五老星

五老星

ロブ・ルッチがアップを始めました



「これは一体どういうことだ!?」

聖地マリージョア“パンゲア城“の一室で怒声が響き渡る。

「なぜもみ消さなかった!!この2人が海軍においてどれほど重要な存在であるか知っているはずだ!」

「……申し訳ございません……もみ消そうとした時は既に“世界経済新聞社“が世界中にこの事件の記事をばら撒いてしまっておりまして……」

怒りを露わにして黒服の役人を責めるのはは世界政府の最高権力“五老星”だ。彼らは今回起きた”新時代の英雄の天竜人への暴行”という大事件に頭を抱えていた。

「それで?現状はどうなっている?」

「はっ……ロズワード聖の命により海軍大将赤犬がモンキー・D・ルフィの討伐に向かいましたが”歌姫”と共に逃げられたようで…」

「……わかった…下がれ…」

役人が退室させた五老星はこれから起こる数々の問題を考えため息をつく。

「この事件をきっかけに海軍内部で大混乱が起こるだろう……脱退者も相当出るぞ……」

「それだけじゃない……民衆からの反発も覚悟せねばなるまい…革命軍も動くだろう…」

”新時代の英雄”と呼ばれた男モンキー・D・ルフィと”海軍の歌姫”ウタは海軍の新たな象徴と呼べる2人であった。実力こそ大将には劣るが2人が持つ影響力は”英雄”ガープすら上回るだろう。そんな2人が天竜人によって追われる立場になったのだ。もたらす悪影響は計り知れない。これから起こるであろう未来に顔を歪め嘆く中、刀を持った五老星の1人が厳しい顔つきで1番の問題を言及する。

「そんなことを今悩んでいても仕方あるまい……肝心なのは今回の事件の中心である2人をどうするかだ。懐柔しようにも大将を差し向けてしまった以上向こうもこちらを信用しないだろう。」

「一番警戒すべきことはガープの孫の持つゴムゴムの実が覚醒し我々に牙を剥いてからことだろう。いくら500年覚醒してなかったとはいえガープの孫ほどの実力者なら覚醒させかねん。」

「警戒するのならばトットムジカもか……あの2人はかつてエレジア王国に行ったことがあるそうだ。知っていてもおかしくない。」

五老星は海軍にもほとんど知られていないウタウタの実とゴムゴムの実の能力の秘密に危機感を抱いていた。長年回収を試みて失敗し続けた”ゴムゴムの実”の真の能力である”ヒトヒトの実モデルニカ”。ウタウタの実の能力者の歌声でのみ呼び出すことができる世界を滅ぼす魔王”トットムジカ”。両者とも世界政府にとって大きな脅威となるであろう力だ。

「ゴムゴムの実の能力者とウタウタの実の能力者が海兵になったと聞いた時はようやく安寧が見えたと思ったのだが……」

「こうなってしまった以上仕方あるまい……サイファーポールにモンキー・D・ルフィとウタの抹殺の命じる!!」

逃亡者となった2人に対し五老星は非情な判断を下す。

この判断が正しかったのかは誰もわからない。ただ一つ言えることはルフィとウタの逃避行がより苦難に満ちたものになるということである。


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