傍観するのも楽でない

傍観するのも楽でない


「こりゃまた派手に飛んで行ったのう...」

ダルヴァはウルキオラと一護が戦いだした時点でさっさと脇へ控えて戦いの行く末を見守っていた

ウルキオラの行動はずっと把握しており正直もっと泳がせていたい 後は一護がこの戦いで勝つことはあり得ないと考えたからだ

ダルヴァが参戦した場合ダルヴァの防御を上回る出力を出そうとウルキオラが頑張れば頑張るほどネルを巻き添えする危険性もあるため全くいって手を出すメリットが無い 一護には悪いが一度死んでもらおう

「いちご...いちご...」

虚閃に吹っ飛ばされていたネルが一護を探している 一護は胸を串刺しにされ死に体だ それを発見したネルが大きな声で泣き出した...

「うあああああ!いちご...しんじゃダメっス」

「殺すな殺すな 儂がなんとかしよう」

キュポンと子気味の良い音を鳴らし瓶の栓を抜く 今回は飲むタイプだが...面倒だから直接胸の怪我に掛けてやる...効きすぎる事はあっても効かない事は無いだろう

「い...いちごはたすかる?」

「そう言ったじゃろ?虚の超速再生程ではないが直ぐに傷も塞がるはずじゃ...現に心臓も拍動をし始めた 意識が戻るまでは儂が護衛するとしよう…どうやら体を張る必要がありそうじゃしな」


大きな霊圧がこちらに迫っている そして降り立ったのは破面

「...あ ...ああ 第6...十刃 グリムジョー...さま」

「ウルキオラにやられたと思っていたが...どうなってやがる この女の仕事が無くなっちまったな」

ドサッと音を立てて井上織姫がグリムジョーの荷物から出てきた

「く...黒崎くん...?」

まだ意識は戻っておらず虚ろな目をした一護を井上は心配している

「...致命傷を受けていたからのう 儂の薬で手当てはした...とはいえ早く意識を取り戻すのならお主が追加で治療をしてくれると助かる」

「勝手に喋ってんじゃねえよ 誰だお前は」

「これは失礼したのう 儂はシーカー・ダルヴァという名じゃ 栄えある十刃の一人に会えて光栄じゃのう...恐れ多いからその子供を置いて帰ってほしいんじゃが」

そこまで言った所でグリムジョーの蹴りがダルヴァの顔面に炸裂した

「硬えな...ノイトラとも違げえ硬さだ てめえソイツを見殺しにしただろ 戦っていたならああも速く決着は着かねぇ」

「一回死んでもらう方がメリットが多かったのでな?ちゃんと直したんじゃしそうカッカするでない」

井上が治療を開始した横でネルは見守っている ダルヴァも座って待つグリムジョーと一護の間に立ちその様子を見守っている

盗聴器によりウルキオラは井上の脱走...というよりグリムジョーの拉致に気づいたという事も分かった

(最悪の場合は儂がウルキオラに引っ付いて妨害するしかないか?いや儂一人が死なないのは簡単じゃがこ奴らを守りながらとか無理じゃ...)

グリムジョーが無策で蛮行を行っていない事をただ神に祈るダルヴァであった




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