会話 弐

会話 弐

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《時に零士よ、貴様はもしその“御三方”とやらが去ねば如何するのだ


「...御三方が?」


《人間の寿命は早い。永遠を生きる吾が見る限り、人間は負を抱いて死ぬ。そして、其れは呪術師であれば殊更》


「...御三方は、任務で死ぬ事はない。」


《カカッ、見事なまでの盲信よ。啓蒙も過ぎれば身を滅ぼすぞ。否、もうしていたか》


「煩い。後悔はしていないぞ」


《笑わせる。貴様の望む其の者等の生存の裏には、死への恐怖が隠れている事等気付かない吾では無い。零士よ、貴様が結んだ契りは呆気なく来る》


「でも、あの方々はそれを乗り越えた。少なくとも、悲嘆に暮れる事なく生を結んだ」


《...若しや、あの者の事を云っておるのか。》


「あぁそうだよ、あの人だよ。あの人はそれが荊の道でも進んで見せた、生きてみせた」


《...下らんな。使役の術を教えられたからと其処までして望むか、其の者の生を》


「望むさ!あの人がいなかったら、今お前と堂々と話すことすらしていないのだから!」


《...左様、否定はせん。其れ故に貴様は提言したのか。


貴様が死んだ後、其の者に吾を支配する権限を委ねたのか。


「...あぁそうさ、あの人ならやってくれる。そして、あの人もそれを理解している。操る重みを、使役する力の覚悟を...!」


《カカカッ、見れば見るほど恐神の人間とは思えんなぁ、零士。しかしまぁ、良かろう。あの者に使われる未来も悪くはなかろうな。》


「...珍しいな、お前がそこまで言うなんて」


《“珍しい”?吾は惜しんでいるだけだ。吾が認めた術式の価値を。吾に潰される術式を。》


「でもあの人の強さは変わらない。変わるはずがない。」


《...左様。ならばこの話は疾うに終いだ。昼餉としよう。本来であればあの者から人間をくすねて喰うつもりだが、鶏を買ってこい》


「言われなくとも。...あの人は、自分のために死ぬ事はない。お前のためにも、な」


《分かった分かった、疾う疾う》


「焦がしてお前の前に出してやるからな!!!」










【追記事項】


恐神家の人間の命であれば、『特級仮想怨霊 餓者髑髏』の使用権限を譲る事も可能。

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