俺シコスレ 露出

俺シコスレ 露出


「俺シコスレなんて立てるんじゃなかった……」

ちょっとしたネタスレのつもりだった。悪ふざけでシコれるとか言われたのは、気持ち悪かったけど面白かった。

でも俺の情報はぼかしたし、飽きられてすぐ落ちるだろうと思ってたんだけど……

「なんでエロSSが書かれてるの!? 絵師まで降臨してるし! お前らもっと他のことに才能使えよ!」

しかもタチが悪いのは勝手に生えてきた設定だった。男とも女とも取れる設定ばかりが生えてくるからなんだか「逃がさない」って圧を感じる。

『言うて言われてるのとは別の性別だし〜?』みたいな自分への言い訳が出来ない。強引にえっちな人に仕立て上げられてる。ふざけんな!

「こうなったらスレを爆破してやる」

その声に勢いがないのに気付くのに五秒かかった。

スマホから目が離せない。何度もスレを往復させて、何度も書き込みを見ている。新規の書き込みがないか更新している。

気になって仕方ない。なんだろう。嫌なはずなのに。

掲示板の向こうでみんなが俺でシコっている。俺のことをえっちな目で見ている。俺であそこを硬くさせている。俺であそこを濡らしている。俺でえっちなことを考えている。俺をえっちな目にあわせたいと思っている。

ぞわり。

悪寒? 違う。なんだろう。この感覚は——

どくん。

心臓が跳ねた。身体が震える。息がうまくできない。あつくて、ちかちかして、からだがだるいきがする——

たっぷり五分くらい経ってから。

「パンツ、履き替えよ……」

悔しさと恥ずかしさをしまうために、タンスの引き出しを開けた。


数日後。

「なんで俺こんなことやってんだろーな……」

俺は街中を歩いていた。いつもの地味めな格好で。着慣れた服だけど、今日の着心地は最悪だった。

「だいたいあにまんにあんなスレが立つのが悪いんだよ。くそっ。……くそっ」

えっちな下着スレなんてのが立ってたから、つい見ちゃって、つい気になって調べて、もっかいスレ見たら普段使いしてるヘンタイのレスがついてて、それで……

まぁ、俺もヘンタイになっちゃったってこと。

「バレないよね……? 流石に……」

視線が気になる。俺は背が低いのを気にしてるから、背の高い人の視線は前から気になってたけど。それでもそんなもんじゃない、全人類からの視線を感じてる。

「気のせい……気のせい……」

そう言い聞かせながら歩いてたらまたあのぞわぞわする感じがしてきた。ずっと弱いけど、確実に。

「これ、なんで……? なんで……?」

わからない。けど、見られてる、って思うとぞわぞわが強くなる。鼓動が早くなる。

「はっ……はっ……」

走ってもないのに、走った時みたいに息が切れる。それでまた視線が集まった気がする。

「あの……」

声をかけられた。背の高い女の人。心配そうな顔をしている。俺を見てる。見てる。見られてる。

「大丈夫ですか?」

見られて。見られて。見てて。

「だいじょぶですっ!!」

結局、走って逃げてしまった。


帰宅して、案の定ダメになってたえっちな下着を虚無顔で手洗いして、ベッドに転がる。

「俺、こんなにヘンタイだったのかな」

ちょっと後悔してるけど、当分オカズには困らないな、なんてことも考えて、寝ることにした。

露出しなくても露出シチュは書けると思う

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