会話 陸

会話 陸


「なぁ、餓者髑髏。どうしてお前は幼い頃から僕の近くにいるんだ?」


《居るも何も貴様が寄って来たのだろうが。》


「え?...そんな筈はありませんが、あ、れ?」


《...何も知らぬ貴様が部屋に入り込んだ処から、吾と貴様の縁が続いたのであろうが》


「...あぁ、そうだった。うん、そう。逃げ惑っていて、それで逃げ込んだ部屋に餓者髑髏がいたんでした。」


《遂に呆けたか。》


「まだそんな歳じゃないってば。でも、ずっと長い付き合いでしたね...思えば黄昏の良い道だったな」


《そうさな。貴様はそうだった。》


「...よく遊びましたね、貴方とは。何故遊んでくれたんですか?」


《何。只の暇事他ならん。》


「そっか...。じゃあ、そろそろ村に行くか?」


《否、行っても意味が無かろう。既に侵食されたあの村に貴様の求む物は無い。》


「そうなんですか?」


《左様。抑恐神の者は疾うに逃げておる。》


「えぇ...また振り出しですか。折角お前の事が知れると思ったんですが...。」


《まぁ気を落とすな。未だ時は長い。此処は肉を喰らって腹を満たすとしよう。》


「お腹空いただけじゃん...」




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