例えばこんな初夜
眠らない町 歌舞伎町。そんな町にそびえるホテルの一室で出雲阿国は、
(どどど・・・どうしてこんな状況にぃーーーーーーー!!)
1人悶えていた。斬ザブローは部屋の外にいる(電源OFF)。
先述の通り今回の舞台は歌舞伎町。微小特異点修復のために赴いた藤丸立香と出雲阿国。
修復自体はあっさり終わったのだが、藤丸がせっかくだから1泊していこうと提案したのだ。
適当なホテルを見つけ入ったはいいが、そこは完全にアレなホテル。阿国にとっては未知の世界だった。
(何でマスター様は動揺してないんですかー!?阿国さんはこんなとこ初めてなんですよーーーっ!)
この女、確かに色仕掛けや男の悦ばせ方は分かっているつもりだが、あくまで「自分から誘う側」の時のシチュエーションしか想定していない。
まさか年下の藤丸から誘ってくる(気がする)状況に完全に舞い上がっていたのだ。
「しかし色んな物が置いてありますねぇ。あっ、テレビでも点けて気を紛らわしましょう。ピッピっと・・・」
『あぁん❤イッちゃう❤妾の中にマスターの』ピッ『んっ❤申し訳ありませんシグル』ピッ『あぁっ❤主に捧げるはずの身体が「阿国さーん、シャワー空いたよー」
「うにゃああああああああああああああーーーーーーーー!!!(グシャア)」
「おっ、阿国さん?どうしたのテレビ消してリモコン投げちゃって」
「ななななんでもありません!シャワー浴びてきますね」
阿国は目にも止まらぬ速さでシャワー室に消えた。
(あービックリした。思えば今までこうやって人を好きになったのは初めてですね。いつも別の思惑があった気がします。)
(こうなったらこの阿国さんっ!培った全てを使ってマスター様と夜の付き合いを完璧にこなしてみせますよ!)
火照った体を乾かし、部屋に戻った阿国。しかしそこにいたのは・・・
「すぅ・・・ZZZ」
完全に疲れに負けて寝ている藤丸だった。
(畜生おおおおおお!何でこんなにタイミングが悪いんですかーー!)
悶々としたまま藤丸の隣に寝る阿国。
(うぅ・・・何で素直に寝ちゃうんですかぁ。自分で言うのもなんですけど、阿国さんだって結構魅力的なんですよ。少しくらい邪な気持ちになってくれても)
こっそり起き上がり藤丸の寝顔を見つめる。
(綺麗な寝顔。ちょっとくらいなら)
キスをするように顔を近づける。
(いやいや駄目ですよそんなこと。こうゆうのはもっとムードが大事です。)
ムッツリの癖に肝心なところでヘタレな女だった。再び寝ようとベッドに戻ると、
「あれ?ちょっと期待したんだけどなぁ」
「エッ!・・・えーっと、お聞きしますけど、もしかしてずっと起きてました?」
「いや、ちょっと寝かけたけど阿国さんが俺を見てたのは分かったよ」
「あぁ~そうだったんですね。じゃあ改めまして」
起き上がる2人。
「マスター様、阿国さんはマスター様が好きです。阿国さんをどうか抱い(ガバッ)ウエェェ」
「俺もだよ阿国さん。離したくない、ずっと抱き締めていたいよ」
「(ふにゃぁ~❤)マスター様それは流石に」
「その、俺のことさ・・・名前で呼んでもらうって駄目かな?」
「何だそんなことですか。オールOKですよ、立香様❤」チュウ❤
流れに任せてキスをする2人。口を離すと2人の間に唾液が糸を引く。
「あぁっ❤立香様❤好きですっ❤愛してますっ❤阿国さんは立香様だけの女ですぅ❤」
2人の営みは朝まで続いた。
~(後日)~
「こんな感じでしたよ(ウットリ)。阿国さんと旦那様❤、もとい立香様との馴れ初めは」
(病弱人斬り)「コハァッ」(吐血)
(とある女王)「ねえ、もしかしてアタシ達完全に置いてかれた?」
(二代目女王)「ま、まだですよ!未来さんだって妻1人じゃ物足りないでしょうし」
「阿国さんの前でそうゆうこと言うの止めて下さい!確かに他にも女性関係はあるようですけど」
(そういやあのホテルで見た映像に映ってた方々、どっかで見たような・・・)