【他作品コスプレ注意】マスターさん七変化
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『ルビーちゃん嘘言いました。言った程変化しません。というか七つもありせん』
「どこ向いて言ってるんだルビー?」
ここはシミュレーター。ルビーとサファイアがここで試したいことがあると言っていたので、オレの名義で申請した。
その試したいこととは…。
『さて皆さん、始めましょうか。旦那様の転身した姿、そのお披露目会を!』
「ルビーとサファイア、お兄ちゃんと契約したんだっけ? その話がまだ生きてたことに正直驚いてるわ」
そう言うクロが、呆れ半分に肩をすくめる。まあ、戦闘に活用しないからそう思われても仕方ないだろう。ここは素直に理由を言おう。
「魔術師としてみそっかすなオレが転身しても、苦し紛れの抵抗にしかならないからさ…」
「ご、ごめんなさい…」
「いや良いんだよ。というか、今回のはぶっちゃけ同人誌製作の資料集めが主題だからね」
「資料?」
「ああ。オレ達、サークル『クロスオーバー』として次のサバフェスに本出すって決めたでしょ?(次も今回みたいなことになったらおじゃんだけど…)」
「だから、まず手始めにコスプレ写真集と。まあ悪くないわね」
『でしょう? では行きますよー! コンパクトフルオープン! 鏡界回廊最大展開!!』
ルビーから放たれた紅い光がオレを包む。
───本来であれば、第二魔法の一部を扱う正真正銘の魔法少女にのみ許された力。それがオレを包み込んでいく。
『Die Spiegelform wird fertig zum!(鏡像転送準備完了!)』
『Öffnunug des Kaleidoskopsgatter!(万華鏡回廊開放!)』
光が収まると、そこには…。
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「か、かっこいい…」
そうイリヤが口にしてしまうような、鋼鉄の騎士がいた。
「これが…。すごい、打ち合わせ通りのデザインだ」
『はい♪ 旦那様のご要望通りに仕立てました!』
正直興奮が抑えられないが、それ以上に沸き立っているのはイリヤ達だ。
「マシュさんイメージなのかな? シールドとか、あの腰のマントとか」
「個人的には、メカニカルな感じがして中々悪くないと思う。ただ中世以前のサーヴァントと合うかは未知数かも。妖精騎士とならギリギリセーフかな?」
「色合い的にわたしとお揃いみたいね、ふふ♪」
『ああ、私で転身した場合は蒼と白になりますよ』
「えっ」
驚くクロをよそにサファイアが近づいてくる。今度は蒼い光がオレを包み…。
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「えー、色変わっちゃった。でもこっちはこっちでわたしと対っぽくて中々良いわね。盾、そして剣と弓矢……ふふふ」
クロはどちらも好みのようだ。オレもそうだが。
『現状はイリヤさん達の戦闘データを反映して、強化版斬撃(シュナイデン)とかが使えますよ。いつものわたし達姉妹と違って旦那様用に色々調整してますから、威力はそれなりかと』
『クロ様が分離した後のイリヤ様くらいには火力が出ます』
「それってサーヴァント化してる今のイリヤ以下ってことじゃ……まあいいか」
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「…お兄ちゃん、今は蒼と白だけど、さっきの紅と黒のカラーパターンだとクロみたいな格好してる感じになるよね」
「というより、クロのデミ・サーヴァントか疑似サーヴァント?」
「イリヤもミユも感想がひっどいわね…。一昔前のタキシー◯仮面枠とか言ったらどうなの? かっこよくわたし達を助ける仮面のイケメンみたいな…」
「わたし達と世代が違う! …なんというか、この夏で色々詳しくなったよねクロ…」
「そうね。どっかの魔法少女二人とは違ってね?」
「「うぐ…」」
クスクス笑ってからかうクロ。うん、やっぱりクロはのびのびやってるのが一番だ。
「じゃあ最後に、転身状態でやってみたかったことやって次に行こうか」
「「「やってみたかったこと?」」」
「行くぞ…。スパークステラー!」
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技名を叫びながらシールドを構え、備え付けられた砲口から大規模な雷撃を放つ。正直、これがやりたくてこの企画を立ち上げたところがある。
「おおー! すごいすごい!」
「技名の由来は雷と、星かな? …うん、立香お兄ちゃんに似合ってると思うよ」
「わたし達も星っていうワードとは色々縁があるものねー」
「良し、満足! 撮影も終わったし次に行こう!」
───
『お次は何処からか話を聞きつけてきた、ある方によるスペシャルバージョンです! どうぞ!』
「これは…」
いつしか、オレは蒼い炎のコートを纏っていた。念じるとコートから炎の腕が伸び、さらに自身の分身まで出てきた。
「カーマの力か!」
『はい♪』
「ということは……創設メンバーとしてのネタ出しなんだろうな」
「「「?」」」
「ああ、『クロスオーバー』を立ち上げる時、エレシュキガルとカーマにも声をかけたんだ。いや、なんでそうしたかはオレにも分からないんだけどね?」
「つまり、リンさ……じゃない、エレシュキガルさんとカーマさんも創設メンバーなんだ?」
「…意外」
「陰キャだから割と合うのかしら、あの二人? ていうか今のお兄ちゃん、ナ◯トの九◯嘛モードみたいね。色はともかくデザインそれっぽいし、分身できるし」
「はは、案外オレに角が生えたりする方かもよ? カーマと角繋がりで」
───
「リツカお兄ちゃんのはこれで終わり?」
『はい。次はイリヤさん達の番ですよー?』
───
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「「あの、ルビー。これ、いわゆるポタ◯…」」
「アーチャーを夢幻召喚(インストール)したイリヤ……どういう原理でまたあの姿になったのかは分からないけど、懐かしい」
「…その姿も中々良いな…」
「「え、ほんと?」」
「でも分離してた方が好きかな」
「「そ、そう? えへへ…」」
「…どっちが立香お兄ちゃんと喋ってるんだろう? サファイア、分かる?」
『私には何とも……姉さんはどうです?』
『いや、わたしも……うーん?』
「ルビーも分からないの?」
───
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「わたしは……声繋がり?」
「不思議の国のアリスみたいね、似合ってるわミユ」
「似たような衣装は別枠で着た気がするけど、これも健全度高くてイイ! イイよミユ!」
「褒めてもらえるのは嬉しいけど……なんだか、その……わたしに近い年齢と声でわたしを狙った人達みたいなムーブしてる光景が脳裏に浮かんだんだけど。兄妹の絆アピールしつつ他の兄妹利用しようとしてるところとか…」
「あはは、まあそういうこともあるわよ。気を落とさないの!」
「…後、今回用意されてない方の衣装、あれはあの女神……カーマさん? の方が完成度高いコスプレできると思う。コスチュームの元は色欲担当らしいから」
「か、カーマさんはあれで純愛の徒だよ!? ビーストだった時ならともかく今は無理だってミユ!」
「…オレ、そのコスプレしてる時の美遊とはさっきの蒼と白のアーマー着た状態で戦うことになりそうな気がする」
そんなことを言いつつ、6人は今日も日々を過ごすのだった…。