京都結界−①
初めて呪術師に会ったのは中学生の時だった
自分が生まれつき持っていた不思議な力を試して初めて呪具と呼ばれる物を作った事がきっかけだった。
呪力の操作もろくに出来なかったからその呪具で攻撃すれば家の、通学路の、学校の目障りだったバケモノ、呪霊が消えることが分かって毎日試し切りしてた。
一人でそんなことをやってれば同じように呪霊を消している彼ら呪術師とも鉢合わせる。
呪術師の存在、自分の力、未知の世界を知ったのはその時、その世界に強い好奇心を抱いたのもその時だった。
自分も呪術師になりたいと頼んでスカウトするつもりだった向こうも二つ返事で了承してくれて、私は中学卒業と同時に呪術高専へ入れる事になった。
三年生までは自分の好きに自分の力、術式を試せて任務で自分の好きに作った呪具も試せた。
興味の無くなった物は高専に売ればお金が入って、任務で入った給金と合わせて素材を仕入れて作って、新しいのが欲しくなれば売る事を繰り返してた
その繰り返しが変わったのは三年生の時、私が特級呪具と言うのに相当する呪具を作った事が知られた時だった。
外へ任務に行くことを控えるように言われた。当時はよく考えもせずに言うことを聞いてた。
後から知ったのは私の作った呪具を知った何人かの人達が上層部の拘束、呪詛師の襲撃を懸念して私の存在を外に晒さないために行かないようにさせたらしい。
呪具を作るだけでも楽しかったけど、自分で呪具を試してみたかった。きっかけを求めていた。
死滅回遊はそのきっかけになってくれた。渋谷事変の後始末、放たれた呪霊の対処、死滅回遊の扱いのために術師は駆り出されて私を止める者は今どこにも居ない!私の好奇心と衝動の思うがままに動く事が出来る!
行かない理由が無い!!
ああでも、心配されて動かれるのも嫌だし書き置きだけしておこう