以下は行われた拷問の音声記録です。
一級呪詛師××への尋問報告書より
……どーもどーも。今日あんさんの拷問を担当する加茂ですー。
よろしゅう。早めに吐いてくれると助かるな。
で、あんさんの罪状やけど…呪術師14名、補助監督5名、一般人57名の殺害および死体損壊。合っとる?OKOK、合っとるな。
ここからが問題やねん。あんさんの持っとった呪具、殺った術師の死体持ってって加工した奴やろ?見たとこ呪具作りの才能は無いどころか試したこともないやろ。誰に頼んだか、どこから繋がったか、そいつの居場所…ま、そんぐらい吐いてもらえばええ。言ってもらえればすぐ開放するで?
随分威勢がええな、確かにワイはペンチも刃物もカナヅチも持っとらんけど。
拷問担当に当てられるってことは、相手に苦痛与えんのに向いとるってことや。勿論話術が上手いとかもあるやろけどな。
……いや、あんだけ豪語しといて一撃でへばるんかい。だっさいわぁ。
何したって?ただのデコピンやで。ちょーっと術式で痛覚弄らしてもらっただけや。
どや?喋る気なったか?
……さよか、ありがとな。この情報はこっちで活用するわ。
正直に言えるいい子にはご褒美やるわ。ほい。
<記録終了>
人間の許容量を超えた快楽に倒れた無様な男を貴方が見下ろす。
呪霊以外はいらないし無為転変にでも引き渡してやろうか、と言い笛を吹く。
どこからか来た触手の塊がソレを連れ出していった。今日中にでも呪詛師玉になっていることだろう。
迎えに来た私に気づいて、花の開くような笑みを浮かべた彼に、そのまま口づけをした。アレに触れてしまった指をそっと拭いてから、彼は私を抱擁した。
溶け合う体温が、冷えた鉄の床から貴方を引き戻してくれるように、溶け切った腕の中に貴方を閉じ込めた。