと僕の名前を呼ぶ彼女を導いていく。
空いた片手で胸を愛撫し、指を奥まで沈めると身体を震わせて絶頂した。
「これ、私要る?」
「要るから買ったんだよ」
リセは不満気だったが僕の言葉を聞くと同じように上着とネクタイを外してベッドに上って来た。
「靴も脱いで」
「はーい」
靴も脱ぎ捨てたリセはお嬢の前に座ると笑顔で彼女に問う。
「私は何をしたら良いのか教えて欲しいな、お嬢様?」
「お嬢、教えてあげなよ。黙ってちゃリセも分からないよ?」
乱れた呼吸を整えた彼女は、先程のように指で責めて欲しいとリセに頼んだ。
「えー?さっきジーナにいっぱい可愛がって貰ったのにまだ足りないんだ」
「蔦で愛撫してあげた事もあるけど、指とか舌が良いって聞かなくてさ。困った子でしょ?」
くすくすと笑うリセに呆れたように返事をする。恥ずかしいのかお嬢は黙ったままでうつむいていた。
「良いよ、私もお嬢様の事可愛がってあげる」
リセは私とは反対側の耳に顔を寄せて囁く。
「気持ち良くなかったら教えてね?」
ぐちゃりと音を立ててリセの指が膣内に沈む。そのまま僕が教えた通りに指を動かすとお嬢の口から喘ぎ声が漏れていく。
「良いよリセ、気持ちいいみたい」
「良くって声も出ないのかな?締りも良いし、もっとしてあげるね」
入れる指を2本に増やし、動きを激しくするリセ。程なくして身体を震わせると、彼女は潮を吹いて再び絶頂した。
「わ、すごーい。私の指、そんなに気持ち良かった?」
「お嬢、ちゃんと教えてあげて」
飛びかけていた彼女の意識を戻すために乳首をつねる。びくりと跳ねた後、気持ち良かったと返事があった。
「今日はおしまい?」
「どうする?」
短時間に2度も絶頂したから体力の消耗も激しい。ここで切り上げようかな、と思っていると予想外の言葉が返ってきた。
「もっとしてほしい?」
「お嬢、今日はもうやめた方が……」
彼女は首を振り、命令だと告げる。
「もっとめちゃくちゃにして欲しいって……ジーナ、どうする?」
「はぁ……リセ、少し加減してね」
口は僕が貰うから、と告げてお嬢の唇を奪う。片手で頭を固定し、お互いの舌を絡めながら自分の蜜を送り込んでもう片方の手で胸を愛撫し始めた。
「はーい、今度は口で奉仕するね?」
リセはお嬢から少し離れると今度はその蜜壺に口を付ける。それだけで彼女の身体は震え、絶頂した事を僕に教えてくれた。
リセはそのままわざと音を立ててすすり、太ももを押さえて食らいついていく。
涙を流し、何度も震えるお嬢を至近距離で見つめながら手と舌は止めない。
そのまましばらく2人で彼女を責め続け、限界が見えた所でリセを制止する。
「リセ、ストップ!これ以上やるとお嬢が危ない」
「ん……止めていいの?」
「良いよ、死んだら困る」
「なんで?自由になれるよ?」
それはもっともな疑問だ。人間の都合で育てられて、人間の都合で売りに出される。蟲惑魔としては迷惑な話だ。けれど僕は……
「お嬢が居ないなら僕は自由になっても嬉しくない」
お嬢の身体を抱きしめ、この子に害を加えるならこの場で殺してあげる。と付け加えてリセを睨む。
すると彼女は笑い出した。
「あははははっ。ジーナ、本気なの?買われた時、あんな嫌そうな顔してたじゃない?」
「本気も本気さ。それで?リセは自由になる為にこの子を殺すのかい?」
もしかしたら僕もリセに殺されるかもしれない。それでも、1人になるよりはマシだ。
リセは顎に指を当て、考えているようだった。やがてにこりと笑うと口を開く。
「良いよ、私もお嬢様と一緒に暮らしてあげる。ジーナがそんな心変わりをする人間、気になって仕方ないもん!」
「本当に?」
「本当に!今日は止めるんでしょ?身体拭いてあげようよ」
「じゃあ、あっちのタオル取って」
「はーい」
2人で濡れたお嬢の身体を拭いていく。そのまま下着と服を着せて、隣のベッドに運ぶ。
「ジーナは何処で寝てるの?」
「僕はお嬢と一緒、リセは……」
「私もお嬢様と寝たい!」
「今夜だけね、明日からお嬢に許可取りなよ」
ベッドに潜り込みお嬢を抱きしめる。
「はーい」
反対側からリセがお嬢に抱き着いた。
「おやすみ、お嬢」
「おやすみなさい、お嬢様」
2人で声をかけ、眠りに落ちた。
それから月日が過ぎ、リセもすっかりお嬢に懐いた頃。再び彼女の口からとんでもない発言が飛び出した。
「胸の大きな子に甘えたい?僕達じゃ不満かい?」
「もっと大きな子が良いの?」
体型が生まれたときに決まる蟲惑魔には、その手の問題は解決できない。
その手の人間を呼ぶか、いっそのこと人攫いでもするかと悩んでいると。
「新しい蟲惑魔を買う?」
「お嬢……僕は反対だよ。そもそもお金だってあるのかい?」
リセは今のところ問題ないけど新入りが何をしでかすか分からない。金銭的理由で諦めさせようとして彼女の口座を携帯端末で開いて、固まった。
リセとお嬢が覗き込んで来る。
「あのバカ、義理の娘にどれだけ財産渡してるんだ……!」
並ぶ数字は膨大で1人どころか今発見されてる蟲惑魔を全部揃えてもまだ余りそうだ。まずい、金銭的理由では無理だ、ここは住処の問題……これも無理だ。この屋敷は広すぎる、引っ越せば良かった。頭をフル回転させているとお嬢が耳元で囁いた。
大丈夫、また貴方が守ってくれるでしょう?と。
「お嬢、それは……」
もしかして。
ええ、聞いてたわ。と返事をされ、僕は再び固まった。
「ジーナ、顔真っ赤。大丈夫ー?」
リセとお嬢がくすくすと笑い、僕は説得を諦めた。
結果、次の新入りはお嬢の要望通り胸の大きな蟲惑魔になった。
「シトリスの蟲惑魔って呼ばれてるわ、よろしくねぇ」
「私はリセ、よろしくー!」
「僕はジーナ、こちらが君を買った人間だよ」
よろしくね。と挨拶をするお嬢にシトリスは笑顔で返事をする。
「リセ、シトリスに屋敷を案内してあげて」
「シトリスちゃん、こっちだよ。まずはお着替え!」
リセとシトリスを見送り、お嬢と話す。
「もうシトリスを夜伽に呼ぶのかい?お嬢、好奇心旺盛なのは良いけど僕の心配もして欲しいな」
はぁ、とため息をついて彼女を止めようとする。
駄目?と返されて見つめられると、それ以上何も言えなくなった。
「僕も甘くなったな……分かったよ、僕達も一緒に居るから安心して」
リセの呼ぶ声が聞こえて、僕達は手を繋いで歩き出した。