人生2周目の高家に生まれた直義妄想続き9?
高家に生まれた直義
重茂視点で直義はほぼ出番がありません。
師泰嫁はダークエルフ妹だったらしいですが、歳の差と発育を考慮して姉に変更。
師泰の性癖捏造。
直義8歳くらい?
師直26歳くらい?
師直嫁26歳くらい?
師泰25歳くらい?
重茂24歳くらい?
兄の師泰が、上杉家から妻を迎えた。
元公家である上杉の姫君は、スラリとしたとても雅やかな、美しいひとだった。
弟の重茂としては、あんなに美しい人と結婚できた兄が羨ましいところなのだが、前回同様、兄は義姉とは相性が悪いらしい。
兄としては自分と同じような、ガサツというか、荒っぽいノリが合うタイプが好みなのだろう。
家の中で、公家然とした、楚々とした風情で佇まれたら落ち着かないと言った所だ。
どちらかと言えば、長兄である師直の妻の方が兄のタイプに近いのかもしれない。
それを言えば多分、あれは逞し過ぎる(筋肉)と否定が入るだろうが。
夫婦になって暫くは我慢していたが、とうとう堪えきれなくなって、師泰は母屋の師直夫婦と、未婚のため晩酌を共にしていた重茂の処に乗り込んできた。
乗り込んできた時にはもう酔っぱらいは出来上がっていて、前回の記憶がある師直、重茂のふたりは、やはり今回もダメだったかと内心で思っただけだった。
師泰だって前回の記憶はしっかりある。上杉との友好の為にも、今回は正室を大切にしないとならないことは重々承知している。
だが…
「女は乳と尻と太ももなんだよ!!」
体の相性がとにかく悪いらしい。
痩せてすらりとした上杉の姫君は、師泰の求める、女性の肉感的魅力が皆無だった。
そしてとても淡白だった(そちらの意味で)
この兄を夜、ひとりで満足させられる女人はほぼほぼいないんじゃないのかなぁと重茂が思うくらいには、兄二人は性豪なのだ。
性格も合わない、生活習慣も合わない、夜も合わない。
そりゃ不満もでるだろうと、重茂は思う。
その為、酔っぱらって晩酌時に乱入してきた師泰に、師直も重茂も同情的であったのだ。
「乳、尻、太もも!乳、尻、太もも!」
ああああ!と叫ぶ師泰に、晩酌の酒を運んで来た師直の嫁は、呆れとも同情ともとれる、なんとも言えない表情をしていた。
「アンタこないだの夜中にも外でそれ叫んでただろ。変な評判がたつから辞めとくれよ」
夜間に。屋敷の外の草むらの中で叫んでいたらしい。何それ。
「夜中になんか叫んでる変な生き物が出たって、女どもの間で噂になってたよ」
「…兄者、そんな変な妖怪みたいな扱いに」
妖怪「乳尻太もも」爆誕
流石に師直も渋面を作る、ほぼ無表情だが、重茂や嫁にはわかる。
「乳、尻、太もも!」
激しく晩酌の邪魔だ、酒が不味い。
新婚なのに家に寄り付きたくない、欲求不満なのは可哀想だなぁと、重茂は呑気に、酒のつまみとして供給されたきゅうりに、味噌をつけて口に運んだ。
ん?つまみが来た?
晩酌の酒を追加したのは師直の嫁だ。さっき運んで来た。
ではつまみは?
視線を上げる。
そこには重茂の可愛い甥っ子、師直の愛息子の直義が居た。
「乳、尻、太もも!乳、尻、太もも!」と喚き散らす師泰の様子を、きょとんとした顔で見ている。
「師泰叔父上はどうなされたのですか?」
ごめん、重茂おじちゃん、その疑問に答えたく無い。
「女の乳はでかけりゃでかいほど良いんだよ!ケツは(ファー)たくなるデケェのが良いんだよ!ふと…!」
師直の嫁の顔面グーパンが師泰にお見舞いされた。
そのままマウントを取って、両の拳で顔面を殴り続ける。
師直は慌てて出した笙をしまうと、突然始まったバイオレンスに呆然と固まってしまっている直義に,今更ながら目隠しをした。
「酔っぱらいの戯言とは言え、あれは師泰が悪かった。高家の女衆を纏めるアレには師泰を指導する必要がある。気にするな」
「…?ええと、はい。わかりました」
直義はよくわかってない様子で返事をしている。
義姉上が怒ったのは、嫁いできた上杉の娘の為というより、可愛い我が子に変な思想、嗜好を教えそうになっている師泰への怒りの方が大きいのでは無いかと思うが、それを言えばどういう意味かと尋ねられる。
無邪気で可愛い甥に、それはまだ早い。年頃になっても教えたく無い。
可愛い甥っ子がわかったのは、義姉上が怒らせると超怖いって事だけじゃないかなぁと思う重茂だった。
取り敢えず、無表情で師泰を殴り続ける師直の嫁が、どんどん返り血で赤く染まっていくのが怖いので、早く師直兄者に止めて欲しいと重茂は切に願った。
GS美神の横島(ネタが他誌かつ古い)リスペクトな師泰。
直義は母上のお手伝いしつつ、師直の執事のお勉強中。
おつまみ作れるようになりましたよ!
きゅうりを切って味噌を添えて出すだけと侮るなかれ。
包丁(刃物)を握る許可がおりてます。成長です。