保護

保護




これは一体どういうことだ





いつものように任務を終え革命軍のアジトへ戻ろうとした時ふと花の匂いがした

革命軍NO.2 参謀総長のサボはそう感じいつもならただ通り過ぎてアジトへ帰るだけだったが、なんとなく 嗅いだことの無い花の匂いが気になってその方へ向かった

集合時間までまだ時間あるしいざとなったらなんとでも言い訳すればいい

そんなことを思いながら




そして向かった先で見たものが

「………彼岸花?」

そこにはとある国で有名だという彼岸花という花 確か別名なんだったか いやその前にまて、奥に何かいる


「人?」

サボは気になって足を進めた 花自体に毒性があったと聞いた事はあるが触れたりしなければ大丈夫だろう

そして近づいて愕然とした



「………は  なんだよ これ」

そこにいたのは 人だった 人だったのだ

ただし全身傷と痣だらけで白濁したものが大量につけられ後ろに手を縛られた 明らかに無理矢理性暴力を受け捨てられた 

そんな人がこの大量の彼岸花の花畑の中にいた

「っおい!!大丈夫か!!生きてるか?!」

倒れてる人間に当たり前だが反応は無い

「っとりあえず連れて帰ってコアラとドラゴンさんに報告しないと………てかこいつどこかで」


そんな事を思いながらサボはその人間を抱き抱えて革命軍のアジトへ帰った









「コビー大佐は見つかったか?!?!」

「いいえ依然として行方不明のままです………」

「近隣海域及び無人島全て探せ!!!!」


そんな声が飛び交うここは海軍本部

毎度狙ったようにあの黒ひげとその海賊団は何が目的なのかコビー大佐とこの海軍本部の前に現れひと大暴れした後コビー大佐を誘拐していく。 そして飽きたのか近隣海域や相手の能力保持者の力によってお返しされる。

一将校が攫われるのも重大事案だがもっと頭を抱えるのはその帰ってきた時の姿だ

絶対にあいつらはコビー大佐を性的に暴行して まるで玩具のように遊び尽くして飽きたようにこちら側に返してくる そしてコビー大佐が仕事へ復帰し忘れた頃に現れ誘拐していく……………


はっきりいって意味不明な上我々海軍は大佐専用病院では無いしコビー大佐はあいつら専用のものでは無い 我々の大事な人員だ 一分一秒でも早くアイツらを捕まえインペルダウンへぶち込んでやる。

そんな事をガープ中将をはじめとする捜索部隊の面々は思っていた




「コビー……お前どこにいるんだよ……」








所変わって革命軍アジト

帰り道で見つけた人間を連れて帰ってきたサボはその足でドラゴンの所に向かい、コアラを呼んでもらった 服は辛うじて着ていたがワノ国で親しまれている浴衣だが着物だがというものだったのだが所々はだけているので自分の上着をかけていた。 

「ドラゴンさん只今戻りました 帰り途中に連絡したんですがコアラいますか」

「あぁ」

「おかえり、もういるよ!」

「助かる この子頼む 傷だらけで凄いんだ」

そう言いながら渡そうとした時のコアラの言葉にできない顔は凄かったしドラゴンも言葉を失った

「嘘でしょ…………傷だらけのレベルじゃないわよてか待って」

「何だよ」

「この子 男」







「はぁ?!?!!?」

「ちょっと声大きいでしょ起きちゃうでしょ!!」

「悪い…これ着てるからてっきり女かと……」

「だからね、サボくん ここで性別の事出すのはダメだと思うけど  私に男の人の体洗わせていいの?この子も起きて女の人に身体洗われたって知ったら恥ずかしすぎていやでしょ」



そんなやり取りがあり結局サボがこの連れて帰ってきた子の体を綺麗にすることになったのだ。



なったのだが


「マジで何なんだよこの跡の数……」

そう、コビーについてる傷跡が凄いのだ 鬱血跡傷跡噛み跡縛り跡意味は知らないが太ももに書かれた大量の正の字etc…………………

今まで様々な傷も見てきたし実際サボ自身にも顔に火傷がある だがこの数は尋常ではない。

「一体何されてきたんだよこの子……無事に起きればいいけど」



そうして無事に身体を洗い服を着せ医療設備が比較的整っている部屋でサボはコビーを寝させている

「なぁコアラ」

「何」

「なんかこの子どこかで見たことある気がするんだけど気のせいか?」

「んーーーピンクの髪の毛の子なんてこの世にごまんといるからね………とりあえずドラゴンさんに私から報告してくるからサボくんはこの子見てて」

「助かる」

そうしてコアラはドラゴンの所へ向かった





この子はどうしてあそこで倒れてたのだろう

いや以前に何故あんな傷だらけで?

まさか天竜人から逃げてきた?

いやあの焼印はどこにもなかった

じゃあ海賊から?どの?


そんな事を悶々と考えてると寝ているはずの患者、コビーの体が動いた

「………?」

コビーは起きて間もなくまた頭が上手く働いてなかったのだろう そして目の前にいたサボの髪色が金髪だった それが良くなかった



「………へるめっぽさん??」





「…………残念ながら不正解だ」







コビーは意味がわからなかった

いつものように黒ひげに誘拐され いや当人の間以外では絶対に絶対にバレてはいけないバレたら即刻インペルダウン行きの逢瀬なのだが

そこでいつものように抱き潰されそこまでは記憶がある なんなら








「なぁ!!まだやれるだろコビー!!いつもまだここでおちねえもんなァ!!!」

「やぁ、らめぇ…っもうやだ……っ!!!」

「あぁ何言ってんだ?お前も好きだろ」

「やら゛ああ゛っ♡♡お゛っ、ん゛んっ!!ひっ♡♡♡イ、くッ♡♡♡イッちゃ、あ゛あッ♡♡や゛ッイッ…ッッ♡♡♡♡」

「ゼハハハハ!!お前は俺にぶち込まれて喜んでる!俺はお前とやれていい!!それでいいじゃねぇか!!」

「あ゛ああァっ!!!♡♡まッ…ま゛ッて゛え゛ッ♡♡♡キち゛ゃう゛う゛ッ♡♡♡」


だなんてこちらが気を失うまでやってた







だから余計分からなかった 目の前にいる人は?ヘルメッポさんじゃない? じゃあ誰?てかここは何処だ?海軍の船では無い??

そんな事を起きたての頭で必死に考えていた 


「あ、あの、その」

もう普段のコビーならありえないが動揺しすぎて泣きそうになったが目の前にいた男が説明してくれた

ここは革命軍のアジトであるということ

遠く離れた島で傷だらけで倒れてたこと

それを発見した為一時的に保護した事

傷の手当のために男が身体の洗浄を行った事

帰る所があれば返す意思はあるということ


それを聞いて安心したと同時に一気に不安がおしよせてきた なんせ革命軍 革命軍に保護されただなんてどう言い訳すれば ひとまずお礼はしなければ

「あの…助けてくださってありがとうございます」

「僕は海賊に乱暴されて逃げてきたんです」

「帰る場所はありますがここから距離が離れています」

「なので 身体が動くようになったらすぐ出ます」

嘘でもないがホントでもない そんな事をコビーは目の前にいる男に伝えた

「お前 名前は」

どうしよう 素直に言えばいいのか でも 




そんな時一人の女性が入ってきた

「サボくん!!その子!!」

「あぁコアラちょうどいい今起きたところだ」

「海軍本部のコビー大佐!!!あのロッキーポート事件の英雄!!!」





サボは再びフリーズした

目の前にいる男があのロッキーポート事件で民衆を救った英雄のコビー大佐??

「おい」

「…………はい」

「今のは事実か」

さっきまでの声が嘘かのように低くなり目の前にいる人間に問いかけた

「…………英雄とは思ってはいませんが 僕は確かに海軍本部所属コビー 階級は大佐 そちらの女性が調べたことは概ね事実です」

「なぜあそこに倒れてた」

「分かりません」

「分からない?」

「救って頂いたのでお話しますが僕は数週間前黒ひげことマーシャル・D・ティーチとその海賊団に拉致されこの傷が証拠ですが性暴力を受けました」

「縛られ噛まれ傷つけられ眠ることも出来ず気を失うまでヤリ回されそんな生活が数週間たった頃いつものように暴力的な行為が行われ、気を失い目が覚めてらここにいたんです」

後ろにいるコアラは苦虫を噛み潰したような泣きそうな顔をしていた


「さっき逃げてきたって言うのは」

「正体も分からずに全て正確にお話する訳には行かなかったので、」



目の前のコビー大佐の言うことはおそらくホントのことだろう 傷の痕と起きた時の意識混濁からみて

「改めてこの度は救助して下さりありがとうございます。 身体が動くようになったらすぐここを出ます」

と言ってはいるが着ていた服はおそらく黒ひげに無理矢理着せられた物な為こちらで破棄したし(そもそも白いものが大量に着いていた)  この国の周辺に海軍基地は見当たらない どうやって帰るつもりだ  

電伝虫でここまで海軍の船を呼ばれたらそれこそ大問題だ いやこの大佐に限ってそんなことはしないと思うが………  


とそんな時ふとコビーが起きた時のことを思い出したく



「お前がさっきおれと見間違えたヘルメッポというのは誰だ」

「………僕の副官です」

「信頼出来るやつか」

「はい」

その目に嘘は一切なかった




「ちょっと待ってろ」






ブルルルル ブルルルル

「中将!!」

「なんだ!!コビーが見つかったのか!!」

「いえその電話があり今すぐガープ中将に繋いで欲しいという」

「なんじゃそんなものほっとけ!!」

「いえですが電話の相手が   革命軍と名乗るんです」





緊張が走った  何故 革命軍が 

全員が電伝虫から発せられる言葉に緊張した

「もしもし」

「あー海軍の皆様こんにちは」

「御託は言いさっさと用件を話せ」

「………そちらが今必死に探している海軍本部所属コビー大佐を今訳あってこちらで保護している 本人は身体が動き次第帰る意思があるとの事で医務室で療養している」



今なんて言った?

革命軍がコビー大佐を保護している?

我々が必死に寝る時間さえ削って探している大事なコビー大佐を  ガープ中将からしたら雑用の時から見てきたエースとルフィとは違うが息子に近いような存在のコビーを革命軍が保護している?あのドラゴンがいるところにか?



「………話を続けてもいいか?」

「あぁ」

「こちらとしては本人が帰る意思があるため療養が終え次第返す意思はあるが近くに海軍基地も無い   またわざわざ1人迎えに来るのに艦隊出されたらたまったもんじゃない そして何より今回は戦うつもりもない  あくまで保護したコビー大佐の引渡しだ」


「そこでこちらが指定する人間1人でとある無人島まで迎えに来てもってもいいか」


「そんなもの信じろと」


「こちらは今回1発やる気は無い  ただ一人迎えに来てくれればいい 半径数キロ離れたところに船はいていいが保護した条件で今回は見逃して欲しい」


緊張が走る どうする

「…………わかった 条件を飲む それで誰を迎えによこせばいい」

「あぁ 信頼出来る副官と言っていたな」


まさか


そうして男の口から聞かされた男の名前はそこにいた全員及び当の本人でさえ察してしまった




「ヘルメッポ少佐」






数日後

ヘルメッポはとある無人島に一人でいた

あの後革命軍から電伝虫越しに名前を呼ばれ「お前が1人でコビー大佐を迎えに来い」と指名を受けた

あの後大将や元帥達から革命軍との関係を疑われ荒れたのだが無事に疑惑晴れこうやってコビーを迎えに来ている 疑惑も何も無いのだが

と言っても数キロ離れたところには中将の船がいるし 戦うつもりは無いとは言ってるが……… 

「コビー………」

そんな事を思ってると離れたところから船が見えた

誰かいる

思わずククリ刀に手をかけた

だがその隣に座っている人を見て思わず叫んだ





「コビー!!!!」

いた

やっと会えた

あの時黒ひげが現れてあと数センチのところで間に合わず、後悔にかられ睡眠も食事も全く取れない日々が続き まるで闇の中をずっと走ってるような感覚

その感覚が今取れた

頭に着けてたバンダナは黒ひげのところに落としたのだろう  服装も海軍の制服ではなく与えられたジーパンとTシャツだが眼鏡はある あればコビーだ 見間違えるはずがねぇ


だから求めるように叫んだ

早く 早く確かめたい 確かめるまでもないがその姿は

上司で親友で相棒で常に隣にいたあいつを早く抱きしめたい



そうしてるうちに船は無人島に着いた

ヘルメッポは歩いた 男は船の上にいてコビーに何か言って降りるよう指示している コビーが降りてきた こっちに来た ゆっくりとだが歩いてきた だからヘルメッポも歩いて向かったが知らずのうちに走っていたのだろう 息が切れていた そうしてコビーが目の前に来た瞬間引き寄せて抱きしめた


「馬鹿」

「うん ごめん」

「心配したんだぞ」

「ごめんね」

「無事でよかった」

「ほんとに、ほんとに無事で良かった」

「うん」



そうしてしばらくコビーを抱きしめた後に船に乗っていた革命軍の男がこちら側に向かってきた

敵意は無いことは証明するためにククリ刀は一時的に身から離した


「この度は大佐の保護と療養をして下さり海軍を代表して感謝します」

「あぁ あくまで今回は帰り道にたまたま乱暴されていて棄てられていた 一市民を保護したって事になるからな それが海軍の人間だったってだけだ」

「……………………」

「そこで抱きしめられている本人にも聞けば分かるが今回は保護と療養としかしてない そちらの情報は何も一切聞いていない 連絡手段で繋いだ時の電伝虫の番号はコビー大佐に打ち込んでもらった 俺達は誰一人見ていない」

「とりあえずその処遇については俺は何も言えない 上が判断することだ」

「そうか」

男は笑った

「とにかく元の場所に戻れてよかった 完全な治療は出来てないからあとはそっちでやってくれ」

「いわれなくてもそうするよ」


そうして男は帰ろうとしていく その時コビーが男を呼んだ

「っあの!!サボさん!!」

「ん」

「この度は!この度本当にありがとうございました!!何もお返しできてないけどいつか、いつか会えた時にちゃんとお礼をさせてさせてください!」

「手当をしてくださったあの女性にもよろしくお伝えください」

そう言ってあいつは革命軍の男にお辞儀をした

そういう所が民衆から慕われるんだよなぁ……

ってかあいつの名前サボって言うのか

いいや今は関係ねぇ 俺は何も聞かなかった

そう結論づけた




「お礼なんていいよ  君が無事に帰れれば、それよりもう心配かけたりするなよその副官に」





そう言ってあいつは帰る体制に入った、だが俺は聞かなきゃならないことが一つだけある どうせ見聞色で聞かれるだろうがコビーの耳を塞ぐ


「なぁ、一つだけ質問いいか」

「なんだ?」

「発見された時……こいつはどこにいた」

そう聞くと男は顔を伏せて静かにこう言った



「××島の森に大量に赤と白の彼岸花が咲く花畑の中で傷だらけで縛られて倒れてたよ」


そう言い残して男は帰っていった 

条件通り男の帰る船には一切手を出さなかったし追跡もしなかった 中将も恐らくしてないだろう





アイツらがコビーを捨てる時何かしらの合図か置かれる彼岸花……その花畑……悪趣味すぎて反吐が出る 誰がお前ら海賊にコビーを渡すか


「……コビー」

「なんでしょう」

「もう1回抱きしめていいか」

「心配性ですねヘルメッポさんは」

とか言いながらこいつは否定しないから抱きしめた

もう絶対 絶対離したくない そんなことを思いながら 中将の船が来るまでコビーの事をずっと抱きしめてた













ヘルメッポさん

ごめんね心配かけて

でももっとごめんね

 僕はもう君の知ってる清く正しい「コビー大佐」では無いんだ






「ッぁ゙あ゙ッッ♡♡♡」

「コビー大佐もう終わりか?!そんな訳ねえよなァ?!」

「おくッや゛めてぇ!!ふか、あ゛ぁ ッふかいィッ」

「あぁ?こんな膨れ上がった胸と尻してなにいってんだまだ何回もイけるだろ!!」

「ああァっ!!!♡♡イ、くッ……イッちゃ、あ゛あッ♡♡ や゛ッイッ…ッッ!!」 

「ゼハハハハ!!もっと!もっと!楽しもうなァ!!」

「っうん♡…ああ゛っあ、!!♡♡やめっ…いっちゃ、♡」








海軍大佐であると同時にこの雄の匂いがたっぷりついた服とベットの上で毎度黒ひげに酷く凌辱されてるこの感覚 

もう清らかなあの頃にはきっと戻れない

そんな罪悪感と背徳感に挟まれて僕はヘルメッポさんに海軍の船が来るまで抱きしめられてる 







本当  ごめんね






そう思いながらコビーはこの謝罪が何に対してのものか自分の心に問いかけながらどこか定まらない目でヘルメッポと共に迎えの船を待っていた



Report Page