仮説
作:アスラン・ヅラの人黒服「クックックッ。4日ぶりですね。リオさん」
黒服は向かいのソファに座るリオに話しかける。
結晶の
リオ「・・・それで、話ってなにかしら」
黒服「なに、研究発表みたいなものですよ。内容的にはキヴォトスにとって重大なものなので先生を呼ぶべきかともおもいましたが、あの方には耐えられない内容でしょうからね」
黒服はそう言うと、どこから取り出したのかファイルをリオに手渡す。
黒服「まずはこちらを」
リオは受け取り、パラパラとめくる。
リオ「これは・・・・」
写真を見てリオは戦慄した。
全員、元々の形から変異している。
人型こそ保っているが、無機物が生えていたり尻尾があったり・・・
黒服「驚きましたか?これらは皆、アビドス砂漠の砂糖を摂取したものの写真です。彼女達はこのように、本来ヒトに存在しない何かが体の一部として加わっている」
ハナコを例にとれば、胸元からホース、臀部からは先端が針のように細いコードが生えている。
黒服は脚を組み直して息を整える。
黒服「この奇妙な変異現象に関して、私は二つの仮説を立てました。・・・一つ目は『神秘』の変異です。つまりは砂糖をかなりの量摂取したことで神秘の解釈に影響が与えられ、結果としてこのような状態になった・・・というもの。根拠として挙げられるのが、先日頂いたスズミさんの結晶です」
リオ「・・・あれがどうか?」
黒服「あの結晶を少し削り出したのですが・・・。どうやら神秘が結晶に刻まれていましてね。その証拠にほら。」
黒服は小さな結晶を取り出して握りつぶす。
すると、あまり一面を閃光が覆い尽くした。
リオ「・・・目がつぶされたかと思ったわ」
黒服「これは失礼。ですがわかったでしょう。スズミさんの身体を覆った結晶はすでに、スズミさんの一部として認識せざるを得ない。」
黒服は不気味な笑いを浮かべながら、もう一つの仮説に移る。
黒服「二つ目の仮説・・・こちらは先ほどよりも少し唯物論的ですが、体が変異した彼女達は、砂糖の環境に適応するために結晶という蛹の状態を経て変態を済ませた姿なのではというものです。あなた方キヴォトスに住む生徒は確かに神秘というものを持っていますが、元はヒト。
アデニン、グアニン、チミン、シトシンの旋律からなる以上、生物学的にはあなた方・・・つまり一般的な生徒が幼体で、『砂糖』の摂取という条件のもと結晶を経てハナコさんのような姿になると定められた遺伝子領域があってももおかしくはない。」
あいにく私たち、ひいてはあなた方も生物学に明るいものは少ないので、遺伝子の検証は難しいですがねと肩をすくめながら黒服は付け加える。
リオ「・・・それで、どちらだったとして、どうするの?」
黒服「前者ならば、神秘に干渉できる存在の影響を考慮する必要があります。例えば色彩ですね。もしこの砂糖が本当に色彩由来のものなら、それに対する対抗手段があるかもしれません。かつて先生達がプレナパテスとアヌビスをこの世界から追い出したように。後者ならば、我々は今まで考えもしなかったものを目にするかもしれません。・・・・今まで鳴りを潜めていた砂糖が表に出たことをトリガーとした生徒の進化。これによる新人種の誕生を・・・ね。」
リオの今後の選択
・オカルト的に考える
・唯物論的に考える
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あとがき:ここでオカルトを選ぶと色彩ツリーが、唯物論を選ぶと生物学ツリーがミレニアムの研究ツリーに追加されます。でも合理主義のリオちゃんにはオカルト的に考えることは難しいと思います。
おまけ
フルアーマーアビ・エシュフの強さは初心者が使って迷いを捨てたナグサと同じくらい。ただし初心者には扱いづらい。
ケイにマルチロックオンシステムを丸投げすることでアリスに負荷なくモブアビドス風紀委員を殲滅できるし、ついでに核エンジン搭載機なので自爆すればアビドスの砂漠区域をまとめて汚染でき、
砂糖生産なんかできなくなる
ウタハそこまで考えていたのか・・・()