似てるようで似てないっていいよね
閲覧注意!!
ドドド趣味です
あるカプ↓
キングカメハメハ×アドマイヤグルーヴ
ドゥラメンテ×マリアライト
誰も来ないだろうという平日の朝とも昼とも言い難い十時半。雨も強くなっていてこれでは本当に誰も来ないな、と油断してステイゴールドはタバコを吸っていた。
そんな時開いたドアから見えた綺麗なストレートのロングヘアと、綺麗ではあるのだがどこかキツさの伺える瞳。到底こんな場所には似つかわしくないお嬢様らしさ。……いいや、本物のお嬢様だった。
「泊まりでお願い」
「君が言うんだそれ……」
後から入ってきた男がそのお嬢様、もといアドマイヤグルーヴに返事を返す。おそらくはその一本しか無い傘の水をできるだけ落としていたのだろう。
「部屋は?」
「ドギツイのにしよう。見て、拘束具SMグッズエトセトラだって」
「殴っていいかしら」
「冗談です。あ〜……ここでよろしく、ステゴ先輩?」
キングカメハメハはにっこりと人のいい笑みを見せた。
「その呼び方やめろや」
場末のラブホテルにゃ相応しくねえな、とか、そも現役期間俺と被ってないだろ、とか色々思いながら鍵を渡したことを覚えている。
*
スーパームーンの季節でも無いのに大きな満月が出ている夜だった。開いたドアから見えたのは、これまた長い髪の女と、その女に半ばしがみつくようにした……顔も赤いので少し酔っているらしい男。
「………休け」「泊まりで」
やはりこういうホテルに慣れていないらしい品のいい女は宝石のような瞳をうろうろとさせ、迷った末に言葉を出した。しかしそれは彼女の腕を支えにしている男が出した声に遮られる。
「……はあ。どこにするんですの」
マリアライトはため息をついて、ドゥラメンテの体を起こした。口元を手で拭って、赤い視線を彷徨わせたドゥラメンテが「ここで」と部屋を指さした……のを無理やり彼女が折った。流石に骨はいっていないだろうが結構な勢いだった。
「バッ……カじゃありませんの?」
おう……とステイゴールドは同情した。どちらにも。そりゃあお嬢様に鏡部屋はハードル高ぇし、にしても結構ギュッと行ったなとか思ったり。
「普通の……ああ、お風呂とベッドが大きい部屋をお願いします。値段は空いている中で高いものを」
「ああ。……連れは大丈夫か」
「知りませんわ。意外とヘタレなんですの。酒に頼らなければ口実も上手く作れないバカなひと。………部屋で吐いたら片付けますわ」
「……っ、……っ……」
未だ痛みに悶えているらしいドゥラメンテを見やって、いやこれ吐くより泣くんじゃねぇの、と思いながら鍵を渡した。
「素面の時ならああいう部屋も考えないであげないこともありませんから。早く素直になりなさいまし。先輩も同期も後輩も泣くわよ」
「は、い゙……」
うわこれ相当尻に敷かれてる。
まあそれはともかくと気を取り直して、男の方の父母と似ているようで様相が違う会話をして行った恋人たちの足音が遠くなるのを聞いていた。