五暴星・リスサアエラ

五暴星・リスサアエラ


魔名:リスサアエラ

異名・称号:嗤う狂犬、屠殺者、虐殺少女、犬と虐殺のデーモン・ロード…等々

権能:犬・理不尽な暴力・虐殺

支配領域:混沌・悪・動物・死

領土:魔界・象牙色の迷宮内・屠殺の家(ブッチャー・ハウス)

神聖視する武器:バトルアックス

神聖視する動物:犬全般

神聖視する色:赤・黒

対応する惑星:火星

対応する星座:金牛宮 10~20°(夜間)

爵位:侯爵

邪印:ニタニタと笑う血塗れの犬

属するパンテオン:デーモン・ロード


『・・・・・・? あっ、アイツですか!? "お話"の途中で呆気なく死んじゃいました!!』

                                リスサアエラ


 "嗤う狂犬"ことリスサアエラは、かの魔神バフォミトラに仕えるデーモン・ロードの一柱であり、バフォミトラの最も信頼できる従者で構成された、直属の精鋭部隊「五暴星」の一員でもある。

 犬・理不尽な暴力・虐殺を司る彼女は、22のデーモン軍団を率いる獰猛にして狂暴なる侯爵であり、魔界の力で汚染された獰猛な魔犬、ケルベロスやバーゲストといった犬型の魔物の群れを飼育するだけでなく、調教や繁殖をも執り行っており、これらの獰猛な犬達は彼女の領土内、またはバフォミトラの支配階層である象牙色の迷宮内に自由に放牧され、遭遇した者を敵味方問わず容赦なく餌食にしている。

 召喚されると彼女は犬の耳と尾を生やした、極めて人間よりの美しいワードッグの少女の姿で現れるが、その真の姿は巨大なグリフォンの翼と毒蛇の尾を生やした、象サイズの悪魔的な紅いゴールデンレトリーバーに酷似しており、快楽殺人者特有の猟奇的な笑みを絶えず浮かべ、その目は疑いようのない狂気と殺意に満ちている。

 伝承によれば、彼女の毛並みの一つ一つは、今までに殺害した犠牲者の鮮血によって染め上げられており、定命の存在では到底耐え難い死臭と血の匂いを絶えず漂わせているという。

 言うまでも無く、彼女はその権能の通りに殺人と暴力に特化しており、召喚者されるや否や仲間ともども何の躊躇いもなく皆殺しにしようとするため、彼女の召喚は下手なデーモン・ロードとの交渉や招来よりも遥かに危険である。その為、彼女を召喚しようと試みる最も愚かな狂人は、天に座す「主なる神」ではなく、彼女の大いなる主人バフォミトラとその妻アハズの御名において、三角形の魔法陣と真鍮の指輪を用いた特殊な儀式を執り行うとされ、伝承によれば火星にとどまった金牛宮が10~20°の位置にある夜の間に実行すれば、彼女の召喚の成功率は飛躍的に上がるという。

 一方で彼女は、自身との"会話"という名の理不尽な暴力と殺戮の嵐)を耐え抜いた相手や召喚者であれば、敵を皆殺しにする能力や魔法を伝授したり、強力なデーモンの手下や調教した魔犬を貸し与えるという説もある。

◇領土

 "嗤う狂犬"の領土は、主人であるバフォミトラの象牙色の迷宮内に完璧に含まれており、彼女は有角公から大陸規模の専用の領地を授けられている。その領地は永遠の黄昏に覆われた、広大な草原地帯と不気味なまでに白い砂漠地帯で構成され、領地のそこかしこには新鮮な肉片の一部、投げ捨てられた骨や頭蓋骨の破片が絶えず散らばり、それらを放牧された魔犬と一部の飢えたデーモンが貪っている。

 また、伝説によれば砂漠を構成する白い砂は、彼女とその配下によって擦り潰された犠牲者達の骨であるとされており、砂漠を吹き抜ける風に乗って、浮かばれぬ犠牲者達の悲鳴やすすり泣きが微かに聞こえるという。

 そんな彼女の居城は錆びた鉄と真鍮、でたらめに切られた材木の数々と、大型生物の骨や皮膚などを元に建築された大都市規模の邸宅「屠殺の家(ブッチャー・ハウス)」であり、象牙色の迷宮に負けず劣らずの物理法則や常識を無視した、複雑な構造のダンジョンと化している。

 主に建物内は「犬」が放牧された犬小屋地帯、不衛生な病院じみた繁殖実験室、死臭の絶えない調理場、不気味で陰鬱な雰囲気を漂わせる洋室、広大な地下拷問室、洞窟じみた地下下水道、食人植物や吸血植物が生い茂った庭園などで構成されており、室内や回廊には彼女の手下たちによって、犠牲者の切断(または切除)された身体の部位や臓器が無造作に吊るされた状態で保存されている。

◇主な崇拝者

 言うまでも無く、彼女の崇拝者は気が狂っている。快楽殺人者や連続殺人犯などのサイコパス、戦闘の狂気に吞まれた傭兵や戦士、オークやオーガ、ハグやヒル・ジャイアントなどの暴力を好む人型の魔物がリスサアエラを崇める(または彼女の電波を受信する)傾向にあるが、バフォミトラを崇めるカルトが、バフォミトラを補佐する配神として彼女のための祭壇を設けたり、極稀に人間といった人型生物を嫌悪し、犬を異常なまでに愛する病んだ愛犬家が、彼女の崇拝に手を染めるパターンも見受けられる。

 これらの崇拝者はここから更に2つのパターンに分けられており、1つは殺人と暴力をメインに据えたカルトだ。こちらは殺人、暴力、屠殺行為の神聖さについて独自の哲学や美学を有する集団であり、一般的な宗教における聖典や教義の学習や、精神的思索、議論などよりも"実践行為"に重きを置いている。

 もう1つのカルトは、「犬」の権能に重きを置くグループである。彼らは鉄檻や粗末な犬小屋に人間などの贄を「犬」として"飼育"し、「犬」を"屠殺者"の生ける化身として神の如く丁重に扱う。「犬」となった者は、文明的な姿と煩わしい知恵を放棄するまで檻や犬小屋の中で虐待され、そのような不幸な人々はその後、犬の餌として犠牲にされた後、彼らの魂はリスサアエラに捧げられ、その贓物は彼女の好意を占い、その神意を探るために使用される。

◇主な聖域や寺院

 前述の様にリスサアエラのカルト信者は気狂いなため、まともな神殿や教会が設けられることは滅多に無い。その為、彼らは簡素な寺院や礼拝堂として、廃棄された牧場、人気のない土地にある古びた廃屋、屠殺場、犬小屋、地下室、拷問部屋を崇拝の最も一般的な場所で用意する。

 公共の場所に拠点を設けた場合、彼女の邪印といったデーモン崇拝の兆候は目立たないものの、犬が大量に飼われてる家や施設(これらの拠点は、主に動物愛護という看板や題目が掲げられている)があったり、不気味な殺人事件や暴力犯罪が多発する傾向にあるだろう。

◇他の神格との関係

 彼女はバフォミトラとその妻アハズ神から信頼のおける側近と見做されており、かの"有角公"はリスサアエラを実の娘のように扱っている(この事実ゆえか、一部の関係者や魔界の情報通は、彼女がバフォミトラの隠し子ではないかと噂している)。シルヴェストリを筆頭とした他の「五暴星」の面々も彼女の狂犬ぶりに手を焼きつつも、おおむね好意的に見ており、その関係は極めて良好である。

 だが、他の魔神やデーモン・ロードはおろか、バフォミトラ関係者以外の魔界の住人との関係は言うまでもなく最低最悪であり、偶然に遭遇した際の被害と死亡率の圧倒的高さ、そして一般的な交渉や取引の通じない異常な精神性と彼女が提示する"会話”の理不尽さから、蛇蝎の如く忌み嫌われている。

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