人形作家飛彩 まとめ
百瀬姫色(ももせ ひいろ、本名:鏡飛彩、1992-2016)は日本の人形作家。男性。父は医師の鏡灰馬。数年の活動期間に習作含めて1000点もの作品を製作した。
代表作に「姫シリーズ」「鉱物シリーズ」「病と人体シリーズ」「大アルカナシリーズ」などがある。
略歴
・1992年、誕生。
・2011年、人形制作を開始する。
・2012年、初の個展を開催する。この時点で作品数は3桁を超えており代表作「姫シリーズ」「鉱物シリーズ」はこの時期に大半が制作されている。
・2013年、ゲーム病により親族などを亡くした依頼者達から喪に服すための人形を依頼され、複数点制作。喪に服す人形群は親族により愛蔵されており、展示される機会は殆ど無い。
・2014年、「病と人体シリーズ」発表。今までの作風とは違うグロテスクな表現が話題を呼ぶ。この当時世間にはあまり知られていなかったゲーム病を芸術の分野で表現した初期の作家となる。また作品公開を巡り衛生省と争い、世論を騒がせた。
・2016年、高層ビルより投身自殺。その後アトリエより44点の「大アルカナシリーズ」が発見される。
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「恋人 正位置」を制作し終わった後、人形作家飛彩はアトリエ近くの高層ビルから飛び降りた。遺体は無残な姿になり、原型を留めていなかった。
ありし日の作家の姿を留めているのは少ない数の写真と自作の人形のみ
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百瀬姫色の代表作品概要
「姫シリーズ」
古今東西の神話や物語の姫君をモチーフに作られた人形群。
「鉱物シリーズ」
元素鉱物の要素を取り入れた肉体表現が特徴。
「病と人体シリーズ」
病と人体シリーズは黒死病、コレラといった感染症からバグスターウィルスなどがモチーフに取り入れられている。
「大アルカナシリーズ」
大アルカナシリーズは最晩年の作品シリーズ。数年間の人形制作の総決算ともいえる作品群。また、同シリーズの「恋人 正位置」が遺作となっている。
遺作になった「恋人 正位置」は等身大の人形作品。硝子ケースの中には大学生時代の飛彩と小姫を完全に再現した人形が穏やかに肩を寄せ合い眠っている感じの作品。今までの作品とは明らかにリアリティのレベルが違い、不気味の谷を軽々と飛び越えた2人の人形は生きているとしか形容できないレベルに仕上がっている。