人外の領域

人外の領域



「「「領域展開」」」

「伏魔御廚子」「無量空処」「灼火滅死陸」


人の域を超越した3人の術師が示し合わせたかのように一斉に呪術の奥義、領域を創り出す。

だがその人外どもの領域の外郭はそれぞれで異なっていた。


一人は結界を張る領域の通常通りのものを


独りは宙に絵を描くが如くの結界を用いない神業を


ひとりは自らの身体を代用した通常では意味を成さない珍術を


こうして展開された領域は、蘇我の領域『灼火滅死陸』の展開する上での縛りによって強制的に拮抗状態に留まる。


暴風が吹き荒れ、絶え間なく降り注ぐ斬撃によって領域は混沌と化している。


そしてそれらを対処する二人の内のひとり、蘇我を見て─正しくはその領域を見て宿儺は笑みを浮かべ口を開く。

「ほう、誰も入れぬか。面白い事をするではないか黒川蘇我。アイデア賞をやろう。褒美は飴玉でよいか?」

「舐め───


「虚式『茈』」



瞬間、仮想の質量は宿儺へと発射される。


「巫山戯てんじゃねぇよ」


五条は前へと出した右腕を引っ込めファイティングポーズをとり、無傷で立つ宿儺へ挑発をする。


「俺たちに獲られるぞ」

「やってみろ。できるのならな」


そうして、人外らの決戦が幕を上げる。重なり合う領域のその中で。

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