偶像女神、新宿で肉便器に堕ちる

偶像女神、新宿で肉便器に堕ちる


淡い紫の長いツインテールの髪が吐息に合わせて揺れ、頬はうっすら赤みを帯びている。小柄な体の透き通る肌には玉のような汗が滲んでおり、土埃などで汚れたドレスはそれでも白く輝いていた。

そして、この世のものとは思えないほど美しく愛らしい顔の、真珠か宝石と見紛うほどに綺麗な瞳は、目の前の不埒者達を真っ直ぐ睨んでいた。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

辺りに鈴のような高く美しい音が溶けていく。

ここは新宿。しかし本来の歴史から外れており、悪徳に満ち悪行が蔓延る悪意の街。

そんな人の美しさとはかけ離れた街に、人の美しさを詰め込んだような少女が、その美貌に似合わない荒い息をはきながら、その周囲には『不良』ほどの若さもなく、『極道』と呼べるほどの威厳も誇りも持ち合わせていない——正に『チンピラ』と言う他ない、柄の悪い男達に囲まれていた。

「ようやく追い詰めたぜェ、女神サマよォ」

その集団から一人出てきた男は少女を女神と呼んだ。

これは比喩でも何でもないただの事実である。

彼女はギリシャ神話に登場する怪物メドゥーサ、その二人いる姉の一人女神ステンノ。サーヴァントととしてこの地に召喚されたその人なのだから。

 

彼女がこの新宿に降り立ったのはほんの数時間前、その時から彼女はこのチンピラ達に追われ続けていた。どうやらサーヴァントというだけで排除の対象であるらしい。それだけなら問題ないのだが、いかんせん数が多い。それも男殺しに特化し、高ランクの気配遮断を有し、逃げ続けるだけなら容易な彼女でも追い詰められるほど。

ひたすら多数に追われ、気配遮断を使う隙を与えられなかった。その美声で数人を魅了しても、その男は他のチンピラに殴られ、気絶させられた。

いくらサーヴァントとは言え体力に限界はある。それに彼女は愛されるだけの女神で戦闘能力など皆無に等しい。

 

そして——

「もう逃げられないぞ」

後ろは壁、前はチンピラの集団。もう逃げ場はない。ステンノはここに追い込まれたのだ。

「うふふっ」

それでも息を整えた彼女は不敵に笑った。

「あなたが……この集団の長なのでしょう?」

笑みを浮かべながら出てきた男に問い、壁から離れ一歩歩む。

「それがどうした?」

この状況でなら馬鹿でもわかる。そんなことを聞いているのに、それでも女神の威厳は凄まじい。雰囲気に気圧されたのか男は一歩退いた。

「哀れな人ね……おびき出されたのにも気づかないなんて」

そう、もう逃げきれないと悟った彼女は状況の打開を図った。

すなわちチンピラ達の撃退である。しかし、数が多すぎて殲滅は不可能。それゆえ彼女がとれる策は一つ。

「あなたさえいなくなれば、後は烏合の衆」

また一歩進み、男が下がる。彼女の言葉通り、彼らはトップであるこの男の力によって支配されていた。

そしてステンノという英霊には男を問答無用に葬り去る宝具がある。

「女神の(スマイル・オブ・ザ

)——

だが彼女は疲労からか、慢心からか、らしくないミスを犯した。

ガンッと後頭部に衝撃が走る。体勢を崩し、宝具の発動は止まる。

後ろを見ると鉄パイプを持った男が立っていた。

「哀れなものだな、わざと下がって壁から引き離したのにも気づかないとは」

それが気を失う前にステンノが聞いた最後の言葉だった。

 

♦︎

 

 

「うん? ここは……」

ステンノが目を覚ますと、そこは窓のなく薄汚れた部屋だった。

そして、身体を動かそうとして気付く、身体も全く動かせないことを。

自分は何も身にまとっておらず、傷一つない真っ白なキャンバスのような背中を、慎ましやかながら張りのある胸を、一本の筋のように閉じている秘裂を、キュッと締り花のように穴から皺が伸びる菊門も全て晒してしまっていることに。

「はあ……全くここまでするなんて」

正直に言えば、彼女自身男に獣欲のまま貪られた経験など、生前からいくらでもあるし囚われればこうなることもわかっていた。それでも嘆息したのは偏にその拘束の厳重さである。

手首、足首に拘束具を着けられ、それぞれをまた鉄の棒で繋がれていた。

両腕を結ぶものは真ん中に首を通す穴の空いた一本鉄棒で、肩幅よりも短く横を向けばすぐ目の前に手があるほどで、それに比べ脚の間のものは長く脚は大きく広げられており、手首と足首を繋ぐものは彼女が膝を曲げれば丁度いいように調整されており、全身で台形を形作るようになっていた。

また、腕と脚の拘束具は地面に止められており、ステンノはまるで土下座を強いられているようで、更に屈辱感を与えていた。

「ははは、無様だな。女神サマ」

「あなたは……」

笑いとともに聞いた覚えがある声が響く。顔を上げて声のする方を向くと、チンピラ達のトップであるあの男がドアから部屋に入ってきた。その笑みを見て、彼女の顔は姉妹ですら見たことがないほど歪んだ。

「本当に女神に手を出そうだなんて……命知らずな人ね」

「その女神サマはこうして俺の前に跪いてるけどなァ」

皮肉を皮肉で返され、反論出来ず黙ってしまう。男殺しの女神にはあるまじきことだが、それも全て自分の油断が招いた事態なのだ。

「お頭ァ、オレらもう我慢出来ませんぜ。ヤっちゃっていいですかい」

「まァ、待て。せっかくご来賓頂いたんだ。彼女も気持ち良くなって貰うのが礼儀だろう?」

「くっ……!」

逸る子分を抑えるように男が思ってもないことを口にする。「それに濡れてもないマンコになんぞ突っ込みたくねえだろ」と本音も言う。明らかにバカにしたその言葉に、ステンノは唇を噛むことしか出来なかった。

 

「まずはこれだ」

子分の一人に運ばせた箱から男が何か取り出し、ステンノの前に置く。

「香木……かしら?」

それは小さな木の欠片だった。

「そんないいもんじゃねえよ」

と、言いながら火をつけ、少女の顔に向けて手で仰ぐ。

「これは……んっ」

煙を嗅いだ瞬間、ステンノの鼓動は早くなり身体中に血液が流れ、明らかに感じているとわかる声が漏れる。

「こんなものを使わないと、私のような子供一人相手に出来ないなんて」

「子供じゃないだろって言うのは失礼だな……ああそうだ言っただろ、気持ちよくするって」

事実ステンノの身体は昂りを抑えられなくなっていた。それは呼吸が速くなり、頬にも朱が混じり傍から見ても明らかである。

「次は……っと、おい」

周囲の男から二人呼び出し、ステンノには見えないところで何かを渡し、三人で近づいて来る。

「えっ、きゃああああ!」

彼女の胸の辺りと脚の間にある隙間に何かが差し込まれたと思った瞬間、乳首と秘裂、クリトリスに電流が走ったように振動が襲った。

「ははは。ギリシャの女神サマは電マなんて知らねえよなァ!」

「や……やめ、いやああああああ!」

彼女の後ろに陣取り、股を責めている長の男が言う。それは半分正解で半分間違いであった。聖杯からの知識により、そういう道具のことは一通り頭に入っている。しかし、流石に責められたらどうなるかまではわからない。

そのため初めて受ける衝撃に言い返そうにも叫ぶことしか出来なかった。

「ああっ!」

プシャアという音とともに愛液が吹き出し男の手を汚すが、男はイヤな顔一つすることなく、むしろ笑いながらステンノをなじる言葉を吐いた。

「汚いなァ! それでも男を堕としてきた女神サマかよ!」

「ああ……あっ!」

その言葉とともに振動が最大になる。絶頂とともにステンノの意識が飛ぶ。

それに気づいているにもかかわらず、男は責める手を緩めない。

「おっと、ここもほぐしとかないとなァ」

狙われたのは菊座。本来入るものがないはずの、不浄のそこにローターを挿れ、最強モードで起動する。

「ああん!」

意識を取り戻したステンノが再び嬌声を上げる。

その後、道具の責めから解放されたのは、絶頂と失神を五回繰り返した後だった。

 

「はぁっ、あっ。はぁっ、あんっ。はぁっ」

ステンノの荒い息に、甘く淫らなものが混じる。

「メインディッシュはまだだぜ、へばってもらっちゃ困るなァ」

男が彼女の尻を叩く「はぁん」と高い声をあげた。それを聞き男は笑い、ズボンのチャックを下げ、少女の腰を持ち上げた。

「あんっ! い……いたい……っ!」

男の肉棒が秘裂に挿入される。悲鳴が上がり、太ももを赤い液体が流れる。彼女は男の理想の姿を映す偶像女神、生前からそういう経験がないわけではないのだがそのたびに処女膜は再生し、また破れていた。

そのため痛みなどもはや慣れていた。それでも痛みを訴えたのは男のモノに感じていることを自分で認めたくないのだろう。

そう、彼女の身体はその意志に反して男を受け入れていたのだ。

「あっ! ああっ! あっ! あんっ! あんっ! いやあああんっ!」

腰と腰がぶつかる度にジュブジュブという水音とともに、短い嬌声が響く。

そして——

「いやあああああ‼」

ステンノの絶叫とともに膣内に精液が放出される。彼女の頭はその熱さと男の笑い声に染められた。

「はあっ、はあっ! お前はもう女神でもなんでもねえ、ただの便器だ」

その言葉と共に、女神だった少女の背中に太いマジックペンで『女神』の文字の上に×印と『肉便器』という言葉、右太ももに秘部へと伸びる矢印と正の字の最初の一画が刻まれた。

その間、彼女は「や、やめ」と無駄な懇願を続けるだけだった。

「あとは自由だあ! お前らやっちまええええ‼」

「うおおおおおおおおおおおお‼」

その宣言とともに男達は喚声を上げて走り出す、女神ではないただの肉便器は抵抗することも出来ず、その渦の中に、消えた。

 

♦︎


数日後、ステンノはまだ同じ部屋にいた。

途中で体位に飽きられたのかその体は天井から下がった畳一畳ほどの大きさの鉄枠に四肢が止められており、前後の穴から精液などの混ざった汚らしい体液を垂れ流していた。

体の落書きは尻たぶにそれぞれ『牝』『豚』と書かれたのを始めとして、『性奴隷』『チンポ大好き』『ザーメン中毒』『今まで生意気で申し訳ございませんでした』と全身に刻まれ、太ももの正の字は左の肛門まで矢印が続いている者も合わせて優に二十は越えていた。

今日も地下室の扉が開く。

(だれか、たすけて)

ステンノは届かない助けを心の中で求めることしか出来なかった。

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