仮題:ふたなりランカ×セアミン

仮題:ふたなりランカ×セアミン

一般通過きのこマン

 ネオン蛍光に染まる、繁華街のとあるお店。

 そこの裏では、表立ってはできないような見世物を行なっていた。


「……」


 その舞台に立つ、無言無表情の中に嫌悪や怯えを滲ませたその少女の名はセアミン。

 自己紹介をせずとも、彼女の可憐さと知名度から観客は湧き立った。

 彼女の恥辱を、この目で拝めるとは。

 興奮と共に一層騒がしくなるが、対照的にセアミンの口数は少なくなる。


「こんにちは〜❤️皆のアイドル、ランカだよっ!

 今日の開演は、ボクとセアミンちゃんの公開えっちショーになりまーす!

 みんな、期待とおちんちんをおっきくしてね〜❤️」


 セアミンと同じく舞台に立つソレは、ランカと名乗る。

 セアミンよりほんの少しだけ身の丈が高い、溌剌とした少女の外見のモノ。

 しかしその本性は獰猛で、笑みには捕食者としての欲望が隠しきれていない。


「それじゃあ早速、ベッド行こっか❤️」

「……」


 ランカがセアミンの手を引き、歩んでいく。

 傍目には姉が妹を連れて行くような、微笑ましい光景。

 しかしその握力は凄まじく、逃しはしないという蟲惑魔の執念が見てとれた。


 セアミンの矮躯が、ベッドに押し倒される。


「みんな〜❤️今から無垢で可憐なセアミンちゃんの躰にぃ❤️えっちなことを1から10まで教え込んじゃおうと思いま〜す!」

「……っ!」


 歓声が沸き立つ。

 同時に、セアミンには観客やランカに対する抵抗感が滲み出る。

 いや、滲み出してしまったと言うべきか。


「……ふ〜ん。そんなにボクとえっちするの嫌なんだ」


 ランカに備わる、瞳を模した器官からハイライトが消える。

 その視線は、恐怖という感情をセアミンの全身に劈く。


 捕食者の機嫌を損ねてしまった。

 であれば、その顛末はどうなるか。

 数々の能を演じた彼女にとって、それを想像するのは容易だった。


 あまりの絶望に、セアミンの心は無自覚なままに変容する。


「そ・れ・と・も、お客さんの前で無理矢理されちゃうのが好き?❤️

嫌よ嫌よも好きのうちって言うもんねっ❤️」


 そんなわけない。

 否定するのは簡単なはず。

 声でも良い。

 首を振るだけでも良い。


 それなのに、そんな簡単なこともできない。

 セアミンの息が荒れ始める。

 それは自分の思うように身体が動かない焦燥感からか、それとも。


「ふ〜ん❤️」


 楽しげなランカが、セアミンの鼠蹊部に触れる。

 タイツ越しだというのに、グチュリという水音が響いた。


「……ひゃぅっ」

「へぇ……無言ってことはもしかしてって思ったけど、キミってもしかしてマゾなの?❤️」

「……っ!」


 その指摘に、セアミンの頬が紅潮する。

 でも、自分にそのような淫乱な一面があることを認めたくなかった。

 体温の上昇を自覚しただけ。

 そう自分に言い聞かせた。


「でも最初の抵抗感は本物っぽいし、無自覚だったのかな?」


 コテンと首を傾げるランカの仕草は、少女らしく可愛らしいものだった。

 しかし一転して三日月を模ったその笑みが、ソレの本能をまざまざと表す。


「それなら、ボクがこれから教え込んであげる❤️

ボクのこの手で、ね❤️」


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