何も返してくれないとは分かっていた。

何も返してくれないとは分かっていた。


昔、酔った百王子から聞いた事がある。


「俺らって悪魔なんだぜアシュヴァッターマン」

「はあ?」

「だから悪魔だよ悪魔ー」

「そうそう悪魔!それもカリだ!」

「いや……どう見たって人間だが」

「本当に悪魔だってー!」

「父上も母上もユユツもアイツらも全然信じてくれないんだもんなー!信じてくれたのはカルナだけだぜ!」

「まあ仕方ないかー見た目人間だしなー」

「生まれた時は肉塊だったらしいけどな」

「生まれた時肉塊だったの見たのになんで俺らが人間じゃないって言っても理解してくれないのかな父上たち」

「さあ?人間わからん」

「ホントそれ。でも少なくとも半神のアイツらは信じてくれても良くない?」

「アイツらにそこら辺期待してもダメだろ」

「それもそうだなー」

「お前は信じてくれるよなアシュヴァッターマン?」

「……まあ分かった。信じる」

「納得はしてないけど了解はしてくれる。お前ってやっぱ優しい良い子だよなーアシュヴァッターマン。今度なんか奢ってやろう」

「子ども扱いはやめてくれ……」

「そう言うなって。仮に俺たちが役目を果たさなくてはならなくなった時……我ら百王子はお前を傷つけないよ」


音がして目が覚めた。

「……帰ったのかドゥリーヨダナの旦那」

俺はそうドゥリーヨダナに……ドゥリーヨダナだった悪魔に話しかける。

何も返してくれないとは分かっていた。

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