仲間がいない状況でヤクザに捕まったぐだ子が薬漬けにされてヤクザの愛人に堕ちる話

仲間がいない状況でヤクザに捕まったぐだ子が薬漬けにされてヤクザの愛人に堕ちる話



・シリアス重視気味

・ご都合主義多め

・濡れ場ってマジで難しくない?

・だいぶインモラルめです。胎児を蔑ろにするような描写があります

・カドック復活後

・芝浦という名前のヤクザが出張ります









日本の東京にある特異点に存在する、とある反社会勢力​───芝浦組。

そんな芝浦組の組長・芝浦強の邸宅兼組事務所に、


「う、ぐ……」


藤丸立香は縄で縛られた状態で壁に寄りかかり座らされていた。

理由は単純明快で、彼女の身の回りにサーヴァントがいない状態で敵に襲われてしまったからだ。

立香もカルデアで様々なサーヴァントから学んだ護身術や手技を駆使してその場を切り抜けようとしたものの、大の男複数人に囲まれてしまってはどうすることもできない。

彼女を襲ったのは芝浦組のヤクザだった。


「こいつ、俺らと闘うって言ってくるモンだからどんなものかと思いましたけど案外普通の女でしたね。芝浦の親父」


組員の男が立香の顎をくい、と持ち上げそう宣う。組長の苗字が『芝浦』であることを立香は知ったが、それと同時に不快感を隠しきれない表情で組員の男を睨みつけた。


「ああ。本当に馬鹿なガキだよなぁ、ヤクザに刃向かうなんて宣うもんじゃないぜ?嬢ちゃんよ」


組長の芝浦が言う。

そして彼は組員を退かせ立香に近づき、舐め回すように立香の身体を見始めた。


(……殺されるか、人質にされるか……)


どちらにせよ、立香としては最悪の状況に陥ってしまった。

殺されるなんてことがあっては自分の為にも仲間達の為にもならない。今は代理のマスターになれるカドックがカルデアにはいるが、それでもカドックに負担がいってしまう。

人質にされるのも最悪だ。現金ならまだいい。もし彼らがカルデアを知っていて、カルデアにとって大切なものを要求されたりなどしたら?ペーパームーンを要求された時と同じ状況になってしまう。

残念だが、今自分に残されたものは何もない。極地用カルデア制服では敵に干渉することは出来ない。


(どうしよう……令呪も何も無いし、助けが来るのを待つしかないのかな?)


そんな立香をじろじろと見ていた芝浦が、


「よく見りゃ嬢ちゃん、イイ身体してんじゃねえか」


と、立香の前でニィと笑った。

その意味が分からない立香ではなかった。先程までとはまた別の恐怖が立香を襲う。

つまりこれは、立香が芝浦に抱かれてしまうかもしれないということだ。

カルデアに来る前、一度だけ立香に恋人がいた時があった。しかしその恋人とは行為をする前に別れてしまった。故に今の立香は性行為をしたことがない処女なのだ。

立香は、好きな人に操を捧げたかった。


芝浦は立香の身体を拘束する縄を解き、手首を立香の頭の上でを縛り、床に仰向けに寝かせた。足首の縄はそのまま。そして立香の服を脱がせるどころか破き始め、遂には立香を生まれたままの姿にしてしまった。


「や、嫌だ……やめて、それだけは」


恐怖にがくがくと震える立香。芝浦はベルトを外してズボンを脱ぎ、既に膨らんでいるボクサーパンツをもずり下ろした。

芝浦の男根は魔羅と呼ぶに相応しい、立派なものだった。これを大して濡れてもいない立香の肉壺に挿れられては、立香を襲う痛みは計り知れないものになるだろう。

小さな頃に見た父親のものや、一部男性サーヴァントのものしか知らない立香はひどく怯えた。立香が今まで見てきたそれは立香に害をなそうとしないものだったのに、今見ているそれは間違いなく立香への悪意があった。

立香の息が荒くなる。恐怖で声が出なくなる。

芝浦は立香の足首の縄を解いてから両膝を持ち上げ、股を開かせた。

その股の間に柴崎の下半身が入る。

芝浦の亀頭が立香の秘部の入口にあてられる。


(あ……)


そしてそのまま、ヂュドン!と粘性をまとった大きな音を立て、芝浦の魔羅が立香の肉壺の奥まで無理矢理入り込んだ。


(……え?)


無理、不可能、有り得ない、としか言いようがない痛み。故に一瞬、立香は己を襲う痛みを知覚出来なかった。それを出来てしまえば当然​────


「が、あ​───ッ!!」

(痛い痛い痛い痛い!!!!)


絶叫したいのに声が出ない。立香は頭をブンブンと横に振り、涙を流し始めた。

立香に構わず芝浦は鬼畜なピストンをし続ける。今の立香は芝浦のオナホールに過ぎない。どれだけ酷く扱おうと所詮壊れるだけの玩具。壊れてしまえばまた同じものを買えばいい。その為の財力や権力なら、芝浦は充分過ぎるほど手に入れていた。




芝浦が無理やりな抽挿を始めてから10分ほどが経過した。無限にも思えてしまうような苦痛を立香は味わわされ続け、瞳からは絶えず涙が零れる。

しかし立香は幸いにも、これまでの特異点修復や異聞帯切除の旅によって身体が痛みに耐えうる頑丈な身体になっていた。

際限なく続く最大限の痛み。普通の人間ならばショック死してしまうような10分間の痛みの中、立香は未だ意識をはっきりとさせていた。


​────丈夫に、なってしまっていた。

だから立香は序盤で壊れることが出来なかった。芝浦が今まで性処理に使ってきた女はみなこの時点まで耐えられなかったのに、立香だけはまだ気を失わず苦痛をその顔に滲ませ続けている。


「おお……なかなか保つじゃねえか」

「芝浦の親父にここまでされて意識失わねえとかすげえ丈夫だなアンタ」


嬉しくもない賛辞を飛ばされ、苦痛と不快とが綯い交ぜになった表情になる立香。

しかしこの後の一言が、立香を絶望へと突き落とす切っ掛けとなる。


「​────じゃ、せっかくだしコイツ打っちまいますか?したらもしかすると親父の愛人として使える女になるんじゃないすかね」


組員の男が言った。

無限の痛みの中、立香の耳はその言葉を捉えてしまう。


(打つ……って、何……?)


悪寒がする。立香は顔を真っ青にした。


「そうだなぁ。打っちまうか、すげえ濃いヤツ」


芝浦の肯定。

そして組員の男が出してきたのは、注射器だった。

その正体がろくでもないものであることは、立香にも理解出来ていた。


「……ゃ……ぁ……」


やめてと訴えたいのに声が出ない。立香は今まで覚えた恐怖とはまた別の恐怖を覚えている。


「はーい、ちょっとチクッとするよー」


組員の男は立香の腕を掴み、針を刺すと​────注射器の中身を押し出した。



「………………あ???♡♡♡♡」



立香の脳が、快楽に塗り替えられた。

先程まで感じていた痛みもどこへやら、あまりにも強すぎる薬は立香の思考を全て快にすげ替える。

それに伴い、立香も声を出せるようになった。


「ええ、なにこれぇ、なんでぇ♡♡ああ、やば、やばっ♡おまんこへんだよぉ♡♡いたかった、のにぃ♡♡いま、いっぱいきもちいのっ♡♡」


蕩けた声で快感を訴える立香。その様子を見た芝浦は効果が薄いと感じつつもピストンをより激しくさせた。

ギャラハッド由来の毒耐性が毒とも言えるこの薬にも効いているらしい。しかしそれでも薬が酷く​濃いためか、立香にも影響が顕れてしまった。

本来ならこの薬をたった1つ使うだけで女はどのような感覚にもイキ狂うようになり、人によってはショック症状によって死亡してしまうこともある。芝浦はこの薬で女が人目もはばからず乱れる光景が好きであるが故に立香にも使用した。


「やだぁ♡おまんこっ♡♡おまんこきもちいの、やだよぉ♡♡」


ひく、ひく、とあまりの快感に泣き出す立香。


「やらあ♡♡おちんぽ、うごかさないれぇ♡♡りつか、きもちいいのきらいっ♡♡おまんこやだっ♡♡」


しかし彼女は快楽を享受するのではなく、嫌だと拒否し続ける。

その反応に芝浦は苛立ちを覚えた。


「チッ、まだ嫌かよ……おい、もう2、いや4本持ってこい!」

「わかりました!」


普通なら1本で狂い切るような薬を追加で4本、合計5本の薬が立香に与えられてしまう。

組員の男は先程と同じ注射器をまた4本持ってきて、そのままもう一人の組員と共に立香の両腕に同時に4つの針を刺した。


「え?あ、やば……♡」


立香が気づいた頃にはもう遅い。既に追加で4本分の薬が、彼女の体内に注射されていた。



立香の脳内は、完全にピンク色で塗り固められた。


「ォ゙オ゙〜〜〜ッッ!?♡♡♡」


下品な声を上げて派手に絶頂し痙攣する立香。これまで涙を流していた彼女とは全くの別人としか思えない、売女のような反応だった。


「やばっ♡♡おまんこやばいぃ♡♡これとけりゅう♡♡おちんぽっ♡♡やばぁ♡♡」


立香はアヘ顔のまま舌なめずりして芝浦の魔羅を自ら腰を振って味わう。立香は既に理性など失って、ただ目の前の享楽に耽るだけの淫乱な雌と化していた。

その光景に芝浦は満足したらしく、立香の身体を押し潰すかのように覆いかぶさる。


「種付けプレスぅッ♡♡りつかのおまんこ潰されり゙ゅ゙っ♡♡」


立香の膣内は痙攣し続け、芝浦の魔羅をひたすらに刺激している。子宮は完全に下りきって芝浦の子種を欲しがる卑猥な器官となっていた。

先程まで芝浦のことを否定していた肢体はいつしか芝浦の身体に絡みついており、立香に射した薬は芝浦や他の組員ですら想定外と言えるほどの効果を発揮している。

藤丸立香の心と身体は薬の5本で簡単に壊されてしまった。誰も予想だにしない、呆気ない終わりだった。


「おい立香ッ!孕ませるぞ!俺の精子絶対受精しろよっ!!」


「じゅせーする♡♡にんしんするぅ♡♡だからおまんこにざーめんいっぱいだしてよぉ♡♡」


芝浦の魔羅は既に限界を迎え、今にも立香の卵子を求めて精子が走り出してしまいそうだ。

そして、


「イクイクイク…………イクッ!!」


ぶびゅるるるる!!と大きな音を出して射精された芝浦の濃厚な子種は、立香の子宮の中をすぐに満タンにしてしまった。


「ほぉ゙ッ♡♡お、おほぉ……♡♡ざーめんやば♡♡おなか、あちゅいぃ……♡♡」


立香は涎を垂らしながら全身を大きく痙攣させて、薬と子種による快楽で脳が働かなくなる。

きもちいい、おくすりもっとほしい、ざーめんほしい​─────と完全に堕ちきった思考の中、立香は遂に気絶した。




「おっと……ようやく気絶したか」


初めに立香の気絶に気がついたのは芝浦だった。彼は立香の秘部から魔羅を抜き出す。


「いやほんと、この女どうなってんすかね?1本で狂うあの薬を5本でようやくって……」


「さあな。まあいい、こいつを俺のベッドルームに運んどけ。服は着せなくていい。俺は一旦シャワーを浴びてくる」


「はい、分かりました!」







立香が目を覚ますと、目の前には見知らぬ天井があった。どうやらどこかのベッドに寝かされているらしい。


(ここ……どこ?ええと、確か……)


立香は今までの出来事を思い出そうと脳を回転させるが、逆にそれが仇となってしまった。


「……あ、そうだ、わたし……っ♡」


薬漬けにされて芝浦の魔羅を一心不乱に求めていた立香。その光景がはっきりと思い起こされてしまい、立香は身体に残った薬の効果をまた発揮させてしまった。

逃げ出そうとしても足が動かない。ひどく疲労しているのと同時に、立香の心と身体がその場から動こうとしない。

立香が混乱しているその時、バタン!と大きな音を立ててシャワールームの扉が開けられ、全裸の芝浦が髪をタオルで拭きながら部屋に入ってきた。


「お、起きたか」


「……!」


芝浦を警戒する立香。しかし彼女の視線は芝浦の魔羅に釘付けになっており、下半身がじくじくと疼いて子種を求めているのが彼女自身でも理解出来てしまっている。立香は思わずごくりと唾を飲み込んでしまった。

『最低、絶対に許さない』と糾弾してやりたいのに、今口を開けば出てくる言葉は『もう一回あの薬使ってわたしを犯して』なのだろうとどこか心の底で分かってしまっている。

立香はひどく怯えた。それは芝浦に危害を与えられることに対する恐怖ではなく、自分はどこまで堕ちてしまうのだろうという期待にも似た感情。

発情し自然と股を濡らす。熱い吐息が漏れて今すぐにでも芝浦に抱かれたいと淫らに暴かれた肉体が主張していた。

そんな立香の情態は芝浦にもありありと伝わってしまっているらしく、芝浦は再び立香の身体をじろじろと見ては厭らしい表情をする。

そして芝浦はベッド傍の引き出しからまたあの時と同じ薬を取り出し、抵抗出来ない立香の腕を掴んで​────




「お゙ッ♡お゙ッ♡♡んほ、ォ゙♡♡これぇ♡このおちんぽが欲しかったのッ♡♡」


胸を大きく揺らして芝浦に跨り騎乗位で魔羅を堪能する立香。薬を打たれる前のような慎ましさはどこにもなく、舌を垂らして淫らに腰を振る。

立香の身体は薬にすっかり順応してしまい、薬の影響は身体だけに留まらず立香の人格をも効果的に壊してしまう毒性を齎していた。

立香は既に芝浦に何本打たれたのか、芝浦は既に立香に何本打ったのか、それすら分からぬほど薬と行為に溺れている。


「あ゙〜〜ッイグイグイグッ♡♡またマジイキする゙ッ♡♡てかイっでるぅ♡♡」


芝浦のカウパーと立香の潮や愛液が混ざり合いぐちゅぐちゅと結合部から卑猥な音が鳴っている。

つい先程まで男を知らなかったはずの立香の肉体は、既に男に慣れた淫乱のそれと変わりなくなった。


「ザーメンッ♡♡ザーメンくだしゃいっ♡♡りつかのおまんこにぃ、どろどろザーメンッ♡♡」


芝浦に対して種付けをいやらしくねだる立香。


「そんなに俺の精液が好きになったのか?」


「うんっ♡♡ザーメン大好きっ♡♡おなかいっぱいになるまでザーメンだしてよぉっ♡♡」


己の本心を包み隠すことすらしない立香の媚態に芝浦はすっかり満足し、立香の要望通り子種を立香の膣に勢いよく叩きつけた。


「あ゙ッ♡♡ひぃん♡♡ザーメンおいしい♡♡おまんこでっ♡ザーメンごくごくするの最高ッ♡♡」


乱れきった表情で中出しの感覚を味わい尽くそうと必死に下半身へと意識を集中させる立香。その度に立香は強い絶頂感に包まれて、頭が痛くなるほどの快感に襲われる。




その行為は3日間続けられた。

立香は薬を打たれて芝浦に犯され、子宮を精液で満たされ性に溺れる。立香の脳内は既に芝浦と芝浦の魔羅と薬でのみ埋め尽くされて、それ以外のことは頭から追いやられていた。

芝浦が不在の時も立香は常に自らを慰め、芝浦が部屋に帰ればまた交尾を始める。

そんな立香が芝浦に向ける感情は、既に恋とすら呼べるものになっていた。

いつしか立香は芝浦にキスをねだるようになり、また彼のことをダーリンと呼称し始める。

立香はこの数日間で瞬く間に芝浦の愛人へと堕ちた。



「好きっ♡♡大好きぃ♡♡ダーリンのこともっ、ダーリンのおちんぽも愛してるのっ♡♡」


芝浦への愛を叫びつつ交尾に狂う立香。芝浦もそれに応えるように何度も何度も立香を孕ませるほどの子種を魔羅から吐き出す。

立香はこれ以上ないほどの幸福感に包まれ、それだけでも絶頂をひたすら繰り返した。



ふと、立香の脳内にある疑問が思い浮かぶ。


(あれ?わたし、何でダーリンと出会ったんだっけ?)


けれどそんな些細なことは快楽の前にすぐに掻き消され、


(まあ……どうでもいっか♡)


と、立香はまた芝浦との情交に明け暮れ始めた。







立香が芝浦の愛人となってから3日。

彼女は薬の常用も自ら行うまでになっていた。

今の立香の肌には牡丹の筋彫りが左胸から左肩、そして二の腕にかけて彫られている。

耳や舌、乳首、そして小陰唇にまでファーストピアスが開けられており、立香がこの一週間にも満たない期間でどれほど変貌してしまったのかが一目瞭然だ。


「ね、ダーリン♡立香のえっちなおまんこぉ、ダーリンのおっきいおちんぽでわからせてぇ♡」


「ハハッ、従順になったなぁ!立香も」


芝浦は豪快に笑った。芝浦の性欲を完全に満たせる女は今まで一人もいなかった。勿論使い切りのオナホールならば何人もいたが、何度も使える最高品質のオナホールは立香が初めてだ。


「んじゃ、今日もヤるか。もうまんこ準備できてんだろ?」


「うんっ♡当たり前♡もうドロドロで待ちきれないもんっ♡」


立香は既に淫液に塗れた自らの股間をがば、と見せびらかして芝浦を誘う。


「薬ももう3本行っといたからキメセク早くしよっ♡おちんぽっ♡おちんぽっ♡」


「じゃ、挿れるぞ」


芝浦の魔羅が立香の秘部を遠慮なしに貫く。この行為は二人にとって既に日常の一つと化していた。


「あ〜っ♡♡ダーリンのおちんぽ最高♡♡キメセクやっばぁ♡♡」


正常位で激しく性交する二人。この爛れた日常がいつまでも続くのだろう。二人は熱いキスをしつつお互いを貪るような交尾に夢中になっている。




しかし、その最中に​─────




「おい、なんだコイツら!」

「やべ、この女強ェ……」


階下にいる組員達の怒号や悲鳴、暴力の音が、立香と芝浦の耳に入った。

そして二人分の走る足音がベッドルームに近づいてきて​────そのまま、部屋の扉を強引に突破した。




「……はぁ、はぁ……先輩、いますかっ!?」

「おい、藤丸……!」


その足音の正体は、マシュ・キリエライトとカドック・ゼムルプスだった。


ホテルの一室を拠点としていたカルデア。ある夜、立香が一人で外出してから数時間経っても戻ってこなかった。警察に頼っている暇はないだろうと二人は周りの人々への聞き込みを行った。この特異点ではそもそもカルデアとの通信が途絶されており、カルデアからの援軍は見込めない状況だった。そのまま聞き込みを続け、『反社会的勢力による藤丸立香の誘拐』が発生したことを把握した。しかし住人はその反社会的勢力がどの組織であるかは知らなかったため、次にその反社会的勢力の正体を明らかにする為の情報収集を行った。そして芝浦組が立香を拐ったと判明し、遂に立香のいる場所を突き止めた。


そして芝浦組事務所へ突入。芝浦組の武装はこの特異点においては平均的なサーヴァント相手であれば善戦出来るようなものであり、階下から未だ聞こえる交戦音はサーヴァントと組員のものだ。

二人はここまで休憩もせず交戦や全力疾走を何度も繰り返しており、過度の疲労から肩を上下させて正面を向けず、ようやく前が見えるようになったと思えば​────二人の脳は思考を停止した。


男との行為の最中の、変わり果てた立香の姿を直視したから。



「​────先、輩」


覚束無い足取りで立香に近づこうとしたマシュを「キリエライト」とカドックが静かに呼び止めた。カドックはそのまま歩みを進め、呆然とするマシュの代わりに立香との対話を試みる。


「藤丸、何をしているんだ?お前​───「え、何?てか誰?何でわたしの名前知ってんの?」



「…………は?」


カドックは歩みを止めた。


「何言ってるんだよ……僕はカドックだ。Aチームの一員で、お前に負けて、大切なものも失って、でも命だけは助けられて……それで今、ここに立ってる。忘れたなんて言わせないからな」


怒気を含む語調で立香に詰め寄るカドック。しかし立香はカドックのことなどとうに忘れてしまったかのように首を傾げるだけだった。

すると今まで黙っていたマシュが口を開いた。


「……あの、先輩……いいえ、藤丸立香さん。わたし、マシュ・キリエライトのことも、覚えていらっしゃらないのでしょうか」


マシュは酷く震えた声で立香に問う。

それに対して立香は、


「えー誰?知らないけどスタイル良くない?ねえダーリン、あの子もオナホにしたらどう?♡」

「陰気な女は好みじゃねえ」

「だってさ、かわいそー!残念だね♡」


と、芝浦と共にけらけら笑った。


立ち尽くすマシュとカドック。

立香は今、マシュの身体を見て芝浦の自慰道具にしようと提案したのだ。


たった数日で、立香の脳内からカルデアの記憶は全て消し去られていた。


「​─────」


マシュは特異点Fから立香と共にずっと旅をしてきた。

立香との数え切れない沢山の思い出があった。

オルレアン、ローマ、オケアノス、ロンドン、北米大陸、キャメロット、ウルク、セイレム、ロシア、北欧、中国、インド、アトランティス、オリュンポス、妖精国。それだけじゃない様々な場所でも、立香と共に色んな経験をした。

時間神殿の時だって、マシュの盾が最後まで世界を守りきったのは彼女の後ろに立香がいたからなのだ。

それにそう、立香がカルデアにやって来たあの日、爆破されたあの部屋で瓦礫に押しつぶされそうになっていたマシュの手を取ったのは​────


「…………あ、」


そしてマシュの表情が焦燥から絶望へと一気に変わり、床に膝をついて、


「ああ、あああああああ​─────!!」


と涙を流し絶叫した。


それに対しても立香は「ねえうるさいんだけど、ダーリンとのセックス邪魔しないでくんない?早く出ていってよ」と冷たく振る舞う。

しかしマシュの耳にはもう立香の声は届かない。それはある意味マシュにとって幸運とも言えた。


「ああ、どうして、先輩、なんでっ、こんなことに……!わたしがあの時ほんの一瞬でも先輩を一人にしなければ……大丈夫だと笑う先輩を信頼していなければ……?」


自責の念を言葉にして吐き出し続けるマシュ。


そんなマシュの肩をカドックが叩き、未だ涙を流し続ける彼女に「帰るぞ」と呟いた。


「え?……でも、先輩、を、置いていく、わけには……」


「置いていくんじゃない。今は無理、というだけだ」


「先輩はっ!わたしのっ、恩人、で……!」


「……キリエライトにとって藤丸がどんな存在かは知ってる。でも、引き際ぐらい弁えろ。今は無理だって言っただろ?カルデアに戻ってからあいつをどうにかする算段を立てるんだよ」


カドックは冷静さをどうにか保ちつつ、マシュを宥めた。彼の判断は尤もであった。このままここにいてもこの状態の藤丸立香を見続けるだけで、マシュの精神的ダメージもより増すばかりだろう。

マシュもカドックの言うことが理解できたのか、しばらくすると号泣もやがて嗚咽になり、カドックに小さく頷いて立香の方を向き、


「……先輩!いつかまた、迎えに来ますからね……!」


と、涙ぐみながら立香に叫んだ。

立香は冷たい顔でそれに対して中指を立てるが、マシュは何とか心を強く持ち、カドックと共に部屋を出ていく。


そしてまた、立香は芝浦との交尾を再開させた。


「さっきの奴らマジで何?妄想と現実の区別がついてないとか?」

「そうかもな。ま、俺としちゃあ愛人があんな奴らに連れて行かれなくてよかったが」

「やぁんダーリン♡わたしがダーリンから離れるわけないじゃんっ♡てかカルデアとか全然知らないしついて行くわけないでしょ♡」




◆◇




毎晩、マシュの自室から啜り泣く音が聞こえるらしい。



カルデアでは藤丸立香の代わりに、カドック・ゼムルプスを代理のマスターとして立てておくことになった。

立香の変貌についても、カルデアの頭脳陣だけに明確に伝えられた。他のサーヴァントやスタッフには伝えられなかった。

マスターの安否が心配だ、と特異点へのレイシフトをカドックに希望するサーヴァントも多数いたが、彼らが今の立香を見ればどう精神に異常を来たしてしまうかが分からない。

あの特異点へのレイシフトは禁じられた。

もしレイシフトする時があるとすれば、それは立香を確実に元に戻す算段がついた時だ。



​─────記憶を失い、快楽に溺れきった、あの雌を?




◇◆




カルデアが特異点から撤退し7ヶ月ほど経った頃。



「ッ、スゥ​ー…………」


立香が捕らえられた時その場にいた​組員の男が、芝浦組の事務所の空き部屋でタバコを吸っていた。空き部屋ではあるのだが実質喫煙ルームのようなものになっていて、喫煙者はここに集うことが多い。事務所内は特に禁煙ではないが、空き部屋の居心地がいいのだろう。中央には柱状の灰皿が備え付けられている。

組員の男が一人で煙を味わっていると、誰かがおもむろに空き部屋の扉を開けた。

​─────立香だ。

立香は黒いランジェリーの下着姿のままで、手にライターとタバコの箱を持って空き部屋へとやってきた。ランジェリーのほとんどが透けたデザインになっていて、度重なる開発によって色素が沈着し肥大化した乳首も色ごとぷっくりと浮き出ている。

ピアスも幾つかは既に定着しており、立香の耳には刺々しいイメージすら生まれていた。

カルデアの襲来時は完成していなかった和彫りの牡丹も立派な赤い牡丹が咲いている。

そして立香に起こったもうひとつの大きな変化は、その膨らんだ腹部。

誰がどう見ても、立香は芝浦の子を妊娠していた。

立香はタバコの箱から中身を一本抜く。


「よう、立香」


「ん」


「お前、その腹ん中にいるガキのこと忘れたわけじゃないだろうな?」


半ば揶揄うようにして組員の男が立香のタバコを指さしそう言うと立香は眉間に皺を寄せて、


「は?別に……ガキとかどうでもいいし」


とライターでタバコに火をつけた。膨れた腹の中にいる子供など微塵も意に介さず、肺に煙を充満させる。それはかつての彼女からは全く想像もつかない、折角宿った大切な命を蔑ろにする行為だった。


「ギャーギャーうるさいガキの相手なんて絶対ダルいし堕ろそうと思ってたんだけどさ、ダーリンがもしかしたら何かに使えるかもしれないって言うから一応産んでみてもいいかなってだけ!」


立香はけらけら笑いながら膨れた腹を軽く叩く。


「ま、ヤニ吸いまくったせいでこいつがダメになってもそれはそれで別に構わないらしいし?だったら好きなことヤった方がいいに決まってるじゃん?」


「うわ……俺すらドン引きするレベルに変わっちまったな、お前」


「変わったんじゃなくてぇ、人生の本当の意味をダーリンに気づかせてもらっただけ♡ヤニ吸ってヤクキメてオナって生ハメしてってのが結局のところサイコーの生き方なんだもん♡」


立香はそう言って、べぇ、とピアスの開いた舌を組員の男に見せびらかす。


「あーやばぁ、ムラついてきたしヤクもキメたぁい……ダーリン来るまで部屋でヤク打ってまんこ弄ってよっかな♡じゃあね、組員くん」


「おう」


タバコの火を消し灰皿に捨ててから組員の男に手を振り、立香は自室へと戻って行った。







マシュの破壊したベッドルームの扉は既に修復されていた。

立香は扉を開けるとすぐにベッドへ飛び乗り、枕元の注射を打ってからそのまま自慰を始める。


「やっばぁ、ヤクキメてまんこほじるのマジでキくぅ……♡えへっ♡ダーリン、早く戻ってきてぇ♡りつかぁ、おまんこさみしいのぉ……♡」


芝浦の帰りを待ち股を大きく開いて一心不乱に己の恥部を弄り続ける立香。空いていた片手は乳首に伸ばして、目玉を上にぐるんと向けたまま何度も激しい絶頂を迎えた。

芝浦が部屋に戻ってきた時にベッドの上にいるのは、股から淫汁を垂れ流し気絶している立香なのだろう。


カルデアからの助けは未だ来ない。今の立香はもう二度と戻ることは無いと判断され捨てられたのか、それとも立香を諦めず作戦を立て続けているのか。どちらにせよ、立香はカルデアのことなどとうに忘れている。

人類最後のマスター・藤丸立香は既に死んだ。今そこにいるのは、ヤクザの愛人の単なる下品な雌でしかなかった。


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