俺くん、ジュンを怒りの乳首責め
俺とジュンが5歳の頃だったか、乳首当てゲームをしたことがある。
服の上から乳首の場所を両指で突いて当たりだ外れだと馬鹿騒ぎする、ガキ極まりない遊び。俺は乳首をとげキャノンの如くれんぞくづきされるのが嫌で嫌で仕方無かったのだが……
「えー?んなこといちいち覚えてねぇよぉ」
横柄にも俺のベッドを占領し、寝転がってゲームに興じるジュン本人は全く覚えていないらしい。因みに俺は床に座っている。本当に腹が立つ。
「ハァ……俺はあの後乳首が腫れて大変だったんだけど?」
「知らね〜……っと!へへっ、また俺の勝ち〜」
「あっ!くっそジュンてめぇ!!」
俺が操作していたガブリアスがジュンのパチリスに転がされる。さっきから一時間ほどやっている新作の格闘ゲームだが、俺は連戦連敗中だ。
俺が虚脱感に天を仰ぐと、ジュンが癪に触るニヤつき顔でこちらを見ていた。連戦連勝で完全に調子に乗っており、ちっちぇこと気にしてるから勝てないんじゃねぇの?などとおちょくってくる。
ポケモンバトルならば未熟な俺が悪いとして流すのだが……いかんせんゲームというのは喜びも怒りも刺激しやすいらしく。俺は衝動のままジュンの肩を掴んでベッドに磔にした。
「わっ!おま、急にどうしたんだってんだよー!」
「うるせぇ!俺と同じ痛みを味合わせてやる!」
我ながら意味不明だが、脳にストップがかかる前に俺の両指はジュンの乳首をつねっていた。
「い"っ…てぇ!?」
そのままコントローラーのスティックを回す要領でこねくり回すと、ジュンから情けない悲鳴が上がる。俺は機嫌を良くして両乳首を同じ動きで責めてやった。
「い…痛いってんだよっ!マジで罰金ものだぞお前ぇっ!」
痛みから逃げようと体を反らしているが、逆効果だった。俺に向かって乳首を差し出すような姿勢になっていることに気づいていないのだろうか?服の上からでもわかるほどに腫れ上がった乳首をピンっ!と弾くとがくがくと腰が揺れる。俺はそれが面白くて、ジュンの乳首をリズミカルに爪弾く。
「ひっ!ちょ、やめろよぉ…ぁっん!」
そのまま爪でカリカリと乳首を虐め倒すこと数分、冷静になってきた俺はジュンの様子がおかしいことに気がついた。
「…………」
あんなにおしゃべりなジュンが押し黙っている。おそるおそる表情を覗き込めばうっすら目に涙を溜めていて、顔は耳まで真っ赤になっていた
──やりすぎた。
「ゴメン」
俺は即座にベッドから降りると土下座した。いくら頭に血が昇っていたとはいえ、あんなことを泣くまでやるなんて……最低だ。
「……ば………」
ああ、今回ばかりは本当に"罰金"を払うべきだろう。今からATMに走って、足りなければ秘蔵のきんのたまだって手放して払うべきだ……そう思案していた俺に返された言葉は意外なものだった。
「ばか……」
ジュンはか細い声で言い捨てると、家のバスルームに去っていった。
残された俺はその後ろ姿を呆然と見送るしかなく、この後どうやって接したらいいのか……シャワーがバスルームの床を叩く音に混じる甘い声を聞きながら、悶々と考える羽目になったのだった。