62番の場合

62番の場合


「………」

「………」

男が二人、ちゃぶ台に座っている

片方は土や石が纏わりつき、刺々しくなったハンマーを

片方は銀色に光るダイスを

各々が得物を持って、ちゃぶ台を囲み茶を飲んでいる

「……あの、一つ聞きたいんだけどさ……」

銀色に光るダイスを持った男が問いかける

「なんで何も喋らないでお茶ばっか飲んでんの俺ら????」

「…………話題が無い」

「あるだろ!?なんか、こう………あるだろ!?」

「そうは言うが、人の恋愛に茶々を入れるようなつもりも無い」

「あ、やっぱ恋愛関係なのか………」

「うむ、我々は定期的に後ろから応援をしているからな」

「なんか後ろから圧感じるのお前らか」

そんな感じに雑談していると、突如として眩くなりだし────

「───じゃあ、また縁があれば」

そんな男の声を後に、夢から覚めた

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