井上のおうちにて
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「見知った天井...というより一護の家ですわね」
痛む体を無理やりに起こす...虚ではなく破面(アランカル)という奴らが街に現れて確か...
体格が大きい方ではなく強そうな小柄な方を狙い攻撃を仕掛けましたがまぁ無様に敗北に喫したのでしょうね、更に言えばリアクションすらしっかり取れずに負けたダサさ振りでしたが。
「なんだか久しぶりですね 肉体の損耗で気絶したのは」
「変にカッコつけてねぇで起きたんなら誰か呼べよ 冷蔵庫にあるもんならチンして持ってきてやるよ」
声をかけてきたのは一護だ。時計を見れば恐らく襲撃から日は跨いでいるのだろうしお腹も空く...
「じゃあ温めて持ってきてくださいね 大雑把にやり過ぎて熱くし過ぎないようにお願いしますわよ」
「そんだけ喋れるなら大丈夫そうだな...わかった持ってくるよ」
私はこれでも結構一護には冷たく当たっている自覚はあるのですが、どうにも一護はその上でも優しく接してくる。惨めにすら感じる己の浅ましさが透けて見えるようであのオレンジ髪を直視はあまりできなかった。
その後は井上さんの治療や一護の親父さんの治療が功を奏して直ぐに怪我は治った…敵の狙いはよく分からないがどうにも井上さんが心配で私は井上さんを見守ることとしたのだが。
「確か貴方は十番隊隊長『日番谷冬獅郎』 そして副隊長の『松本乱菊』」
「あら 隊長ってば有名~!」
「笑ってる場合か松本 会ってもねぇのにフルネームで覚えられている事に危機感や異常性くらい感じろ」
い井上さんの家を訪問してみれば二人の死神がたむろしている現場に居合わせた...警戒してけん制していたが、まぁその後井上さんが全員家に招き入れた(?)ので私も一緒に入ることにした。
松本副隊長と井上さんがお風呂に向かったので料理を手伝う事にする...ちゃんと井上さんの許可も取ったし大丈夫ですわね。
「おっといけませんわ ここに隠し味を少々」ズドドドー
「.........ただの料理が虚よりも恐怖心を煽るなんてことがあるもんなんだな」
「後で貴方たちも食べるんですよ?好き嫌いしていたら操って口にぶち込みますわ」
冷汗をかき始めた日番谷隊長に横目でけん制しつつ二人がお風呂を終えるのを待った。
ちなみに3人は私の料理を食べてそれぞれ
井上「美味しいですね!見た目もすごい!」
松本「隊長...!私の舌がオカシクなったのか美味しさを感じるんです 正直心の中には恐怖心とかそういうモノしか巻き上がってきませんけど」
日番谷「あぁ...鏡花水月で騙されている時みたいな不気味な感覚だ いっそそういった類の能力だと思いたいくらいの気分だ」
と好評なのかそうでないのか微妙なリアクションの死神達でしたわ...紫キャベツで色を付けたのが良くなかったのでしょうか...?