例のオーディションネタの🏔×🍞

例のオーディションネタの🏔×🍞


🏔は🍞には素直なままでいてほしいなーと思ってると思う。







「ねえねえ砂組のみんなにもお願いあるんだけどさ〜アイドルホースオーディション、マルシュ先輩に投票してくんない?ラヴズ先輩にガチめにおど……えっと〜お願いされてんだよね」

「組織票の香りがする」

「マルシュさん……最後の勇姿、可憐な後ろ姿今でも目に焼き付いてます…😭」

「先着されてたもんなお前」

「枠余ってたらでいいんだけどさ、ラヴズ先輩がどうしてもマルシュ先輩ほしいんだって〜!本物が近くにいるくせにさ」

「ふぅーん…」

それまで静観していたウシュバがパンサの目の前に腰を下ろす。

「パンサ、パンサ。それで?」

「えっ」

パンサの顎をその大きな手に乗せて少し強引に自分に向かせ、鼻先が触れるのではないかというほどに極上の笑顔を近づけてきた。

「う、ウシュ?」

「俺の名前は?入れてくれないの?」

「ひえぇ……………入れ、ます………」

顔近い近い近いってええ!パンサの心の中の叫びが聞こえたのか、パッと手を離すウシュバ。

小さい頃には傍にいたのに、今はこの顔が近くにあるのが全然慣れない。

「そ、ありがと。まあでも俺、秋には自分で要件満たす予定だから入れなくてもいいけどね〜」

ケインズとハリオに振り返った顔は既にいたずらっ子のような笑みに変わっている。

「どっちだよ」

「その自信がムカつく…」

「他のひとの名前ばっか出されるとなんかね〜。とは言えマルシュさんは俺達の先駆け的存在だし投票するのは吝かではない」

だから安心してね、とパンサの額をつんと突く。

「俺だって中央でもう1勝すれば自力で…!」

「俺だって………あれっ?俺、リーチかかってないもしかして…?」

「ダート馬ハードル高くない?」

「高〜い!」

もうそっちの3人は3人でケラケラ笑っている。

パンサはドキドキと早くなる鼓動を抑えるように、スマホで一文字一文字丁寧に文字を打つ。

ウ・シ・ュ・バ・テ・ソ・ー・ロ

ウシュはずるいよな。絶対俺のことからかって面白がってんじゃん。俺やられっぱなしでかっこ悪いじゃん!

むくれるパンサの頬をつんつんとつつくウシュバ。

「パンサ。パンサは俺のぬいぐるみほしい?」

「う〜、ほしいよ〜!ウシュ〜俺のためにぬいぐるみにゃってよ〜」

噛んだよ〜俺締まらないよ〜。

「素直だなーパンサは。ご褒美に俺のぬいぐるみあげる。そのうち」

「びゃ〜!!!!!」

「騒がしいなーお前らは」

お前のためにぬいぐるみになる、とは言ってくれない。そういうところがずるくて、余裕があって、えーとえーと、なんか………好き!!!!!あと顔も好き……。ぬいぐるみあったら絶対抱きしめてやるー!

厩舎の先輩の気持ちが少しわかった気がしたパンサだった。

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