今宵頂く”もの”は

今宵頂く”もの”は

なんかノリで作った 考えてたもの以上にクオリティが低いですが

月が爛々と煌めく夜、盗賊はある程度の武装をしてとある建物の前に降り立つ。そこは茅瀬遥に教えてもらった呪詛師も集まる裏のオークション会場の開催地だ。


「待ってろ礼佳 今行く」


やだ、くらい やめてこわい どこなの 動けないしお腹も空いた はは、あの村での扱いを思い出しちゃうな

「来い 出品の時間だ」


伝書桜は念入りに呪いが込められた拘束具で拘束され、今まさにトラウマがフラッシュバックしつつあり全てを投げ出し身を任せようとしかけたところだった。


「さて次の商品は 若い女術師!値段は2000万からで……」

ははは こんな時に紫苑が来てくれたらななんてね でも、叶わぬ願いかなぁ・・・


ドゴォン


建物の一部が爆破され、室内が月明かりに照らされる。絵文字お手製の爆薬だ。そして、その場を荒らした本人が姿を表し、伝書桜は目に嬉し涙を浮かべた。


「あ゛?2000万?2000兆の間違いじゃねーのアホンダラ そも人の女売るなよ」

「馬鹿な!見張はどうした?!」


「紫苑!!!!」

「お待たせ、礼佳 迎えに来たよ あとそこの騒いでるオマエ、その見張りとやらももう会えるぞ、良かったな だからさっさとお縄に付けクソ野郎」

言葉を交わしつつ参加者の攻撃を捌く盗賊。その表情には余裕を浮かべるものの怒りは隠せていないようだ。


「ま、今の俺は見目麗しいお姫様を迎えに来た白馬の王子だから カッコつけさせてもらうよ」

周囲の参加者をある程度捌き切った盗賊は、オーナーに向けて言い放つ。

「あー、こういう時は予告状を出すんだっけ?じゃあ今から口頭でやるか」


「予告する たった今から、この世で最も美しくて大切な宝物を頂きに参ります」


「クソガキ風情が調子に乗るな!これ以上近づいて見ろ!その宝とやらがどうなっても知らないぞ!」

オーナーは伝書の首筋にナイフを突き立て…


否、 突 き 立 て て い ると 思 っ て い た

「…は?何をした!さっきまでこの女を人質に取っていたはずなのに!」

「あっさり過ぎて腰が抜けるんだが 俺の術式。それ以上も以下もないがお前が礼佳を所有物だと思い込んでるゴミクズで良かったよ。お陰で礼佳を『モノ』として術式で盗めた なにも物とは一言も言ってないからね 者だもん」

盗賊はオーナーに術式を使用、そしてオーナーから伝書桜を盗んでお姫様抱っこをしていたのだ。


「生意気な餓鬼がぁぁあ!お前らアイツを追え!」

「礼佳、落ちないようにね」

「ぷぁ…わ…うん!しおん」

今夜は彼の二つ名に違わない、大切な宝を盗んだ夜だった。


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