体育祭に行こう
「良い⁈ぜっっったい!バレないようにしてね?来てくれるのは凄く嬉しいし、むしろ来て欲しいけど!」
「「分かってるよ/分かったよ!」」
心配だ。今日は私達の通う高校の体育祭。珍しくフリルもみなみちゃんも友達全員揃っての参加で、お兄ちゃんもフリー。
私も社長とミヤコさんに無茶言って空けて貰った。
例年、学校行事にはパパかミヤコさん、たまに変装したママが来てくれている。
今年は結婚済で子どもがいることを明らかにしたから2人とも以前の正体を隠したり、身バレを防ぐ振る舞いがどこに行ったのかあっさりした変装に変わっていった。
町を2人で歩いたり買い物していも、堂々としてるから逆に声掛け辛い…な感じで気にしていない。
そんな様子だから前日から明日の私達の体育祭を観に行く準備をしている2人が不安でしかない。
(街中は良いけど、学校だとなぁ…きっとミーハーな子達が食い付くよ…)
まあ、散々言って聞かしたから大丈夫だよね!
東陽高校 校庭
「「ルビー!アクアー!!がんばれーー!!」」
「あははは…バレバレー…!」
サングラスだけつけた美男美女がお手製うちわをフリフリしながら私達兄妹の応援していた。
私は諦めて手を振ると2人は嬉しいのか更にフリフリしてきゃーきゃー言っていた。
子どもか。
お兄ちゃんはどんな反応しているのかな?
「…星野、呼ばれてるぞ?手を振ってあげたら?」
「……察してくれよ」
顔真っ赤にして両手で顔を覆って恥ずかしがっていた。可愛い。
「ご両親めちゃくちゃ喜んどるなー?頑張らなアカンのちゃう?」
「ヒカルさんとアイさん、2人揃うと私の視力が上がりすぎて天体観測出来そう…ありがとうルビー。2人の娘として生まれてきて」
兄の様子を見て愉しんでいたら後ろからみなみちゃんとフリルが声を掛けて来た。
…フリルは相変わらず愉快なこと言いながら私を拝み出したけどとりあえずスルーしよう。
「あははは…ようやく堂々と家族、て言えるのが嬉しいみたい…私も嬉しいし、お兄ちゃんも嬉しいから恥ずかしがってる感じかな」
「「なるほど…」」
2人は顔を赤くしながら同級生達から揶揄い半分同情半分で慰められているアクアを見て我が意を得たり、な顔で頷いていた。
パパとママが観に来ているなら私の頑張ってる姿見せなきゃね!
私達兄妹の両親完バレ状態の体育祭が幕を開けた。
※なおカミキ夫妻が普通に子どもの学校行事に参加していた、は夕方のバラエティーに取り上げられて当人達もインタビューされました