秘めたる花を抉じ開けて

 秘めたる花を抉じ開けて


 幾つ目になるか分からない口づけを交わしながら、ベッドへ倒れ込む。

 頬へ、額へ、唇へ、落とされる口づけ。

 「本当に、良いのか……?」

 不安そうにこちらを見る彼の問いに答えるように首へ腕を回し、深い口づけを贈る。 

 恐る恐るといったように、差し入れられた彼の手が腰に触れ、身体がびくりと小さく跳ねる。

 慌てて離れようとする彼の手を掴み、元の場所へ引き寄せる。

 「お願いします……続けてくだ……さい」

 ゴクリとした音が聞こえたかと思うと、今度は深く深く口づけられる。

 翻弄される唇とは裏腹に、優しく撫でられる身体。荒く、苦しくなる呼吸を楽にするように、お互いのバスローブの胸元をくつろげる。探るように触れた彼の胸から、火傷をするほどの熱と共に、大きな鼓動が指先へ伝わる。

 いつの間にか離れた唇が、胸の先を弄ぶ。同じ様に大きく脈打つ鼓動の音が、彼にも聞こえたに違いない。そして、彼の頭を撫でながら、優しく与えてくれる快楽の波に身を委ねる。


 「スレッタ……愛してる」

 「私も……愛してます」

 何度、お互いの名のを呼んで、何度、愛を囁いて、何度、口づけを交わしたのか、もはや覚えていない。

 初めての痛みも、初めての快楽も、全部嬉しくて、悲しくて、幸せで――。

 泣いてしまった私を抱き締めて、頭を優しく撫でてくれたことを、一生忘れないだろう。

 

 優しい、日の光がカーテンから差し込み、ベッドを照らす。どうやら、もう朝のようだ。

 目の前の、あどけない寝顔に愛おしさがこみ上げ、キスをする。

 「ん……ああ……起きたのか」

 「おはようございます。グエルさん」

 「おはよう。スレッタ」

 優しく頬を撫でてくれる手を握りしめる。

 

 「グエルさん。大好きです」

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